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親が「卒婚」宣言→どうなった!?熟年離婚と何が違う?残された家族の複雑なキモチ

  • 2024.2.3

離婚をしない「卒婚」という選択

卒婚とは
卒婚とは

「熟年離婚」とは、長年連れ添った夫婦が離婚すること。厚生労働省が発表したデータでは、2020年に離婚した夫婦のうち、20年以上同居した「熟年離婚」の割合は21.5%で、1947年以降で過去最高を記録しました。

一方で、離婚ではなく「卒婚」という形を選ぶ夫婦もいます。「卒婚」とは、婚姻関係を継続したまま、お互いを干渉し合わない自由で自立した生活を送るというもの。SNSでは卒婚を“円満な離婚”と捉えている人も多く、「卒婚おめでとう」といったコメントも見られ、どちらにしても多くの人がポジティブなイメージを持っているようです。

東京都在住の主婦Aさんは、「母親が卒婚宣言をし、家族がバラバラになりました」と明かします。前向きなイメージがある卒婚ですが、一体何があったのでしょうか。

「きっかけは、父の不貞疑惑から始まりました。『お父さんの不貞の証拠をつかんだ』母からの突然の告白は、寝耳に水でした。

その日を境に母の言動がおかしくなっていきました。父親のスケジュール帳をこっそり見たり、父がスマホを手放した隙に勝手に中をのぞいたり…

私たち姉妹は、最初のうちは母が不憫(ふびん)だと思い、相談にのっていました。どうしても父を許せない、一緒にいるのが苦痛なのであれば熟年離婚をしてもいいのでは?と。子育ても終わっており、私たちはそれぞれ家庭を持っているので、離婚を選択してもかまわない、と前向きに考えて欲しかったのです。

一方の父親は、体裁があるから離婚は考えていないと言っており、少し落ち着くまで母をそっとしておこう、という考えでした」(以下Aさん)

しかし、距離を置かれたことを「無視されている」と捉えたのか、さらにAさんの母親の行動はエスカレートしていったそうです。

「警察から連絡が来ました。話を聞くと、母が、父のスマホのロックを解除しようとして本人に見つかったそうです。当然、父は激怒。母は『怖い、何されるかわからない』と、警察に連絡したそうです。私たちだけでなく、他人にも迷惑をかけるとは……」

主張一転なぜ?「絶対離婚はしない」

離婚しない切実な理由
離婚しない切実な理由

このように散々周囲を振り回し続けたAさんの母親が、ある日、『絶対に離婚はしない』と、意見を一転させたそうです。

実はAさんの祖父はマンションを何棟も保有する資産家。父親は会社を早期退職し、母親は専業主婦で普段は高級外車に乗り、毎日のようにフラワーアレンジメント、料理教室、ダンス、歌……と、“お習い事”でスケジュールを埋め尽くしているのだそうです。

ずいぶん裕福な暮らしをしてきたようですが、Aさんの母親が「離婚できない」事情がありました。

「母は、離婚したら実家の財産を半分もらえる、と思っていたようです。しかし、財産分与の対象となるのは、婚姻後に夫婦で協力して形成した財産であり、婚姻前から持っていた財産や、相続や贈与を受けた財産などは分けられない。

『お習い事をやめて、自分で働くなんて絶対無理!できない!離婚ではなく“卒婚”だ』と一方的に宣言しました。

さらに、母は、離婚しない代わりに十分な生活費と、実家が所有するマンションを自分が使えるようにしてほしいと要求をし、実家から出ました」

一方的な卒婚、招いた結果は…

一方的な卒婚、招いた結果は…
一方的な卒婚、招いた結果は…

Aさんの父親はこの「卒婚」に納得したのでしょうか。

「父は、母に言われるがままでしたね。いつか母と話し合いができ、家に戻ってくると思っているみたいですが、おそらく母が戻ることはないでしょう。また、以前のように、家族がお盆やお正月に実家に集まることもありません」

両親に対し「自分たちの身勝手さを反省してほしい」と、Aさんは言います。

「母親のせいで誰も実家にこなくなった、と父は寂しそうに言いますが、元をたどれば父の身勝手な行動が引き起こしたことです。

一方の母も、1人でマンション住まい。頻繁に家族で撮った写真や孫たちの写真を私にLINEで送りつけてきます。そこには、必ず『あのころはよかった』『あの時は幸せだった』とコメントが添えられています。もはや、返事をする気にはなりませんね。

二度とゴタゴタに巻き込まないでほしいと思います。今、私たち子どもたちが話し合ってるのは、実家で1人残された父の介護についてですかね。母は無関心を決め込んでますが、父も70代半ばなので……」

夫婦の形や家族構成、置かれている状況はさまざま。卒婚を選ぶ人もいるでしょう。しかし、今回のような一方的な「卒婚」宣言は今後トラブルを引き起こしかねません。卒婚をする場合は、相手の同意はもちろん、周囲に丁寧に説明することが大事です。また、「契約書」の作成などもトラブルを避けるために重要になってくるかもしれません。

(LASISA編集部)

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