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北海道の“端っこ暮らし”に憧れて.....。 稚内からご当地ネタを漫画で発信!『しろまる最北日記』著者インタビュー

  • 2024.2.2

北海道から新しいものをつくり続けるクリエイターたちの視点や素顔を覗く「HOKKAIDO CREATORS INTERVIEW」。今回は日本最北の街・稚内市での暮らしを描いた漫画『しろまる最北日記』をXに投稿してきた作者で会社員の高木さんにお話を聞きました。

神奈川県出身の高木さん。首都圏の大学在学中に知床でアルバイトをしたことがきっかけで、北海道での暮らしに興味を持ったそう。大学卒業後、稚内市の企業に就職し北海道に移住。最北の地で経験する「ご当地あるある」をはじめ、稚内や北海道の魅力を漫画で発信し始めました。
架空のキャラクター、白丸あすかを主人公にした漫画『しろまる最北日記』がXで人気に。

高木さんの目に映る、稚内の面白さとは? そもそもどうして移住? なぜ漫画を始めたの? など、いろいろな質問をぶつけてみました。

大学時代のアルバイト、サブカル研究が今に生きる。

Sitakke

—高木さん、今日はよろしくお願いいたします! 稚内生活を描いた『しろまる最北日記』、道民が読むと、「そうそう!あるある!」と納得するところや、「これって北海道だけだったの?」みたいな新しい発見があって、とってもおもしろいのですが、そもそも神奈川県出身の高木さんが北海道に移住したきっかけは何だったのですか?

大学時代、夏休みとか長期休暇になると知床に住み込みでアルバイトをしていました。それで、北海道が好きになって。就活も北海道を中心に。

—稚内を選んだ理由は?

最初から稚内を目指してきたわけではなくて、北海道に住むなら“端っこ”がいいなと思って選びました。アルバイトしていた知床も“端っこ”だったので、道東もいいかなと思っていたのですが。旅行も趣味なので、北海道の“端っこ”で観光などに携われる仕事を探しました。

—会社員をしながら、漫画を描いている高木さん。大学時代は何を勉強していたのですか?

専攻は地理です。コンテンツツーリズムの研究をしていました。アニメの聖地巡礼とか、観光とサブカルチャーをミックスした町おこしとか、観光資源の発掘なんかを勉強していたんです。卒論は「聖地巡礼」でした。

漫画は完全な趣味で、稚内に来るまでは本格的に描いたことがありませんでした。
稚内に移住したら、自分のために使える時間がたっぷりできたので、漫画でも描いてみようかなと。

Sitakke

—『しろまる最北日記』を描こうと思ったきっかけは?

大学時代に研究していたように、アニメとか漫画とかサブカルチャーを使って地域の情報を発信してみたいなとは思っていたんです。稚内での暮らしで発見する面白いこととか、都会の人にはわからないこと、稚内の魅力みたいなことを、最初は普通にツイッター(現・X)で発信していたんですけど、キャラクターを設定し漫画にしたほうが同じツイッターに投稿しても反響がよかったんです。長く描くつもりはなかったのですが、結局120回くらい続いています。
あと、稚内で暮らしていると通勤時間もかかりませんし、のんびりしていて心にも余裕が生まれて、「そうだ、漫画でも描こうかな」なんていう気持ちになれるんです。

白丸あすかの日常に詰まった稚内の魅力やふしぎ

Sitakke

—『しろまる最北日記』を読むと、白丸あすかは淡々と稚内の暮らしをおもしろがっているというか、楽しんでいる印象を受けますが、高木さんは稚内暮らしの魅力をどう捉えていますか?

