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もしも「度会隆輝」の交渉権を“中日ドラゴンズが引いていたら”…期待される役割とは?

  • 2024.5.11
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写真:SANKEI

2024年のプロ野球も開幕から1カ月以上が経過。各球団、今季の戦力や調子、戦い方などが少しずつ浮き彫りになってくる時期です。その中でも、特に注目を集めるのが「新戦力」の選手たち。リーグ優勝を目指すうえで、どの球団も新しい力の台頭は不可欠です。今季も新人選手や新外国人選手、移籍選手などが開幕からプレーしていますが、「新人選手の中でひときわ存在感を放ったのが横浜DeNAベイスターズの度会隆輝選手。オープン戦の好調ぶりで開幕スタメンの座をつかむと、いきなり2試合連続本塁打を放つ鮮烈なデビューを飾りました。その後、やや調子を落としましたが4月26日の巨人戦では満塁弾を放って復調をアピールするなど、新人らしからぬ活躍を見せています。

そんな度会選手ですが、昨年秋に行われたドラフト会議ではDeNAだけでなく中日ドラゴンズ千葉ロッテマリーンズの計3球団が1位競合。抽選の末、DeNA入りが決まりましたが、クジ運次第では中日やロッテのユニフォームを着ていた可能性もあったということです。

そこで今回は、話題のルーキー・度会選手が“もしも”中日に入団していたら……という「if」を考察してみようと思います。

もしも度会隆輝が中日ドラゴンズに入団していたら…?

今季の中日は開幕から好調で、一時はセ・リーグ首位に立つなど「台風の目」となっています。特に新入団の中田翔選手が細川選手に次ぐチーム2位の打点をマークするなど、主砲としてしっかりと機能。持ち前の強力投手陣は今季も好調で、昨季よりも投打の「かみ合わせ」が良くなっている印象を受けます。

そんな中日に、もしも度会選手が入団していたら……。今季の中日外野陣は、昨季ベストナイン&ゴールデングラブ賞の岡林勇希選手が春季キャンプで右肩炎症を起こして出遅れ、開幕一軍を逃しています。度会選手であれば、その「穴」を埋める選手としてDeNAと同様に開幕一軍&スタメンの座をつかんでいたかもしれません。また、レフトには5番細川成也選手、センターにはソフトバンクから移籍してきた上林誠知選手がおり、岡林選手復帰後はこの3選手に三好大倫選手を加えた4選手でレギュラーを争う構図となっていますが、度会選手がここに食い込むとしたらおそらく「センター」のポジションを上林選手、三好選手と競う形となるでしょう。もしくは、岡林選手をセンターに回し、度会選手をライトで起用するというプランも考えられます。

どちらにせよ、外野手の層は昨季著比較にならないほど厚くなったはず。新加入の中田選手、上林選手とともに、チームに新しい風を吹かせてくれたかもしれません。

今の中日に必要なカンフル剤となったはず

また、底抜けに明るいキャラクターも、どちらかというと“おとなしい”印象の選手が多い中日にとってはカンフル剤となったはず。豪快かつ男気のある中田選手とはまた違った形で、チームを鼓舞する役目も担えたかもしれません

4月時点の数字だけを見ると、中日に入団していたほうがレギュラー争いは分が悪かったかもしれませんが、広いバンテリンドームには度会選手のような長打も打ててスピードもある選手はフィットしたはず。だからこその「1位入札」だったワケですが、DeNAでの活躍によって、はからずも中日フロント陣の「見る目」が確かだったことも証明されています。

今季は“生まれ変わった”印象が強い中日ですが、“もしも”ドラフトで度会選手のクジを引き当てていたら……さらに大きな変化が生まれていたかもしれません。

もちろん、これは“たられば”の話。度会選手は現在DeNAでプレーし、中日の選手たちも素晴らしい活躍を見せてくれています。シーズンはまだまだ長いですが、度会選手、中日の選手のこれからの活躍にも期待したいところです。


花田雪
1983年、神奈川県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心に大相撲、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆。著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)がある。

※本記事内の情報は、5/1時点です

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