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「東都7人衆」「社会人No.1外野手」即戦力を期待され入団した“23年ドラフト1位”たちの現在…新人王の有力候補も

  • 2024.5.1
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昨年のドラフト会議で指名された新人選手たち。中でも注目を集めるのは各チームが最も期待して獲得したドラフト1位の選手たち。即戦力での活躍を期待された選手もいれば、残念ながら故障して現在はリハビリに励む選手もいますが……シーズンが開幕しておよそ1ヶ月が経過した現在、彼らがどんな成績を収めているか見てみましょう。

各チームのドラフト1位選手の成績(4/30終了時点)

阪神 下村海翔(青山学院大)

一軍登板なし

大学時代は故障に悩まされる時期もありましたが、ストレートと多彩な変化球が武器の投手で、大学3年生時には優勝に大きく貢献してプロ入り。球団としては即戦力としての活躍ではなく、大学時代の疲労回復を優先して2軍の沖縄キャンプでゆったりとした調整をするようにしてきましたが、この時点で右ひじに痛みがあったためか、開幕して間もない4月上旬に右ひじにトミー・ジョン手術を受けることに。これで今季どころか向こう2年は登板できなくなってしまいました。

幸い、手術後の経過は順調で手術から数日後の4月11日には退院。現在はリハビリに打ち込んで1日も早い回復を目指しています。

広島 常廣羽也斗(青山学院大)

一軍登板なし

昨季のドラフトで「即戦力投手ナンバーワン」という高い評価を受けていた大器。150キロを優に超える直球とスプリットとのコンビネーションが冴える本格派の投球がウリでしたが、コンディション不良のために投げられない時期があり、開幕は二軍スタート。実戦登板はまだできていない状況ですが、シートバッティングなどで登板することで徐々に実戦感覚を取り戻しつつあります。

現状、チームも低迷しているため、1日も早い一軍合流が期待されますが……二軍登板を経てからの一軍デビューは早くても夏ごろになりそうです。

横浜 度会隆輝(ENEOS)

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写真:SANKEI

26試合 打率.217(106-23)3本塁打 11打点 2盗塁 OPS.599

都市対抗野球大会で橋戸賞、若獅子賞、そして打撃賞の三冠に輝くという快挙を成し遂げた社会人ナンバーワン打者。明るいキャラクターでも話題となった選手ですが、オープン戦で打率.434を記録していきなりオープン戦首位打者となると、開幕戦から1番ライトでスタメン出場を果たし、その試合でいきなりプロ初本塁打を放つ大活躍。翌日の試合でも本塁打を放つなど、いきなり大爆発を見せました。 

その後、成績を落としてきましたが、成績集計後の4月26日の巨人戦で球団史上初となるルーキーによる満塁本塁打を放って再度上昇。大物ルーキーの活躍は留まるところを知りません。 

巨人 西舘勇陽(中央大)

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写真:SANKEI

12登板 0勝2敗10H 防御率4.22 10.2イニング 7奪三振

阿部慎之助新監督がクジで引き当てた即戦力投手。中央大学出身ということで阿部監督の大学の後輩ということでも話題となりましたが、開幕一軍に選出されると、開幕戦の阪神戦で7回にリリーフとしてプロ初登板。三者凡退に仕留めていきなりプロ初ホールドを記録するという上々のデビューを飾りました。その後、巨人の勝ちパターンのリリーフ投手として主に7回、8回を担当することになり9試合に登板して連続でホールドを記録しました。

成績集計後の25日の対中日戦でも無失点で切り抜け、10試合連続でホールドを挙げましたが、26日の対DeNA戦では1点リードの8回に登板しましたが、2本のタイムリーを献上しホールド記録が途切れるとともに初黒星。5月以降の巻き返しが期待されます。

ヤクルト 西舘昂汰(専修大)

一軍登板なし

長いリーチを生かした腕の振りから放たれる150キロ超のストレートを武器にグイグイと押し込む投球が期待された投手ですが、1月に開催された新人合同自主トレーニング中に上半身のコンディション不良を発症。投げることができなくなり、3ヵ月間のノースローの調整を余儀なくされてしまいました。

そのため一軍どころか二軍での登板すらゼロの状況ですが、3月からはキャッチボールを再開して、4月にはブルペンで傾斜を使った投球練習を再開。着実にリハビリを行い、一軍デビューの日を待っています。

中日 草加勝(亜細亜大)

一軍登板なし

細身の体型ながら、豊富なスタミナと巧みな投球術を武器に急成長を遂げた好素材。豊富なスタミナを武器にイニングイーターとしての期待も高まっていましたが……1月の新人合同自主トレーニングの際に右ひじを痛めてしまい、即座にトミー・ジョン手術を受ける事になり、阪神の下村海翔投手と同様におよそ2年ほどリハビリに費やすことになりました。

オリックス 横山聖哉(上田西)