もともと車の運転が好きで、ドライブに出かけるのが趣味なんです。稚内だけでなく、北海道は道が広くてドライブするにはうってつけ。通勤にも車を使うのが当たり前で、先ほどもお伝えしたように、通勤時間が往復で15分もない。首都圏で生活していた学生時代より、社会人になってからのほうが、時間がたっぷりあるし、ストレスも少ないですね。

総合的には稚内の暮らしにすごく満足しています! 非常に暮らしやすいです。
稚内は人口が3万人ちょっとの街ですが、普段の日常生活にはまったく困りません。もともと北海道の生活基準を知床のウトロで学んできましたので、稚内はむしろ都会。冬は大雪や吹雪で大変なこともありますけど、覚悟はできていますので、稚内の暮らしに不満は一切ありません!

毎日、満員電車に揺られるような都会暮らしが苦手で、北海道の端っこに来ているので、本当に稚内の暮らしが気に入っています。

Sitakke
稚内での暮らしに興味津々の我々に、さわやかに答えてくれる白丸あすかさん。

—漫画の中には、野生動物との遭遇率だとか“近所”の距離感が違うとか、道民にとっては普通のことでも、改めて言われると「あ〜、そうなんだ」と納得させられる部分があって面白いのですが、読者のターゲットは決めていたのですか?

連載漫画とはいえ、一話完結で地域の情報をお伝えしているので、壁新聞のような感じで読んでもらえたらいいかなとは思っていました。地域の情報紙みたいなものを意識していて、どちらかというと道外に住んでいる人に向けて伝えたい内容だったのですが、道民のフォロワーさんも結構多くて、「北海道あるある」みたいなところに共感してもらえているのかなと。

—単なる「あるある」ではなくて、稚内や北海道を知らない人のために向けられた漫画だったのですね。

例えば地方移住を考えている人とか、都会の生活に疲弊している“内地の”人たちに、ちょっと読んでほしいなというのはありました。行き詰まったときに地方移住という選択肢もあるよ、っていう糸口になったらうれしいですね。「地方移住はいいぞ!」って上から言うわけではなく、「そういう生活もあるんだ〜」くらいな感じで思ってもらえて、なおかつ稚内に興味を持っていただけたらうれしいなと思っています。

—『しろまる最北日記』がきっかけで、稚内に移住した人や観光で来た人なんかはいますか?

詳しくは知りませんが、ときどきSNSなんかで「白丸さんの聖地に来ました!」という稚内の写真を投稿しているのを見かけます。

—「聖地巡礼」をテーマに卒論を書いた学生さんが、社会人になって自ら聖地をつくり出してしまったなんて、すごいですね! まさに漫画のような話です!

たまたまですけど、今後もそういうのが増えてくれるとすごくうれしいですね!

―改めて、最北端の街稚内の魅力や知ってもらいたいことはありますか?

やっぱり、すべてにおいてスケールが大きくて、雄大なスケール感の中にある地方都市というところが最大の魅力ですね。ドライブやアウトドアが好きな人には魅力的な土地だと思います。

Sitakke

―今後はどんな活動をされていくのですか?

『しろまる最北日記』は、これまで週1くらいのペースを目指して、不定期で120回更新してきたのですが、しっかりと完結はさせてはいません。それとは別に、今後はもう少しストーリー性のある漫画だったり、小説だったりで何かしら発信はしていこうと思っています。地域ネタや旅行など、好きなテーマでやれたらいいですね。もちろん、会社員として働きながら創作活動も続けて行きます。

〜〜取材を終えて〜〜
白丸あすかは、漫画の中のキャラクターですが、インタビューに答えてくれる高木さんの雰囲気と重なる部分がたっぷり。淡々としているようで、どこか人としてのあたたかさを感じさせてくれる方でした。
地域の魅力を伝える高木さんの漫画を通して、北海道に住む人が誇らしげな気持ちになれるのは、作品に高木さんの愛情が込められているからなのかなと感じました。

そんな高木さんが描く「しろまる最北日記」。Sitakkeでも一部エピソードを配信していきます!漫画を通じて北海道の魅力を感じてみてくださいね。

⇒「面白そうだから最北端に移住してみた」白丸あすかさんが綴る稚内でのゆるライフ!

「しろまる最北日記」Xアカウント:@Asuka_Shiromaru

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Edit:Sitakke編集部YASU

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