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井端JAPANに選出された大学生4人衆…今秋“巨人”が指名しそうな選手はダレ?

  • 2024.5.5
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写真:SANKEI

プロ野球・ペナントレースの開幕が間近に迫っていた2月14日、侍ジャパンの井端弘和監督は3月6日、7日に行われる欧州代表との強化試合に出場する28名の選手を選出。昨年のWBC経験者である近藤健介選手、源田壮亮選手らをはじめ、プロ選手たちの中から選出していきましたが……その中には以下の大学生4名もメンバーに加わりました

金丸夢斗投手(関西大)

中村優斗投手(愛知工大)

宗山塁選手(明治大)

西川史礁選手(青山学院大)

オールプロで編成されることがほとんどだった野球日本代表のトップチームである侍ジャパンに大学生が名を連ねたのは2013年の11月に行われた強化試合で岡大海選手(明治大・現ロッテ)と大瀬良大地投手(九州共立大・現広島)以来のことになりました。

残念ながら宗山選手は直前に故障したため出場できませんでしたが、残る3人が出場した3月6日、7日に行われた侍ジャパンの強化試合。投打のあらゆる面で大学生が奮起しました。

プロに交じっても遜色ない活躍を見せた大学生組

まずは6日の試合で西川選手。途中交代で6回裏に打席が回ってくると、いきなりレフト線へのツーベースがタイムリーとなってヒット。8回にはレフト前へヒットを放つなどして、大きな活躍を収めました。

そして7日の試合では金丸投手が先発し、初回をいきなり三者凡退に抑えると、2回裏も2奪三振を記録。2イニングで4奪三振被安打ゼロ無失点で抑え込むと、その後を継いだ中村投手も無失点に抑えるという完璧なリレーを見せ、その後もプロたちが無失点に抑えるという好投を見せてシリーズ2連勝を飾った。

単に勝ち負けだけでなく、プロに交じっても遜色ない活躍を見せたこの選手たちは間違いなく今年のドラフト会議で1位巡目指名候補として注目されることでしょう。そこで今回はこの大学生4選手がセ・リーグの球団のどこにマッチするかを予想してみました。

大学No.1左腕・金丸投手を欲しているであろうセ・リーグのチームは…

まずは金丸投手。左腕から最速154キロのストレートを見せるなど、その球の強さは折り紙付き。身長こそ177センチと決して大きいわけではありませんが、常時145キロ前後出るストレートに、スライダー、カットボール、スプリット、チェンジアップといった多彩な投球で打たせて取ることもできるなど、その幅の広い投球術は昨季のセ・リーグ最多勝投手の東克樹投手(横浜DeNA)を彷彿とさせるもの。プロの世界でも大きく注目を集めそうです。

そんな金丸投手を欲しているであろうセ・リーグのチームは……やはり横浜DeNAでしょう。昨季の陣容から今永昇太投手がポスティングシステムを利用してシカゴ・カブスへ移籍し、メジャーへの復帰を目指すバウアー投手も退団。主要な先発投手が2人も抜けたことで今季は開幕から先発ローテーションを組むのに苦労していて、5月2日時点でのチーム別の先発投手の防御率を見るとリーグワーストの3.65。金丸投手のような安定した投球ができる即戦力タイプの投手は喉から手が出るほど欲しいことでしょう。

剛腕・中村投手を欲しているであろうセ・リーグのチームは…

続いては中村投手。地方の大学リーグということで注目されにくいのは確かですが、ストレートの最速は157キロ。それ以外でも常時150キロを悠々と叩き出すという力強さはプロの投手でもそうはいないレベル。これ以外にもスライダー、カット、チェンジアップにスプリットなどの多彩な変化球も誇ります。

先発はもちろんですが、この速球を見るとリリーフにも相当な適性があると考えられるため、セ・リーグのチームであればヤクルトがピッタリとハマりそうです。

現在のヤクルトは救援投手の防御率は3.17(リーグ5位)とさほどいいわけではないのでリリーフの整備が急務になっていますが、リリーフを担う清水昇投手や木澤尚文投手らの顔触れを見るとストレートでグイグイと押していくタイプの投手が少ないため、ここに中村投手のような豪腕型の投手が入るとリリーフの広がることでしょう。

