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対戦相手のチームとファンをリスペクトしてくれるような演出に"感動"。開幕戦現地レポート

  • 2024.4.1

球春到来。この日を待ち侘びたかのように、試合開始1時間半前の17時の関内は青と赤のユニフォームを着た人たちで溢れていました。いよいよ2024年プロ野球の開幕です。

3月29日(金)にセ・パ同時に開催し、各地で試合が行われましたが、このコラムでは横浜DeNAベイスターズ(DeNA)vs広島東洋カープ(広島)の試合を振り返ります。

DeNAのド派手でビジターチームにリスペクトのある演出に感激

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DeNAの開幕セレモニーはいつも派手な演出ですが、今シーズンは派手さに加え、豪華な演出でした。というのは、光や花火の演出だけでなく、日本を代表するギタリスト・布袋寅泰さんがDeNAの応援歌『勇者に遺伝子』を演奏すると、国歌を演奏。そして生演奏の『キル・ビル』にあわせてDeNAの選手たちが登場してきました。

さらに感動したのが観客一人ひとりに配られたLEDブレスレットによる光の演出です。1塁側はブルーに染まり、そして3塁側の観客席は真っ赤な光に染まりました。対戦相手のチームとファンをリスペクトしてくれるような演出に感動し、さすがDeNAとついこぼしてしまいました

気になる試合展開は…

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秋山選手と野間選手はコンディションが万全でないこともあり先発から外れました。外野は堂林翔太選手、上本崇司選手、田村俊介選手の布陣でした。内野は予想通り、シャイナー選手、菊池涼介選手、レイノルズ選手、小園海斗選手、そして先発バッテリーには九里亜蓮投手と坂倉将吾選手。秋山選手と野間選手を外してのゲーム展開がどのようになるのか見ものでした。

九里投手は11年目にして初めて掴んだ開幕投手。佐野恵太選手のファインプレーにより先制点を阻まれ0点で迎えた1回裏、九里投手はグラウンドに入り深々と帽子をとってお辞儀をすると、初の開幕投手としてマウンドに上がりました。彼らしい覇気のある投球で三者凡退に抑えると、2回表は東克樹投手も三者凡退に広島打線を封じました。「投手戦なるか」と予感した3回表に試合は動きます。

九里投手から始まり先頭打者こそ抑えられたものの、その後に続く菊池選手から積極的なバッティングで連打が続きました。4番に抜擢された堂林選手が期待に応えるようにタイムリーで先制点をとると、続く坂倉選手のライトへのヒットとレイノルズ選手の犠牲フライもあり、この回に3点をもぎ取りました。

ですが、この点差を守ることができず、その裏には記録に残らない守備の乱れもあり、手痛い3ランホームランをルーキーの度会選手に打たれてしまいました。そこから8回表までお互いに譲らずゼロをスコアボードに並べると、8回裏にマウンドに上がった島内颯太郎投手がDeNA打線に捕まり、1点を失います。9回表は三者凡退で抑えられ、ゲームセットとなりました。

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TRILL作成

痛すぎた度会選手への1球

試合のポイントを振り返ると、筆者は2つポイントがあったと感じている。1つ目は3回裏のDeNAの攻撃です。山本祐大選手と石上泰輝選手がヒットで、ノーアウト一塁二塁に。続く東投手が送りバントを失敗し、ワンアウト一塁二塁となりました。DeNAにとっては苦いミスとなってしまいましたが、こういう時こそ慎重な配球が求められるところ。ですが次の打者、度会選手への初球に投じたスライダーが甘く高めに入ってしまい、それを捉えられDeNAファンが待つライトスタンドへ吸い込まれていきました。見逃すことなく一発で結果を残した度会選手を褒めるべきですが、バッテリーも間を空けるなど、慎重にいきたいところでした。九里投手の悔しさはレフトスタンドにいる筆者にも伝わってきました。

そしてもう一つは長打力に欠けることです。これは昨シーズンも課題ではありましたが、なかなか長打が出ません。仮に秋山選手と野間選手が先発に入ったとしても、2人とも長距離打者ではないので、今シーズンも得点力に悩んでしまいそうな気がしました。今日の試合は一振りで追いつかれてしまいました。それだけに末包選手の復帰やレイノルズ選手の長打力を早く見せてほしいところです。

4打席4三振と結果を残せなかった田村選手

最後に注目度の高い田村選手について触れておきたいと思います。今日は4打数4三振といい結果を残せませんでした。バッティングを見てもオープン戦の時よりも余裕がないのか力んでしまっているのか、第1打席こそ6球粘りましたが、そのあとの打席はどのボールにも手を出してしまい、早い段階で追い込まれ空振りを取られる形となりました。内容を見ると「まだ難しいのか…」と思ってしまう人もいると思いますが、筆者は打席に多く立ち、「どのボールに手を出すべきか」「相手は何で打ち取りたいのか」などを実戦の中で感じ、経験を積んでいければいいと思います。おそらく新井監督をはじめ首脳陣はそう育てていくのでしょう。将来のクリーンアップを担うであろう選手だからこそ、我慢して起用し続けてほしいです。

まだ1/143試合。切り替えて明日の黒原投手のピッチングに期待しましょう。


※本記事は、3/29の情報です

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