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【隈研吾氏がリノベした醤油蔵】アートと蔵カフェスイーツを堪能!世界へ躍進する「浜田醤油」現地ルポ|熊本

  • 2024.2.3

日本の食卓で欠かせない調味料“醤油”。中でも、甘めが特徴的な九州の醤油はスイーツと相性抜群! 今回は、隈研吾さん監修のもと、カフェとショップを併設した熊本の老舗醤油蔵「浜田醤油」を訪問しました。併設の「うさぎカフェ」では、醤油メニューもいただける、建築美にも魅了される美術館のようなスポットを紹介します!

200年以上の歴史ある「浜田醤油」

「甘口の醤油」が一般的な九州。料理によって、濃口、淡口、刺身醤油など、醤油を使い分ける食文化があるのも特徴です。

今回は、有明海や港に近い熊本市西区小島(おしま)にある「浜田醤油」を訪問しました。熊本城下の玄関口として水運を利用し発展してきた商人の町・小島に、1818年(文政元年)に創業した老舗の醤油蔵です。

水質のよい熊本の水を使った熊本醤油を九州に広めた歴史があり、創業から現7代目まで、伝統を継承しつつ時代に合わせて醤油を造り続けています。さらに、今はヨーロッパやアジア圏への輸出にも力をいれています。

国登録有形文化財にも指定されている建物は、長閑な住宅街の中で、威風堂々たる佇まいです! 2023年12月現在、国登録有形文化財指定の建物の中で醤油業を営む蔵は、九州には熊本と福岡の2軒のみとのこと。

隈研吾さんがデザインした蔵の中

それでは早速、建物の中へ入ってみましょう。蔵の真ん中にある長い通路が入口です。秘密基地のようで胸が高鳴ります!

2016年の熊本地震で被災した当時は閉業を考えるも、県の復興事業や多くの人々からの支援や、交流のあった世界的建築家・隈研吾さんの監修(リノベーション)により、新しく「うさぎカフェ」「蔵ショップ」を併設し復活しています。

通路を奥へと進むと、ふわぁ〜と醤油も香ってきます。木々を組み合わせたモダンで独創的な内装には圧倒されっぱなし……。

奥の大きなテーブルのあるスペースには、浜田醤油の歴史や海外で紹介されている新聞記事などを展示しています。

伝統文化や建築好きな人たちが撮影に夢中になる異空間。外からの光が漏れて陰影が美しく、凛とした空気に包まれています。

大きな醤油木桶も間近! 耳を澄ますと麴菌が発酵する音も聞こえてきそうです。

醤油木桶の右手側が、ショップとカフェの入口です。いざ入店!

2階・うさぎカフェ

暖簾をくぐった2階に「うさぎカフェ」があります。浜田醤油の、初代、2代目、3代目、現7代目が卯年生まれというご縁から「うさぎカフェ」という店名になったそう。飛躍・子孫繁栄を象徴する“うさぎ”、縁起がいいですね。

階段を一段一段上がる度、目の前の小窓から光がちらちらと輝いて、ここでもドキドキが止まりません!

カウンター席と1卓のソファー席があるカフェ。天井には大きな梁があり、どっしりと重厚な内装なのに落ち着きます。

窓際のカウンター席からは醤油蔵を一望! 蔵の中にも外光が差す、季節や時間によって光の表情も変化する贅沢なお席です。

木樽のようなお冷のカップも素敵。そして、“水の国”熊本の水は雑味がなくて美味です。

ほぼすべてのメニューに浜田醤油の醤油を活かしています。九州・熊本の甘めの醤油はスイーツとも相性バッチリ。

1番人気はいろんな醤油スイーツをのせた「蔵スイーツセット」(税込1,650円)。珈琲or紅茶orほうじ茶のドリンク付き(追加100円で抹茶もOK)。2番人気は、醤油ぷりんとみたらし団子をのせた「抹茶セット」(税込1,200円)。

「醤油ソフトクリーム(うさぎの最中付き)」「白玉だんご(みたらしときな粉)」(各税込500円)、醤油アイスをのせた「醤油ぷりん」、醤油アイスを添えた「シュガードーナツ」、「醤油団子(醤油あいすとみたらし団子)」(各税込700円)と、すべて魅力的!

醤油を味わうソウルフードには、熊本産の米を使った「醤油屋さんの卵かけご飯(味噌汁・惣菜付き)」(税込880円)を。「醤油屋さんのビーフシチュー(ごはんorパン付き)」(税込1,320円)は、醤油を隠し味にしています。

ドリンクは、その場で点てる抹茶、クラフトコーラ(黒糖レモン・青蜜柑)、珈琲、紅茶など(350円〜)。食事メニューには「醤油ソフトクリーム+珈琲or紅茶」(税込720円)をセットにできます。

蔵スイーツセット以外のカフェメニューは「メニュー+1ドリンクオーダー制」です。

実食!人気の蔵スイーツセット

“醤油ソフトクリームと醤油プリン、両方食べたい”というお客さんの希望に応えた「蔵スイーツセット」をいただきました。(上から右回りに)白玉だんご、プリン、箸休めのお菓子、うさぎ最中、ソフトクリーム。可愛らしくて、どれからいただこうか迷います!

