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ミア・ワシコウスカが映画『ブルーバック あの海を見ていた』について語る【sweetムービーインタビュー】

  • 2024.2.3

Mia Wasikowskaミア・ワシコウスカ

インタビュー
photo_© Arenamedia Pty Ltd, photography by David Dare Parker

1989年10月14日、オーストラリア・キャンベラ生まれ。『ディファイアンス』(08)でハリウッドデビューし、『アリス・イン・ワンダーランド』(10) で世界的大ブレイク。


美しく豊かな海を守り続ける母と娘の絆を描く『ブルーバック あの海を見ていた』。オーストラリアで最も親しまれている作家ティム・ウィントンの小説を『渇きと偽り』(20)のロバート・コノリー監督が映画化。海洋学者アビーを演じたミア・ワシコウスカの故郷が舞台だけに、とても身近なテーマだという。

「10年来の友人コノリー監督の脚本を読んで、即、“出たい”と思いました。当時はコロナによるロックダウンの最中で息苦しい毎日でしたが、脚本を読んでいるうちにからだがリラックスして大きく深呼吸……そんな快感が味わえたのです。自然の尊さや生き物と人間との神秘的なつながりも魅力的でした。じつは舞台となった地域にまだ幼い甥と姪が住んでいるんです。彼らにも、この映画をぜひ見せたいと思いました」

自然保護のメッセージのみならず、原作では息子だった主人公を娘に代えて描かれる深い母娘の物語も味わい深い。

「娘は母から自然の美しさ、それを守ることの大切さを学びます。でも娘が成長するにつれてもっと広い世界を見たい、自然を守る有効な方法を探したいと願うようになる。そんな意見の食い違いもあって故郷を離れるアビーですが、やがてより大きな力と術を身につけて帰郷し、あらためて自然保護に立ち向かっていく。そこがとても重要です」

少女時代のアビーが出会って友情を育んだ巨大な魚“ブルーバッグ”と再会し、海中で一緒に泳ぐシーンは、誰もが感動する。

「同じ海域でしか生きられないブルーバックのためにも自然環境を守り続けることがアビーの使命でもありますから。あの魚はじつに精巧に作られた模型ですけど、一緒に泳いでみるとまるで本物と水中で遊んでいる感覚。とても不思議な体験でした」

『アリス・イン・ワンダーランド』(10)で一躍“ハリウッドスター”となったミアは、アビー同様に、演技派としての評価と技を身につけ、30代になるのを機に帰郷。現在はオーストラリアを拠点に、カンヌ国際映画祭コンペティション部門で話題を集めたジェシカ・ハウスナー監督の『Club Zero』(23)など、エッジのきいた小規模作への出演が続いている。

「共感ができて、心がかき乱される作品を選ぶようにしています。シドニーでゆったりとしたプライベートを楽しみつつ、キャリアも積み重ねる……。完璧なバランスを保つのは難しいけれど、帰郷は正解でした。映画以外の世界にいることが、人生を豊かにしてくれますから。あとは長編映画の監督をしたいですね。家族や姉妹など、人と人とのつながりをテーマにした脚本を書いて、自分で監督する。いつか、実現させたいと思っています」

『ブルーバック あの海を見ていた』
story:母が倒れた知らせを受けて、故郷の西オーストラリアに戻った海洋生物学者のアビー(M・ワシコウスカ)。後遺症で言葉を発することができなくなった母をケアするため、アビーはしばらく実家に滞在することに。

監督:ロバート・コノリー/出演:ミア・ワシコウスカ、ラダ・ミッチェル、アリエル・ドノヒュー、リズ・アレクサンダー ほか/配給:エスパース・サロウ/公開:現在、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー中

© 2022 ARENAMEDIA PTY LTD, SCREENWEST (AUSTRALIA) LTD AND SCREEN AUSTRALIA

text : YUKO KANEKO

web edit : KIMIE WACHI[sweet web]

※記事の内容はsweet2024年2月号のものになります。
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