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「明らかにボールが飛ばない」統一球が話題になった"あの時代"より低い数値に

  • 2024.4.16
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写真:PIXTA

2024年のプロ野球は、例年とは異なる静かな熱気に包まれています。 その理由は、"飛ばないボール" と呼ばれるボールの影響による、劇的な投高打低のシーズン展開にあります。 打球がスタンドまで届かず、ホームラン数が激減する中、各球団は新たな戦略を模索し、選手たちも適応を迫られています。

中でも、中日ドラゴンズの立浪監督はこの変化を敏感に察知し、「明らかにボールが飛ばない」と繰り返し発言しています。 オープン戦の段階からその兆候を感じ取っていた立浪監督は、シーズン開幕後も確信を深め、「守り勝つ野球」をチームの指針として掲げています。

データが示す「飛ばないボール」の影響

 現在首位を走るドラゴンズが目指す「守り勝つ野球」とは、投手力と守備力を軸に、ロースコアのゲーム展開を制する戦略です。 少ないチャンスを確実にものにするため、バントや進塁打などの小技を積極的に活用し、機動力を生かした攻撃も展開しています。 また、バンテリンドームなど1つの失策が致命傷になりやすい環境下では、ミスの撲滅も重要課題として選手たちに意識させています。

 立浪監督の感覚は、データにも裏付けられています。 2024年4月11日時点での全チームの平均得点は3点未満最高チームOPSは.639と、過去に類を見ない低水準となっています。 これは、統一球と呼ばれた2011年、2012年シーズンよりも低い数値であり、状況の深刻さを物語っています。

さらに、多くのチームでホームラン数が激減しており、フライ打球がホームランになる割合も顕著に低下しています。 これらのデータは、ボールの反発係数が低下していることを示唆しており、"飛ばないボール" 現象が実際に起きていることを裏付けています。

特に逆方向のフライが伸びにくく、各球団の中・長距離打者が苦戦している状況です。

「飛ばないボール」現象は、各球団に異なる影響も

 投手力に定評のある中日ドラゴンズは、「守り勝つ野球」という方針と相まって、この変化に適応しやすいチームと言えます。 ロースコアのゲーム展開に強く、シーズンを優位に進める可能性が高まっています。

打撃力のあるチームである阪神タイガースは、得点力不足に悩んでいます。 特に4番の大山選手が打率1割台と苦しんでおり、打線のつながりが悪いです。よって阪神はこれまでの攻撃スタイルからの転換を迫られています。 今後、戦術の変更や選手の適応力が鍵となるでしょう。

同じく打撃力のあるチームである読売ジャイアンツも、得点力低下に苦しんでいます。 チーム打率は例年並みですが、ホームラン数が激減しており、得点パターンが減少しています。しかし防御率がリーグ1位と、投打でバランスが良いと言えるでしょう。また阿部監督はオープン戦から積極的にバントや小技を見せています。

「飛ばないボール」現象は、2024年シーズンのプロ野球に大きな変革をもたらしています。 各球団は、この新たな環境に適応するための戦略を模索しており、ペナントレースの行方は混沌としています。 中日ドラゴンズは、「守り勝つ野球」という方針のもと、シーズンを優位に進める可能性がありますが、他のチームも戦術の変更や選手の適応力によって巻き返しを図ってくるでしょう。

また、NPBが今後どのような対応を取るのかにも注目が集まります。 ボールを変更するなど、様々な対策が考えられますが、ファンの意見も考慮しながら慎重に検討していく必要があるでしょう。

「飛ばないボール」という新たな要素が加わった2024年シーズン。 プロ野球の景色はどのように変わり、どのチームが栄冠を掴むのか、最後まで目が離せません。


※本記事は、4/14の情報です

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