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「君たちはどう生きるか」展も開催中~「三鷹の森ジブリ美術館」で物語の世界へ~

  • 2024.2.4

吉祥寺駅から少し離れた林の中。周囲の緑に溶け込むようにひっそりと、「三鷹の森ジブリ美術館」は建っています。ここは、「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」など、世界に誇る人気アニメーションを生み出す「スタジオジブリ」の世界観を楽しめるスポット。2023年11月18日からは、宮﨑駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」の企画展も開催中です。心を込めて、丁寧に作られた、作品のぬくもりを感じながら。夢いっぱいの美術館で、癒しのひとときを過ごしてみては。

「君たちはどう生きるか」展も開催中~「三鷹の森ジブリ美術館」で物語の世界へ~
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完全予約制で“物語の主人公”になれる場所

「君たちはどう生きるか」展も開催中~「三鷹の森ジブリ美術館」で物語の世界へ~
トトロの下の小窓には、こちら側をのぞくマックロクロスケも

吉祥寺駅や三鷹駅から「井の頭恩賜公園西園」に沿って、とことこ歩くこと約15分。最初に見えてくるのは、受付にどっしり腰掛けたトトロ。しかし、よく見ると「ほんものの受付→」と書かれていて、これがニセモノだと分かります。

「三鷹の森ジブリ美術館」は、名誉館主・宮﨑駿監督の「訪れた人が、自由に楽しんでほしい」という思いが詰まった、唯一無二の美術館。世界中からジブリファンが集まる、聖地的なスポットです。

美術館は、快適に楽しめるように1日7回入場・日時指定の完全予約制。入れ替え制ではありませんので、一度入場すれば、閉館までゆったりと楽しめるのがうれしいところ。

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手の込んだ美しいステンドグラスにも注目

そして、こちらが本物の受付。植物や果物が描かれた、華やかなフレスコ画が天井を彩ります。

じっくり目を凝らして見つめると、ほうきにまたがったキキとジジや、足をパタパタさせながら走るネコバス……などジブリにまつわるキャラクターたちが、あちらこちらに。ジブリファンなら、「こんなところに、あのキャラクターが!?」とわくわく感が高まるはず。

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ロエベ財団が「三鷹の森ジブリ美術館」のために作った、クロスステッチのエンブレムが目を引く

階段を降りて、てくてく。たどり着いたのは、地下1階から地上2階までの大きな吹き抜け空間。高い天井にはガラスドームがあり、そこから陽光がさんさんと降り注ぎます。

ここは「迷子になろうよ、いっしょに。」がコンセプトの形式にとらわれない美術館。一般的な美術館にあるような、順路はとくに決まっていません。思うがまま、自由気ままに。物語の主人公になった気分で、楽しく迷いながら散策しましょう。

イマジネーションがふくらむ常設展示室

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実際に映画をつくるときに監督が描いた、貴重なイメージボード

1階の「映画の生まれる場所(ところ)」は、5つの部屋で構成された常設展示室。ぐるっと一周すると、アニメション映画が完成するまでの過程がわかるようになっています。

壁一面に貼り付けらたのは、ジブリ作品のイメージボード。これは、監督の頭の中に生まれたアイデアを作品のイメージに落とし込む、アイデアスケッチのこと。

たとえば、黒髪に赤いリボンのはずのキキが、茶髪に黄色いリボンだったり、髪を結んでいたり。イメージが固まるまでの監督の試行錯誤や、思いつきに触れられて楽しい♪

手から伝わる、ジブリの世界

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危険なものやスタンションポールがしてあるもの以外は、触ってもOK

この美術館がすごいのは、見るけでなく、触れられるものが多いこと。「少年の部屋」に置かれた宝箱も、自由に開けられます。ドキドキしながら、そっとフタを開くと、中には地図や宝物らしきアイテムが。子どもはもちろん、大人も思わず目を輝かせてしまいます。

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宮﨑監督が尊敬する、高畑勲監督をイメージした「絵コンテ」の部屋

