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勝っても消えない監督クリンスマンへの不安と不満。その根底にあるもの

  • 2024.2.1

テストの機会は十分にあった。何しろ就任して1年近くなる。だが、その重要な過程を省略して、今さら新しい戦術を持ち出したが、結果は「大失敗」だった。

ユルゲン・クリンスマン監督は1月31日午前(日本時間)、カタールで行われたAFCアジアカップ16強戦のサウジアラビア戦で、3バックのカードを切った。

キム・ヨングォンとキム・ミンジェ、チョン・スンヒョンが守備ラインを構築し、中央にイ・ジェソンとファン・インボム、左右サイドにはソル・ヨンウとキム・テファンを配置する戦術だった。3トップにはチョン・ウヨン、ソン・フンミン、イ・ガンインが配置された。

ソン・フンミン
(写真提供=OSEN)ソン・フンミン

クリンスマン監督は昨年の就任以降、4バックを活用した。親善試合、W杯2次予選を含め、計10回のAマッチを行い、フォーメーションの変化はほとんどなかった。

今大会のグループリーグ3試合でも同じだった。クリンスマン監督は、ほとんど4-4-2を使い、大きな枠組みで変化はなかった。

ところが、クリンスマン監督はいきなりトーナメントの初戦で果敢な戦術変化を選択した。グループリーグで守備が大きく揺れたことを憂慮した計算だった。

毎試合失点し、マレーシア戦では3ゴールも許して守備が崩れただけに、守りを強くしようという意図があった。

しかし、それは期待に反して作戦は大失敗に終わった。韓国は後半開始と同時に失点を許してしまったのだ。相手のミス・トラップが、絶妙なアシストになった不運が伴ったことを考慮しても、失点シーンだけではなく競技力自体が悪かった。

クリンスマン監督
(写真提供=OSEN)クリンスマン監督

特に、中盤の主導権争いで大きく押される様相に苦戦した。サウジアラビアは3-5-2のフォーメーション。 2トップ2人と中央MF3人がコンパクトな間隔を維持し、ファン・インボムとイ・ジェソンの2人しかない韓国の中盤を圧迫した。 

前半の韓国のボール占有率は40対60で押され気味だった。ファン・インボムとイ・ジェソンは孤立し、中盤の数的争いで敗北してしまったため試合の主導権を握ることはできなかった。

当然、得点の機会もほとんどなかった。結局、クリンスマン監督は後半19分にチョン・スンヒョンをベンチに下げてパク・ヨンウを投入し、4バックに切り替えた。

変化後、韓国は試合の主導権を握り始めた。中盤での戦いを制してボールを占有し、着実に得点機会を作って、最後はチョ・ギュソンの同点ゴールで勝負を振り出しに戻して延長戦を迎えた。

結果的にスリーバックは失敗だった。そもそも一度もやったことのない戦術を、トーナメントで初めて使うこと自体が非常識だ。

2022年カタールW杯を控え、前任者のパウロ・ベント監督もアイスランド代表との最後の強化試合でスリーバック戦術を点検したことがある。赴任後、常に4バックで勝負をしたベント監督さえ、万が一の状況に備えて3バックをテストする時間を持った。

クリンスマン監督
(写真提供=OSEN)クリンスマン監督

一方、クリンスマン監督は昨年、これといったテストはせずに時間を過ごし、最も重要な時点で「合わない服」を取り出して着せようと試みた。8強に進出して幸いだが、ともすればクリンスマン監督の賭博が韓国に16強脱落という新しい屈辱の歴史をもたらすところだった。

サウジアラビアとの試合を制した韓国代表
(写真提供=OSEN)サウジアラビアとの試合を制した韓国代表

辛うじてトーナメントに生き残ったものの、クリンスマン監督への疑問符はなかなか消えない。オーストラリア代表との準々決勝の結果を見守らなければならないが、依然として韓国代表の競技力は期待できる水準には達していないと言わざるを得ない。

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