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意外と知らない「節分」の真実、なぜ豆をまく? 縁起のいい食べ物8つ! 恵方巻き、イワシ、ぜんざい…理由も一挙解説

  • 2024.2.3
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「節分」は毎年2月3日とは限らない!

「節分」は毎年2月3日とは限らない!
「節分」は毎年2月3日とは限らない!

節分=2月3日と思っている方も多いかもしれませんが、実はこれは間違った認識です。節分の定義は立春の前日です。立春は国立天文台の観測により“太陽黄経が315度になった瞬間が属する日”と決められているため、毎年同じ日ではありません。2025年は立春が2月3日なるため、節分は2月2日なります。

本来、節分とは季節が変わる節目の日のことをいいます。1年を24等分した暦「二十四節気(にじゅうしせっき)」では、立春、立夏、立秋、立冬からそれぞれの季節が始まるとされているため、それぞれ前日が節分になるのです。ただ、旧暦では立春は1年の始まりとされ、お正月のような存在。その前日の節分は大晦日にあたり、重要視されていたのです。

「節分」にはどんなことをするの?

「節分」にはどんなことをするの?
「節分」にはどんなことをするの?

「鬼は外、福は内」という掛け声とともに煎った豆をまいて鬼を追い払い、無病息災を願う行事として根付いている「節分」ですが、そもそもどうして豆をまくのでしょうか?その起源を紐解きながら解説したいと思います。

節分の起源は、明の時代に中国で行われていた「大難(だいなん)」という鬼神を追い払う風習だといわれています。病気や災難などの悪いことは全て鬼の仕業によるものだと信じられていました。その鬼が季節の変わり目である節分の夜に出てくるため、それを退治するために行っていたそうです。それが飛鳥時代の日本に伝わり、「追儺(ついな)」という名前で宮中にて行われるようになりました。

中国では小豆や五穀を、日本では米、麦、粟、炭などを以前は神様に奉納していましたが、いつの頃からか煎った豆をまく形に変わっていったようです。豆になった理由には諸説あります。1つ目は、中国の古い医学書に「大豆は鬼毒を殺して痛みを止める効果がある」と書かれていたから。2つ目は、穀物には霊力が宿っているとされ、その中でも豆が一番大きいから。3つ目は、昔からの言い伝えで神様が煎った豆を鬼に渡して以来、鬼が人間を食べなくなったから。そして4つ目は、「魔を滅する=魔滅(まめ)」の語呂をかけて縁起を担いだなどともいわれています。

煎った大豆をまくのが一般的ですが、北海道や東北地方、信越、鹿児島と宮崎では落花生をまくこともあるようです。これは雪の多い地域だと豆を拾うのが大変だから、あとで拾って食べることを考えると殻に入っている落花生のほうが衛生的だからという理由のようです。また、鹿児島と宮崎で落花生が選ばれているのは、落花生の産地であるためです。

正しい豆まきの仕方

正しい豆まきの仕方
正しい豆まきの仕方

実は正しい豆まきの仕方はありません。神社仏閣でも豆まきをしていますが、やり方はそれぞれ。ここでは、一般的な自宅で行う豆まきの仕方を紹介します。

「福豆(ふくまめ)」と呼ばれる煎った豆を用意し、日が暮れるまで桝や、神様に捧げるための台「三方(さんぽう)」に入れて神棚にお供えしておきます。日が暮れたら家の窓や扉を開け、「鬼は外」と掛け声をかけながら豆を外に向かって投げます。その後、窓と扉を全て閉め、「福は内」と掛け声をかけながら豆を部屋の中に撒きます。以前は豆をまくのは家長や厄年の人、年男、年女の役目でしたが、現代はイベントとして家族全員で行うのがいいでしょう。豆まきが終わったら、自分の年齢よりも1粒多い福豆を食べます。

