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【映画】2/23公開「落下の解剖学」このミステリは言葉と心理戦

  • 2024.2.3

雪山の山荘で男が転落死した。 男の妻に容疑がかかり、唯一の証人は視覚障がいのある11歳の息子ダニエル。 事故か?自殺か?殺人か? いったい何が起こったのか?と釘付けになっちゃいました地域特派員のめりしゃんです。 第76回カンヌ国際映画祭で<最高賞>パルムドール賞受賞、そして、第81回ゴールデングローブ賞で、【脚本賞】と【非英語作品賞】の2部門で受賞したこの作品!見応えあります。

出典:リビングふくおか・北九州Web

©2023 L.F.P. – Les Films Pelléas / Les Films de Pierre / France 2 Cinéma / Auvergne‐Rhône‐Alpes Cinéma

ただの転落事故ではなく妻の殺人か?

不自然な転落ということで裁判になります。 さて、どういう展開になるのでしょうか?

心理戦みたいな感じかな。見ていてだんだん惑わされてくる感じ。本当のことはわからない。なんかありましたね、事実はひとつ、真実は人の数だけあるっていうやつです。

妻サンドラは人気作家、夫サミュエルは教師で作家を目指している。夫婦って一緒に暮らしていればいろいろありますよね、ホント。しかも妻の方が稼いでいてそこに息子の事故も絡んで。言葉ひとつで壮大な誤解も生まれたりするわけで、言葉のプロ同士の諍いです。

舞台はフランス、言語は英語とフランス語で

フランス語を母国語とする夫とドイツ語を母国語とする妻の共通言語は英語。そして視覚障がいのある11歳の息子と母は英語で会話し、父とはフランス語で会話をしてる。夫婦喧嘩は英語とフランス語が飛び交います。 日本人がこの映画を見るときは、字幕に頼るしかないのですが、裁判では字幕を< >括弧付きにして英語であることを表現していたりします。耳を澄ませてみてください。

法廷では検事がフランス語で追及します。妻は最初はフランス語で答えていますが、途中からフランス語ではうまく答えられないと英語に切り替えます。その英語だって彼女にとっては母国語ではないし。通訳を介しての法廷ってどこまで微妙なニュアンスが伝わるのでしょう?またその伝わらなさを武器にすることもできるのかも。

人を外見で判断しちゃいけないんだけど

配役というのも重要よね。見るからに悪党ヅラとか悪女ぽいとか。純粋無垢なこどもとか。もう第一印象でアタマの中に組み立てられてしまいそうで。 見る側のいろんな先入観が利用されてしまう?

検事役。意地悪そうに見えちゃうのです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

弁護士は妻と昔からの知り合い。仲がいいのも気になる。

出典:リビングふくおか・北九州Web

殺人を疑われた妻とその夫。第一印象は優しそうな夫とキツそうな妻でした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

視覚障がいのある息子。芯が強そうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

息子といつも一緒にいるこのボーダーコリーのスヌープ。この落武者のような髪型?のスヌープがいい演技してます。 ちょっとびびりましたが。

出典:リビングふくおか・北九州Web

©2023 L.F.P. – Les Films Pelléas / Les Films de Pierre / France 2 Cinéma / Auvergne‐Rhône‐Alpes Cinéma

裁判が結審しても、わたしはまだモヤモヤしているのです。そして、いろんな可能性を考えてしまうのでした。

「落下の解剖学」 2月 23 日(金・祝) T.ジョイ博多、kino cinema天神、シネプレックス小倉、ユナイテッドシネマ・トリアス久山、他全国順次ロードショー 監督:ジュスティーヌ・トリエ 脚本:ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ 出演:ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、ミロ・マシャド・グラネール、アントワーヌ・レナルツ 配給:ギャガ 2023 年|フランス| 152 分 公式サイト:https://gaga.ne.jp/anatomy/

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