予知夢という言葉があるように、夢というのは何らかのメッセージや警告などが含まれていることがあるといいます。
今回は私の知人Yさんから聞いた、夢にまつわる不思議なお話をご紹介しましょう。
出がけにかかってきた電話
Yさんは当時車で会社に通勤していました。Yさんはかなり几帳面な性格なので、毎日同じ時間に家を出ると決めていました。
「さて、今日も行きますか」
メイクと髪を整え、Yさんが家を出ようとしていた時でした。
「え、こんな時間に誰?」
ふいに家の電話が大きな音で鳴り響いたのです。こんな朝早くに電話なんて、離れて暮らす家族に何かあったのかとYさんは慌てて電話をとりました。
「もしもし?」
「Yちゃん? お母さんだけど」
電話をかけてきたのは、Yさんの実の母親でした。
不吉な夢
「ああ、お母さん。何かあったの?」
「あのね、今日変な夢みたのよ」
「えー、夢の話なら帰ってからにしてよ! 私今から仕事なんだけど」
「それがね、あんたがトンネル事故に巻き込まれて死んじゃう夢なの。これから運転なんでしょ? 気をつけてねって言おうと思って……」
「やだ、縁起でもないこと言わないでよー」
そう答えながら、Yさんはふと通勤の途中にトンネルがあることを思い出しました。
「それだけなら切るよ、またね」
電話を切って時計を見ると、いつも家を出る時間を5分も過ぎていました。
「ヤバい、行かなきゃ」
Yさんは慌てて家を出て車に乗り込みました。
「なんだろ、渋滞してる……」
いつもの道を走っていると、いつもは空いている道が渋滞しているのに気づきました。
渋滞の原因は……
急な渋滞で停まっていると、Yさんの車の窓がコンコンと叩かれ、見てみると警察官が車の中を覗き込んでいました。
「何かあったんですか?」
車の窓を開けて尋ねると、警察官が答えたのは驚きの答えでした。
「ついさっきこの先のトンネルで多重の追突事故がありまして、この先の角で迂回をお願いしてるんです」
「え……」
ついさっきということは、いつもと同じ時間に家を出ていたら、間違いなく巻き込まれていたでしょう。
Yさんはお母さんから電話がかかってきたことで、命を救われたのでした。
虫の知らせと言うべきか、お母さんがみた不吉な夢の話をしてくれたことで、Yさんは事故に遭うことを避けられました。電話に出ておいて本当に良かったですね。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子