掛け声に関しても、「鬼は外、福は内」意外の場合もあります。例えば、成田山不動尊では「福は内」しか言いません。これは、慈悲深いお不動様の前では鬼も改心して鬼ではなくなるためだとされています。また、全国から追い出された鬼を迎え入れ、改心させるとされる金峯山寺や、地名に鬼がつくなど鬼との関わりが深い地域では「福は内、鬼も内」と唱えることもあります。

福豆だけじゃない! 節分の日に食べると縁起がいい食べ物8つ

福豆だけじゃない! 節分の日に食べると縁起がいい食べ物8つ
福豆だけじゃない! 節分の日に食べると縁起がいい食べ物8つ

節分に煎った大豆を食べると1年を健康で過ごせるといわれていますが、それ以外にも食べると縁起がいいものがあります。王道のものから、限られた地方でしか食べられていないものまで紹介していきます。

恵方巻き 近年、節分の日の食べ物として広く親しまれるようになったものに恵方巻き(えほうまき)があります。そもそも恵方巻きは大阪の花柳界で、“福や縁を巻き込んで食べる”と縁起を担いで行われていたもの。1990年代になるとコンビニで扱われるようになり、全国的に広まりました。

恵方巻きには、七福神にあやかって7種類の具材を入れるのがポイント。包丁などで切らずに、その年の福徳をもたらしてくれる歳徳神(としとくじん)がいる方角を向いて一気に食べることで、幸福や商売繁盛がもたらされるとされています。また、途中で喋ってしまうと運が逃げてしまうため、無言で食べるといいとされています。2024年の恵方は東北東になります。恵方巻きを食べる人は事前のチェックをお忘れなく。

イワシ イワシも有名です。イワシを焼くときに出る煙やニオイを鬼が嫌い、寄ってこないと考えられていたからです。魔除けのおまじないとして、焼いたイワシの頭をトゲのある柊の枝に刺して玄関に飾る風習もあります。体調を崩しやすい季節の変わり目に栄養価の高いイワシを食べるのは理にかなっているようにも思えます。

そば「そばといえば節分ではなくて大晦日でしょ」という声も聞こえてきそうですが、江戸時代には節分におそばを食べることが一般的でした。なぜなら、旧暦では節分は大晦日にあたるから。つまり節分におそばを食べるのも、大晦日同様に長いものを食べることで長寿を願う気持ちが込められているのです。近年では廃れてしまいましたが、今でもそばの産地である信州や出雲地方では節分そばの風習は続いています。

ぜんざい 関西地方には「厄除けぜんざい」という風習があります。これは、厄除け効果のある赤色の小豆を使ってぜんざいを作り、節分の日に108人に配って厄除けをするというものです。

こんにゃく 四国地方に伝わる節分の行事として、邪気払いと無病息災を願ってこんにゃくの白和や煮しめを食べる「1年の砂おろし」があります。食物繊維が豊富なこんにゃくを食べ、腸の中をキレイにして体の中から邪気を払うというものです。

クジラ 日本有数の捕鯨基地である下関を有する山口県では、節分に大きな生き物を食べると縁起がいいと考えられているため、クジラを食べる風習があります。

けんちん汁 けんちん汁は肉や魚を使わず、根菜だけで作るすまし汁。関東を中心に、このけんちん汁を節分の日に食べる習慣があります。発祥は神奈川県鎌倉市にある建長寺という説が有力。初代住職がくず野菜を使って作っていた汁を、寒い冬に供していたものが節分の行事食として定着したようです。

しもつかれ「しもつかれ」は栃木県の郷土料理です。正月に余った新巻鮭と節分の福豆を、根菜などと一緒に酒粕で煮込んだもの。節分の豆を使いますが、食べるのは「初午」といって2月の初めの午の日です。

節分は子どもの頃から慣れ親しんでいる風習ですが、意外と知らないことも多いもの。また、地域によって縁起を担いで食べるものが異なるなど、調べると新しい発見があって面白いですね。

(水浦裕美)

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