映画の設計図「絵コンテ」をつくる「もの語る所」も、見応えたっぷり。本が山積みにつまれ、机の上には、タバコの吸い殻が山盛りに……。おそらく、締め切り直前の様子をイメージしているのでしょう。苦悩している監督の様子が、ひしひしと伝わってきます。

この部屋には、監督の冷や汗と脂汗がかたまって生まれたという緑色の「怪人ジブリブリ」がたくさん。全部で10匹いるので、探してみてくださいね。

企画展示「君たちはどう生きるか」展もスタート

「君たちはどう生きるか」展も開催中~「三鷹の森ジブリ美術館」で物語の世界へ~
一つ一つのイメージボードをじっくり作品を鑑賞できる、美術館らしい展示

常設展示を楽しんだら、宮﨑監督が7年かけてつくった長編アニメ映画「君たちはどう生きるか」展にも足を運んでみましょう。

第1部「イメージボード編」は2023年11月18日から、第2部「レイアウト編」は2024年5月から、第3部「背景美術編」は2024年11月に公開予定です。

会場に足を運ぶと、「あれ?」と思うかも。これまで見た常設展の雰囲気とは違い、手描きの絵がガラスケースや額に収められています。

「天空の城ラピュタ」をイメージした屋上エリア

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ことりっぷ

室内だけでなく、屋上も、ここにしかない魅力があふれています。

ツタが絡まるらせん階段をのぼり切ったった先には、清々しい屋上庭園が広がります。館内は撮影NGですが、屋外なら撮影OK。お気に入りのスポットを見つけて、たくさん写真を撮りましょう。

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ラピュタ語が刻まれた「要石」。解読を試みるのも楽しい。

さらに奥へ進むと、「天空の城ラピュタ」でムスカが飛行石をかざしていた「要石」が。石の前で、「バルス!」とつぶやく人が後をたちません。

ショップでとっておきのお土産を

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「紅の豚」に登場する空賊団から名付けられた「マンマユート」

ミュージアムショップ「マンマユート」は、美術館より少し遅い、10時10分からオープン。店内には、ここでしか手に入らない美術館オリジナルグッズから、おなじみのジブリのキャラクターグッズまで、さまざまなアイテムがそろいます。

テラスが魅力のカフェ「麦わらぼうし」でひと休み

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カフェ「麦わらぼうし」

ゆっくり美術館を楽しんだ後は、敷地内にあるカフェ「麦わらぼうし」へどうぞ。お天気の良い日は、開放的なテラス席がおすすめ。さわやかな風を感じながら、ゆったりとしたひと時が過ごせます。

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「くいしんぼうのカツサンド」(800円)、「麦わらぼうしのホットドッグ」(680円)、「野っぱらのクリームソーダ」(500円)

メニューは、手軽に食べられる軽食が中心。定番のひとつ「くいしんぼうのカツサンド」は、宮﨑監督描き下ろの小旗付き。ランダムで絵柄が変わるため、「今日は何かな?」という楽しみがあります。

こちらは、北海道の大地で元気に育った「放牧豚」のうまみが詰まったポークカツに、自家製のカツソースをたっぷりつけて、香ばしい胚芽パンではさんだボリューム満点のメニュー。大きな口をあけて、思いっきりガブッとかぶりついてくださいね。

そして、噛み応えのある味のパンに「放牧豚」のソーセージを挟んだ「麦わらぼうしのホットドッグ」も、このカフェならでは。パンには麦わらぼうしの焼印入り。パリッとジューシーで、どこか懐かしい味わいです。

外から製造工程が楽しめる、テイクアウト専用の窓口も

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ことりっぷ

「麦わらぼうし」の左手奥には、テイクアウト専用の窓口も。窓からのぞきこむと、オムレットやサンドイッチなどが次々と出来あがっていく様子を眺められます。

デジタルが主流になった今だからこそ、行きたい「三鷹の森ジブリ美術館」。やさしいアナログのぬくもり触れ、堅くなった心をやわらかに。ゆっくり時間をとって、ぜひお出かけくださいね。

© Museo d’Arte Ghibli © Studio Ghibli

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