とろ〜り艶やかな白玉だんご。浜田醬油の甘辛いみたらし風のたれ「焼餅にかける醤油」をたっぷりとかけています。白玉はもちもちで弾力があり、たれとよく絡み、噛むたびに味わいも広がりました。

余ったたれはソフトクリームにちょっとかけてみたり。残したくないほど甘辛のバランスが抜群! アイスにもあう焼餅の醤油です。

プリンに醤油を加えた「醤油ぷりん」。醤油と卵が織りなすコクに一口目からビックリ! どちらの味が強すぎても成しえないこの奥深さ。なめらかで固すぎないプルルン感も、ビターなカラメルソースとの調和も最高です。

「醤油ソフトクリーム」は、檜が香るオリジナルの五勺桝にこんもりと。シルクのようになめらかなミルクソフトに、醤油の香ばしい甘みが優しくのっています。甘みが特徴的な九州の醤油だからこそ、全体がまろやかにまとまっています!

うさぎの最中の中に、醤油ソフトや白玉だんごをのせていただきます。サクッ、モチ、なめらかに、醤油スイーツを堪能。

箸休めのお菓子は不定期で内容が変わるようなので、季節によって工夫を凝らした「蔵スイーツセット」を楽しめるみたいです。

セットのドリンクには「ほうじ茶(アイス)」を。うさぎが跳ねる可愛らしいグラスで食後にほっこり。

桝、三方、豆皿、匙など、お膳の和小物も縁起がよいものばかり。熊本旅行はいいことがありそう! と、この先の旅路にワクワクしてきます!

1階・蔵ショップ

1階のショップにも立ち寄ってみましょう。日常使いのものから高級なものまで、醤油や雑貨がアートショップのように並んでいます。

醸造後に火入れをしていない搾りたての生醤油、馬刺醤油、減塩醤油、焼餅の醤油など種類豊富。熊本の野菜や果物を使ったドレッシング、ぽん酢、出汁、たれなど、料理の味を引き立てる調味料もたくさん。

お店の人気1位は、肉・魚にも合う「バルサミコ醤油」(税込538円)。瓶の中でも熟成が進むようです。人気2位は、メディアでも注目されている「卵かけごはんにかける醤油」(税込324円)。

醤油やたれの3本セットバッグはお土産にもぴったり(1,000円台〜)。

(右)540日木桶熟成醤油「第七代」(税込150ml1,382円、500ml4,140円)。伝統製法に、7代目が「米こうじ」の天然の甘味をエッセンスに加えていて、2020年モンドセレクション金賞を受賞しています!

(左)旨味とコラーゲンが詰まった逸品「XO醤」(税込3,780円)。世界最高峰と称される金華ハムや北海道産帆立を、浜田醤油の特製極上甘口醤油で仕上げています。

贈答品には、醤油差しや豆皿を添えた「HAMADAYA セレクション」(税込10,800円)を。

日常使いの調味料セットもあります(3,000円台〜)。

ロゴマーク入りのオリジナルエコバッグ(税込1,650円)、オリジナルの梨園染手ぬぐい(税込1,100円)。

美濃焼のまめ皿、九谷焼の箸置きなど、吉兆模様の伝統工芸品の雑貨たち(800円台〜)。

カフェでも利用されている「桝」(税込/五勺桝660円、一合桝1,800円)。お酒を嗜むだけでなく、器としても使えますね。

行き方は?車なしでも訪問できる!

筆者は、熊本駅前バスターミナルの4番のりば(田崎市場・アクアドーム行き)からバスを利用しました。交通状況で乗車時間は変わりますが、公共交通機関を利用し、熊本駅から現地まで約30分。

ちなみに、現地の蔵の裏手には駐車場もあるので自家用車でも訪問可能です。

建築、アート、スイーツ、伝統好きな方には訪れてみてほしい、歴史と現代が交差する非日常に身を置ける「浜田醤油」。甘口が特徴的な九州の醤油だからこそスイーツと抜群に調和していました!

浜田醤油

住所:熊本県熊本市西区小島6-9-1

TEL:096-329-7111

営業時間:(1階・蔵ショップ)10:00~17:00/(2階・うさぎカフェ)11:00~16:00(L.O.15:30)

定休日:(蔵ショップ)月曜・火曜/(うさぎカフェ)月曜・火曜・水曜

公式Instagram:@hamada_shoyu

交通:産交バス(田崎市場・アクアドーム行き)「熊本駅前」乗車「小島行在所入口」下車徒歩約4分

 

※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。

※店舗営業については最新情報をご確認ください。

[all photos by kurisencho]

 

 

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