もちろん本格派の投球をするエースタイプの投手がいないため、先発として起用するのも十分ハマりそうです。

大学JAPANの4番・西川選手を欲しているであろうセ・リーグのチームは…

そして打撃面で目立った西川選手。大学進学後に外野へとコンバートされると、3年生の春からレフトのレギュラーに定着してリーグ戦では打率.364でMVP&ベストナインを受賞。侍ジャパンの強化試合での活躍後も勢いは止まらず、今春のリーグ戦では4月18日の時点で4試合に出場し、打率.500、1本塁打5打点と大暴れしています。

森下翔太選手(阪神)と似ていて、フルスイングから力強い打球を弾き返す右の大砲で、もともとショートを守っていたということもあり、外野の守備もかなり軽快なところがポイント。それだけに外野が手薄なチームならばどこも欲しいとなりそうですが……セ・リーグならば広島巨人が食指を伸ばしそうです。

昨季、リーグ2位に入った広島ですが、本塁打はリーグ4位の96本と長打不足が深刻。今季も5/2時点でチーム打率.231、10本塁打はいずれもリーグ5位と得点力不足に悩まされています。

外野手の布陣を見ると、野間峻祥選手は不動のレギュラーとして活躍していますが、それ以外の選手は固定されておらず、昨オフにFAでオリックスに移籍した西川龍馬選手の穴を埋めきれていません。本来ならば打線の中軸を担うはずの秋山翔吾選手も今季36歳になるなど、高齢化の波が押し寄せてきています。西川選手のようなスラッガータイプの選手が入団するようなら、即レギュラーとして起用されることでしょう。

もうひとつの候補となっている巨人も外野手の人材不足は深刻。今季はルーキーの佐々木俊輔選手や2年目の萩尾匡也選手らを積極的に起用していますが、帯に短したすきに長しのようなメンバーで、さらに2019年にFAで移籍してきた丸佳浩選手も35歳になり、選手としてのピークを過ぎつつあります。それだけに長打が望める西川選手の存在は大きいモノとなりそうです。

注目度No.1・宗山選手を欲しているであろうセ・リーグのチームは…

最後は宗山選手。侍ジャパンの強化試合には故障のため参加できませんでしたが、堅実なショートの守備に加え、打撃ではミート力の高さが持ち味。かつての名選手、鳥谷敬選手(元阪神)を彷彿とさせるプレースタイルは大学ナンバーワンショートの座を不動のものとしています。

それだけにプロ入りすれば即戦力となること間違いなしですが……セ・リーグで宗山選手を欲しているとすれば、横浜DeNAではないでしょうか?

先日、筒香嘉智選手が復帰することになっただけでなく、現キャプテンの牧秀悟選手や首位打者獲得経験のある宮﨑敏郎選手や佐野恵太選手ら、現在のレギュラーの野手の層は厚く感じますが、その中で埋まっていないのがショート。森敬斗選手のように毎年のように有望な選手は指名しているのですが、なぜか毎年レギュラーが決まらず、流動的な形になっています。

それだけに宗山選手のような強打、堅守を誇る選手が入ることでチームのセンターラインがキッチリと固まることは必至。1998年以来の日本一に向けてのラストピースとなる可能性も十分にありそうです。


福嶌弘
1986年横浜生まれ。フリーライター。幼少期より競馬・野球に興味を持ち、ヤンキー向けバイク雑誌、中古車雑誌などを経て2005年からフリーライターとして独立。以降は野球、競馬のスポーツを中心に街、クルマ、グルメ、アウトローetc…とジャンルを問わずに各媒体で執筆。生来の巨人ファンのため、主な出没場所は東京ドーム、横浜スタジアムそして後楽園、関内の居酒屋など

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