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阪神の4番は“佐藤輝明”がピッタリ説…!“大山悠輔”の5番起用には2人ともメリットがある!?

  • 2024.4.25
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写真:SANKEI

昨季、38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガース。今季も開幕前から優勝候補筆頭に挙げられ、多くのファンが「連覇」を期待するシーズンがスタートしています。しかし、開幕から1カ月近くが経った4月24日時点で阪神は12勝8敗3分、セ・リーグ1位ではあるものの、なかなか波に乗れない状況が続いています。シーズンはまだまだ試合数も残っていますが、ここから阪神が“勢い”をつけるために何が必要か――。ファン歴30年、タイガースを愛してやまないスポーツライターが、ちょっと“大胆”な提言を展開します!

首位を走るも確実性に欠ける打線

開幕から23試合を消化して勝率6割。決して悪い成績ではありませんが、好調な中日ドラゴンズや永遠のライバル・読売ジャイアンツと僅差の状況が続く阪神。チーム防御率1.98は前評判通りですが、ネックとなっているのは打率.224(セ・リーグ最下位)打線」と言っていいでしょう。13本塁打はリーグトップながらやや確実性に欠けます。それを象徴するのが3~5番を担うクリーンアップの不調です。3番の森下翔太選手、4番の大山悠輔選手、5番の佐藤輝明選手の調子がなかなか上がらず、打線が分断されてしまっているのが現状。

特に、大山選手は打率.220、佐藤選手は.193と低迷しており、期待された打棒を見せられているとは言えません。大山選手は昨季、シーズン全試合で4番を務め、最高出塁率のタイトルを獲得。佐藤選手も昨季はチーム最多の24本塁打&92打点をマーク。「連覇」を目指す上ではこのふたりの復調は必要不可欠と言えるでしょう。

両者ともに、開幕から調子がなかなか上がらない現状を打破するために、ひとつ試してほしいなと思うことがあります。それが、佐藤選手と大山選手の“打順入れ替え”です。つまり、4番に佐藤選手、5番に大山選手を据える

4番・佐藤輝明、5番・大山悠輔のメリット

実は4月14日にも一度、阪神はこの並びで試合に臨んでいますが、両選手ともノーヒットに終わり、翌日には再び4番大山選手、5番佐藤選手の並びに戻しています。できればもう少し、この打順を試してほしかった……というのが本音ですが、その理由はいくつかあります。

ひとつは、佐藤選手の「出塁率」を上げること。今季の佐藤選手は例年以上に四球が少なく、ボール球に手を出して凡退する傾向が見られます。もともと三振は多いタイプなのであまり「ボールを見る」必要性はないのですが、相手ピッチャーがそれを見透かしてストライクからボールになる球で勝負を挑み、それをことごとく打ち損じたり、空振りするシーンが目立ちます。後ろに大山選手が控えていれば、ピッチャーも佐藤選手で勝負しなければいけないシーンも増え、これまでよりもストライクゾーンで勝負してくるケースが増えるはず。

佐藤選手は甘い球をしっかりと捉えさえすれば、かんたんにスタンドインできる能力を持っていますし、「後ろに大山選手が控えているという安心感がバッティングに「思い切り」をもたらしてくれるメリットもあるでしょう。「4番の重圧」に関して言えば佐藤選手は強靭なメンタルを持っているので大きな心配はないはず。佐藤選手をノビノビとプレーさせるためには、5番よりもむしろ4番に据えるという「逆転の発想」を試してみるのも面白いのではないでしょうか。

決して“降格ではない”大山選手の5番起用

大山選手に関しては、5番に据えることでの「マインドチェンジ」を期待したいところです。昨季から4番を担い続けるプレッシャーは相当なモノ。特に今季は本塁打はもちろん、なかなか長打が出ずに苦しんでいるだけに、一度プレッシャーから解放させるためにも打順を下げるという一手を打つのも策かもしれません。佐藤選手同様に、大山選手も本来は豪快なスイングで広い甲子園でもスタンドインできる力を持っています。

完全に4番を任されてからはこれまで以上に「チームバッティングに徹するシーンも見られますので、少しだけ「ワガママ」なバッティングに原点回帰することも必要ではないでしょうか。

また、今季は6番に前川右京選手が控えており、得点源として機能しています。4番、5番を入れ替えても、その後ろに好調な前川選手や来日2年目のノイジー選手がいれば、「得点力」にも大きな変化は生まれないはず。

佐藤選手も大山選手もプロでの実績は十分あるので、このまま不調が続くことはないはず。いずれ調子が戻ってくれば、そのときに再び「最適な打順」に戻せばいいので、まずはキッカケづくりの意味も込めて「4番佐藤輝明・5番大山悠輔」で数週間から1カ月、戦ってみるのもアリな気がします。

打線が沈黙しながら勝率5割を記録できているのは、地力がある証拠。しばらくは我慢の時期が続くかもしれませんが、2人の主力打者が調子を取り戻したとき、阪神タイガースは昨季のような強さを見せてくれるはず。

佐藤輝明を4番に据える――。阪神タイガース首脳陣のみなさん、だまされたと思って、試してみませんか?


花田雪
1983年、神奈川県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心に大相撲、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆。著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)がある。

※本記事内の情報は、4/24時点です

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