一軍出場なし

スケールの大きさで注目され、ドラフト会議前には「高校生ナンバーワンショート」と注目を集め、オリックスに入団。現在のオリックスには紅林弘太郎選手がレギュラーとして定着していることもあり、1年目となる今季は二軍スタートなりましたが、右足の具合が思わしくなく、二軍戦の開幕直後はベンチ入りすら叶いませんでした。 

しかし、4月12日の中日戦で初出場を果たすと、翌日にはWBCメンバーである高橋宏斗投手から満塁の場面で走者一掃となるタイムリーツーベースヒットを放つなど、いきなり活躍。成績集計後の26日時点で10試合に出場し、打率.324、4打点という好成績を残しているため、一軍デビューの日も近いかもしれません。 

ロッテ 上田希由翔(明治大)

10試合 打率.217(23-5)0本塁打 3打点 OPS.557

外れ外れ外れ1位という指名になりましたが、東京六大学リーグで通算82安打、打率.313という成績を残した好打者。ゆったりとした構えから振り切るスイングが特徴的でロッテにない長距離砲として期待されましたが、オープン戦では打率.250に留まり、開幕は二軍スタートに。しかし、4月2日に一軍に昇格すると翌3日のソフトバンク戦に「6番・ファースト」でプロ入り初出場を果たしました。4日にはプロ入り初安打を放つなど、好スタートを切りました。

しかし、その後なかなか結果を残せず成績集計後の25日に二軍に再度降格。経験を積んで再び一軍昇格を目指します。

ソフトバンク 前田悠伍(大阪桐蔭)

一軍登板なし

高校3年時こそ夏の甲子園大会に出場できませんでしたが、2年時にはセンバツ大会で優勝、国際大会でも大活躍を収めた高校ナンバーワン左腕。それだけに球団からの期待も高く、背番号もかつてのエース、千賀滉大投手(現メッツ)の背番号41を付けさせるなど、未来のエースとして高い期待を寄せられました。

高卒の選手ということもあり、球団も二軍(三軍)で体力作りからスタートさせ、4月20日の広島との二軍戦でリリーフとしてプロ初登板。1回を投げて2安打2失点、1奪三振という少々ほろ苦い結果となりましたが、この経験をもとにさらに飛躍していくことでしょう。 

楽天 古謝樹(桐蔭横浜大)

一軍登板なし

神奈川大学リーグを代表する投手で、日本代表にも選出された実力派。出所が見えづらいフォームから最速153キロのストレートを投げることでも即戦力として期待されましたが、現時点では二軍で経験を積むことを優先。 

4月21日に行われた二軍での西武戦では8回までに123球を投げて7奪三振の無失点という好投を見せましたが、一方で四球も7つ献上するなど制球力に課題が残りました。 

西武 武内夏暉(國學院大)

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写真:SANKEI

3登板(3先発) 1勝0敗 防御率2.14 21イニング 14奪三振

ドラフト会議時にはヤクルト、ソフトバンクとの3球団で競合した注目の左腕投手。最速154キロのストレートとカーブ、スライダー等を投げ分ける制球力がプロにも高く評価されていましたが、西武入団後もその力を遺憾なく発揮。キャンプでは一軍選手が集まるA班でスタートしてオープン戦でも2試合に登板して結果を残すと開幕一軍メンバーに名を連ねました。 

そして開幕5試合目となった対オリックス戦でプロ入り初登板、初先発を飾ると7回を被安打1、2四球、7奪三振という内容で無失点に抑えてプロ初勝利をマーク。続くロッテ戦でも勝ち負けこそ付かなかったものの7回を2失点に抑える好内容を見せましたが、エースの高橋光成投手が復帰するなど、チーム事情もあって二軍に降格。成績集計後の24日に再昇格してオリックス戦に先発登板しましたが、ここでも6回1失点の好投を見せました。

日本ハム 細野晴希(東洋大)

一軍登板なし

大学球界を代表する左腕投手として注目された大器。最速158キロの直球を主体とした本格派の投球がウリですが、課題の制球力の向上を目指し、開幕は二軍でスタート。4月20日の対オイシックス戦でプロ入り初登板を初先発で迎えると、1回を16球、1安打無失点1三振という好内容でデビュー戦を飾りました。

しかし、この日のブルペンでの投球でも制球が全く定まらなかったという逸話があるほど。将来性豊かな投手だけに確実な制球力を付けられるかが一軍デビューへのカギとなりそうです。


福嶌弘
1986年横浜生まれ。フリーライター。幼少期より競馬・野球に興味を持ち、ヤンキー向けバイク雑誌、中古車雑誌などを経て2005年からフリーライターとして独立。以降は野球、競馬のスポーツを中心に街、クルマ、グルメ、アウトローetc…とジャンルを問わずに各媒体で執筆。生来の巨人ファンのため、主な出没場所は東京ドーム、横浜スタジアムそして後楽園、関内の居酒屋など

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