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「絶対に避けなければいけなかった」坂本に許した逆転3ランの前にあった“ターニングポイント”

  • 2024.4.26
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写真:SANKEI

東京ドームに悲鳴と歓声が交錯した4月25日。中日ドラゴンズは、巨人との一戦で痛恨の逆転負けを喫しました。5回まで完璧なピッチングを披露していたエース・柳裕也投手が、突如として崩れた6回表。坂本勇人選手に浴びた逆転3ランホームランが、試合の全てを変えてしまいました。

試合後、ファンの間で最も議論されたのは、あの場面での佐々木俊輔選手への四球です。

ファンからは次のような声が上がっています。

佐々木への四球がなければ…
勝負すべきだった

このように、悔しさと疑問が入り混じる声が溢れました。果たして、あの四球が勝敗を分けたと言えるのでしょうか。様々な視点から、この場面を紐解いていきましょう。

あの四球は避けられたのか? 柳投手の心理に迫る

2点リードの6回表、2アウトの場面。柳投手は佐々木選手に対して明らかに慎重になっていました。ボールが先行し、厳しいコースを責め続けた結果の四球。しかし中日スポーツ評論家の彦野利勝氏は、「四球だけは絶対に避けなければいけなかった」と指摘しています。逆転のランナーを許すあの場面での四球は、まさに致命傷となったと言えるでしょう。

昨シーズンから、コースを狙いすぎて四球が増えている柳投手。大塚投手コーチも「コースを狙いすぎる癖がある」と以前から指摘しています。

佐々木選手への四球が勝敗を分けたのは間違いありません。しかし、単に技術的なミスとして片付けてしまうのは早計です。あの場面で柳投手に求められたのは、技術だけではなく、打者との真っ向勝負に挑む勇気だったのかもしれません。絶対に塁を埋められたくない場面では、打たれる覚悟で勝負しなければなりません。

勝負の世界に「たられば」は禁物ですが、もしもあの場面で柳投手が勇気を持ってストライクゾーンを攻めていたら、結果は変わっていたかもしれません。もちろん、打たれていた可能性もありますが、少なくとも後悔は残らなかったはずです。

捕手・加藤匠馬選手のリード、もう一つの選択肢はあったのか

坂本選手に逆転スリーランを許したあの場面で、もう一つの焦点は捕手・加藤匠馬選手のリードです。1ストライクを取った後の2球目、インコースへの直球を要求したことが裏目に出たのではないか、という指摘が相次いでいます。

インコースヒッター坂本に対してインコース行くのはなあ
裏目に出たな

上記のように、ファンの間でも議論が巻き起こりました。

加藤選手自身は試合後に「それまでの打席で踏み込んできていたので、どこかで内角を攻める必要があると考えていました」とコメントしています。確かに、内角を攻める意図は理解できますが、1ストライクを取った後の場面であれば、別の選択肢もあったかもしれません。外角への変化球で誘い出す、あるいはインハイのボール球を投じて様子を見るなど、リスクを軽減する方法はあったはずです。 

試合後に立浪監督も、柳投手についてコメントしています。

「もちろん打ったほうがすごいんですけど、悔しいですね。あそこで(佐々木に)フォアボールで同点のランナーまで出している。結果論だけど、あそこは踏ん張ってほしかった。あそこでフォアボールを出したことが柳のきょうの一番の反省点です」 

今回の敗戦は、ドラゴンズにとって大きな痛手となっています。しかし、同時に多くの学びを得た試合でもありました。勝負所で四球を与えないこと、そして、状況に応じた冷静な判断と勇気の重要性。これらは、今後の戦いに向けてチーム全体で共有すべき教訓です。

ドラゴンズには、今回の悔しさをバネに、さらなる成長を遂げてほしいと思います。


※本記事は、4/26に情報です

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