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台所で眠ってない?イタリア在住ライターが教える「バルサミコ酢」活用術

  • 2016.2.1
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イタリアの食材店では、日本では人気だということが定説となっている「バルサミコ酢」。日本でも最近は手軽に手に入りますが、買ったものの実際使いこなせず、台所で眠っていませんか?

ここでは、イタリア在住の筆者ならではの、バルサミコ酢の選び方、使い方をご紹介します。

 

■そもそも「バルサミコ酢」って何が違うの?

バルサミコ酢は、ブドウの果汁を80度以下の温度で煮詰め発酵させます。酢といっても芳香がある甘酸っぱい独特の味、そして醤油のような色、と普通の酢とは、一線を画したものです。

もともと11世紀頃、イタリアのモデナで作られ始めた酢ですが、原産地指定の材料で、厳しい製造基準を満たしたものだけが、“バルサミコ酢”と名乗れるのです。

 

■バルサミコ酢の種類

バルサミコ酢の中でも、木の樽で最低12年以上熟成したものだけが“伝統的バルサミコ酢”です。DOPというイタリアの厳しい品質認定表示が付いた正真正銘の本物で、12年物はイタリア国内でも100mlで約7,000円と高額です。

プラムのようなまろやかな甘酸っぱい香りと味、どろっとした液体で、昔は不老長寿の妙薬と考えられていたというのもうなずけます。

他にも、指定地域で規定に沿って製造し、熟成期間が12年以下の場合は、伝統的ではない「バルサミコ酢」となり、IGPという生産地保護マークがあります。

 

■バルサミコ酢の選び方

イタリアでは、食品に全原料をはじめとする詳しいラベル表記が義務付けられています。選ぶときはラベルを確認して、DOPまたはIGP表記の正当なバルサミコ酢を選びましょう。

IGPは、DOPと違い値段も手ごろで、普段使いならIGPで十分です。熟成してないバルサミコ酢でも、芳香のある独特の甘酸っぱい酸味が、癖になる美味しさです。

ただIGPの中にはカラメル色素で着色しているものもあるので、原料もチェックしましょう。

また、最近ではバルサミコ風味をメインにしたバルサミコクリームという商品があり、ソース感覚で気軽に使えるところが人気ですが、これは純粋な意味でのバルサミコ酢ではありません。

 

■バルサミコ酢の美味しい使い方は?

サラダにオリーブオイルと一緒にかけるだけで、いつものサラダがイタリア料理の一品に変身します。オリーブオイルのほかに、はちみつ、マスタードも加えたドレッシングにすると、味がさらに複雑になり、大好評間違いなしです。

焼きたての魚や肉にかけるだけでも、味に変化がでます。特に、ジビエやレバーなど、匂いのきつい素材によく合います。

普通のバルサミコ酢を、気長に弱火で煮詰めると、熟成したバルサミコ酢に似た甘酸っぱいソースになり、イチゴ、アイスクリーム、パルミジャーノチーズなどに、合わせると、新しい味の発見です。

また最近では、スパのエステなどでその美容効果にも注目されています。特に脂っぽい肌の皮脂の分泌を調整する作用が優れているので、バルサミコ酢をニキビにつけてマッサージすると効果は抜群です。試してみてください。

 

いかがでしたか? 様々な用途に役立つバルサミコ酢、今日から早速使ってみませんか?

【著者略歴】

※ KOKO ・・・大学時代に訪れたローマでイタリア料理の魅力にふれ、会社勤務ののちイタリア留学。その後イタリア人と結婚。専業主婦としてイタリア家庭料理の研鑽に励む。妊娠・出産を通し、食の大切さを再認識し、スローフードライフを実践。現在は2人の子どもの子育てを中心に、観光業、翻訳業、そしてイタリアのカルチャー、ライフスタイルについても情報発信中。

【画像】

※ geniuscook_com / shutterstock

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