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「殻をひとつ破った感じする」好守で中日の連敗を阻止…村松選手の苦手だったショートの守備を鍛えた“二人のコーチ”の存在とは?

  • 2024.5.20
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写真:SANKEI

5月19日、横浜スタジアム。 緊迫感漂うDeNA対中日戦は、8回裏にこの試合1番の勝負所が待っていました。

◇19日 DeNA2―3中日(横浜)

1点差まで詰め寄るDeNA、なおも1死一、二塁のチャンス。ここでDeNAは代打・大和選手を送り込みます。大和選手の放った打球は鋭く、誰もが三遊間を抜けると思った瞬間、中日ファンからどよめきが起こります。ショートを守る村松開人選手が信じられない反応速度で逆シングルに飛びつき、打球を掴み取ったのです。 素早い送球で併殺を完成させ、DeNAの反撃ムードを断ち切るビッグプレー。球場は歓声に包まれました。

「(投げていた松山投手が)直球なら正面、フォークなら引っかけて三遊間に打球が来ると思って準備していました。アウトにできてよかったです」
試合後のインタビューで、村松選手は冷静に、しかし確かな手応えを感じさせる言葉を残しました。しかし、昨年までの村松選手を知るファンにとって、この活躍は驚き以外の何ものでもありません。ショートの守備指標はマイナスと低迷し、不安定な守備にファンもハラハラさせられた日々。それが今シーズン、ここまでプラスの守備範囲を記録し、球界トップクラスの守備力へと急上昇したのです。急成長する球界屈指の遊撃手へ、彼はどのようにして変貌を遂げたのでしょうか?

荒木コーチと堂上コーチの二人三脚指導

その裏には、二人の名コーチの存在がありました。ドラゴンズの二塁手で、ゴールデングラブ賞を6度受賞した名手、荒木雅博元コーチ。そして、現在も内野守備走塁コーチを務める堂上直倫コーチ。まるで村松選手の才能を開花させるための二人三脚のように、二人のコーチはそれぞれの持ち味を活かした指導で、村松選手を導いてきたのです。

荒木コーチは、村松選手の才能を見抜きながらも、アマチュア時代の名残が残る守備に危機感を抱いていました。打球を見てから動き出す「反応型」の守備では、プロの世界では通用しない。そこで、荒木コーチは一歩目の動き出しを重視する「予測型」の守備へと村松選手を導き始めます。長年の経験に基づいた基礎練習を徹底的に叩き込み、揺るぎない守備の土台を築き上げていきました。

そして、荒木コーチが築き上げた堅固な土台をベースに、堂上コーチは村松選手の秘めたる積極性をさらに引き出す指導を行いました。2024年シーズンの春季キャンプで、村松選手をショートで起用することを決断。セカンドでは躊躇しがちだった、打球に対して前に出る積極的な守備を促したのです。

ショートは、セカンドに比べて、前に出て捕球する必要がある打球が多いポジションです。必然的に積極的な守備が必要となり、村松選手の長所である「球離れの速さ」を活かすのに最適な環境でした。さらに、荒木コーチが課題として挙げていたもう一歩前に出る」という点も、ショートでプレーさせることで自然と克服できるように導いたのです。

堂上コーチは、荒木コーチの指導を継承しつつ、村松選手の個性に合わせた指導を行うことで、さらなる成長を促しました。二人のコーチの指導は、まるで息の合った二人三脚のように、お互いを補完し合い、村松選手の才能を開花させるための相乗効果を生み出したと言えるでしょう。

村松選手の好守備に、ファンからも次のような声が上がっています。

村松は殻をひとつ破った感じするよな
ウチにも村神様がいた
村松の成長に荒木が目を細めるのもわかるわ

攻守で素晴らしい活躍を見せる村松選手。打撃面でも好調を維持しており、首位打者争いに加わってくるでしょう。規定打席到達まであとわずかです。二人の師の教えを胸に、さらなる高みを目指す若武者の躍動から、今後も目が離せません!


※情報は5/20時点のものです。

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