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「女子選手はほとんど使わない!?」ツアー屈指の飛ばし屋・神谷そらが選ぶ“ドライバー”とは?

  • 2024.4.20
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写真:SANKEI

 

今年もフジサンケイレディスクラシックが開幕します。

世界ゴルフ場ランキングの常連である国内屈指の名コース、川奈ホテル富士コース(静岡)で行われるこの大会は、歴代優勝者にツアー初優勝の選手が非常に多いことでも知られています。

ここ10年に限っても、フェービー・ヤオ選手(2014年)、藤田光里選手(2015年)、永峰咲希選手(2018年)、高橋彩華選手(2022年)と多くの初優勝者が名を連ねています。

 昨年、ルーキーながら優勝した神谷そら選手もそんなツアー初優勝組のひとり。その後、日本女子プロゴルフ選手権に優勝するなど、昨シーズンは大きな飛躍を遂げました。

神谷選手の持ち味は、国内女子ツアーの中でもトップクラスの飛距離です。昨年のドライビングディスタンスは、260.82ヤードで堂々のツアー1位。今シーズンはまだ7試合消化しただけですが、ベテランの穴井詩選手に次いで、2位につけています。

神谷そら選手のクラブセッティングを紹介!

 神谷選手は、クラブ契約を交わしているヤマハのクラブを中心にセッティングしています。

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提供:ヤマハ

ドライバーは、2023年秋に発売されたばかりのヤマハ『RMX VD/Mロフト角10.5度です。
3機種ラインナップされているうち、寛容性の度合いが真ん中のモデルで、ソールにあるスライドウェイトで、操作感の微妙な調整が可能です。操作性とやさしさの両方を求めているのが伺えます。

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提供:ヤマハ
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提供:ヤマハ

シャフトは、グラファイトデザイン『TOURAD DI-5フレックスXXというかなりハードな仕様です。昨年までは、フジクラ『VENTUS BLACK5Xを使用していて、それも女子選手ではほとんどいないほどハードなシャフトだったのですが、今季はさらに剛性感のある強靭なシャフトを選んでいるようです。

3番ウッドと5番ウッド、それにユーティリティは、同じく最新モデルの『RMX VD』を使用しています。昨年、優勝した際はヤマハの前作モデルを使用していましたが、昨シーズン後半から新モデルに徐々に移行しています。優勝したクラブであっても、問題なく入れ替えられるのは、新モデルの良さと神谷選手の信頼が伺えます。

 

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提供:ヤマハ

アイアンも新モデルの『RMX VD/R』です。
ドライバーでは、3機種中で中間の寛容性を持つ『VD/M』を選んでいる神谷選手ですが、アイアンはラインナップ中、もっともシャープな軟鉄鍛造の『RMX VD/R』を選んでいるのが特徴と言えます。

『RMX VD/R』はロフト角33度の設定で、飛距離が出るアイアンではないのですが、神谷選手の7番アイアンの飛距離はなんと170y。他の平均的な女子選手とは、2番手近く飛ばしています。高さが出てスピン量の多いアイアンで、飛距離を出せることが、神谷選手の大きな武器になっています。 

シャフトは日本シャフトの『N.S.PRO MODUS3 TOUR105』。カーボンシャフトや軽量スチールシャフトを使う選手が多い中で、男性のような100g台のシャフトを使用しています。女子では珍しいチョイスですが、同じく飛ばし屋の馬場咲希選手や川崎志穂選手などもこのシャフトを選んでいます。

ウェッジとパターは契約外でチョイス

 ウェッジはキャロウェイの『JAWS FORGED』ウェッジを使用しています。最新モデルではなく、2021年モデルを今も好んで使っているようです。 

ロフト角のピッチは、48度、54度、58度というセッティング。番手間のロフト角が均等でないですが、この設定が必要な距離を打ち分けられるのでしょう。

パターは、オデッセイの『2-BALL ELEVEN TRIPLE TRACK』というモデルのプロトタイプを使用しています。市販品にはないL字状のクランクネックで、「マイクロヒンジ・インサート」が搭載されたモデルです。

「マイクロヒンジ・インサート」とは、2015年に発売された『Oワークス』というシリーズに採用された、カギ爪上のフェースインサートのこと。昨年、リッキー・ファウラーがこのインサートが搭載されたパターで優勝し、再び注目を集めています。

余談ですが、リッキー・ファウラーが使用した中尺仕様の『JAILBIRD』は、ウィンダムクラークなど、どの後も使用者が現れ好成績につなげたため、それを模したモデル『JAILBIRD 380』は日米で非常に人気になっています。

神谷選手の連覇なるか。または新たなツアー初優勝者の誕生なるか。

今年も川奈ホテル富士コースで、熱い戦いが期待できそうです。


<神谷そら選手 クラブセッティング>

1W ヤマハ RMX VD/M(10.5度) TOUR AD DI-5(XX) D3

3W RMX VD/F(15度) VENTUS BLACK(5X) D3

5W RMX VD/F(18度) VENTUS BLACK(6X) D3

3U RMX VD UT(19度)TOUR AD DI-75 HB(X) D3

5I~PW RMX VD/R N.S.PRO MODUS3 TOUR 105(S) D2

ウェッジ JAWS FORGED(2021年モデル) RMX VD/R N.S.PRO MODUS3 TOUR 105(S) D2

パター オデッセイ 『2-BALL ELEVEN TRIPLE TRACK』プロトタイプ


文・コヤマカズヒロ
1974年生まれ。ゴルフトレンドウォッチャー。1999年に大手ゴルフショップチェーンの立ち上げに参加。以降、ゴルフ用品小売を中心に製品開発・マーケティングなどに従事。2012年からライターとして、雑誌・WEBメディア等に寄稿。21年にYouTubeチャンネル「コヤマカズヒロのゴルフ批評」を開設。

※2024年4月18日時点の情報です

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