1. トップ
  2. 福留も、岩村も…左のスラッガーが厳しい…!メジャー挑戦したスラッガーたちが、日本復帰した年の成績はどうだった?

福留も、岩村も…左のスラッガーが厳しい…!メジャー挑戦したスラッガーたちが、日本復帰した年の成績はどうだった?

  • 2024.4.17
undefined
写真:SANKEI

「筒香嘉智の日本球界復帰が濃厚」。

ここ最近、各メディアでこのような見出しが躍っています。日が経つにつれて報道も過熱しており、日本球界への復帰も現実味を帯びてきました。第一報では読売ジャイアンツへの入団が確定的と報じられましたが、間髪入れずに横浜DeNAベイスターズの入団を示唆する報道も出るなど情報は錯綜。その後は両球団の関係者が筒香選手の獲得に向けて動いていることを認めるコメントを発表しましたが、4/16にベイスターズが契約合意となったことを正式に発表しました。

ベイスターズにとって大きな戦力アップとなるのは間違いありませんが、チーム内における様々なバランスを考慮することも重要。今回の記事では筒香選手のこれまでの実績や今後予想される打順や守備位置についてまとめました。

【日本とメジャーでの実績】

筒香嘉智選手は名門・横浜高校の出身。超高校級打者として2009年にドラフト1位で横浜ベイスターズ(当時)に入団します。足踏みする期間はあったものの、5年目からは「ハマのゴジラ」として完全にレギュラー。ミート力にも徐々に磨きがかかり、この年から3年連続で打率3割をマークしています。2016年には打率.322、44本塁打、110打点を記録本塁打王と打点王の二冠に輝くなどキャリアハイのシーズンを送りました。

日本で実績を積み、2019年のオフにMLB挑戦を表明します。翌年からタンパペイ・レイズでプレーするも打率.197で8本塁打と不振。わずか1年でロサンゼルス・ドジャースにトレードとなり、その後は他球団を転々とするも、近年はマイナーでのプレーが続いています。なお、筒香選手のNPBとMLBにおける通算成績は以下のとおりです。

・NPB10年 968試合 3426打数977安打 打率.285 205本塁打 613打点

・MLB3年 182試合 557打数110安打 打率.198 18本塁打 75打点

【古巣では長打力アップに貢献する役割が求められる】

undefined
写真:PIXTA

筒香選手にとって横浜DeNAベイスターズは古巣というメリットがあります。慣れ親しんだ横浜スタジアムでの打席や守備機会が多くなることは本人とっても負担が少ないと言えるでしょう。在籍していた当時と比べると体制面で変化している部分はありますが、面識のある選手も多く、チームに早く溶け込むことも期待できます。好打者が揃うベイスターズですが、どちらかといえば中距離バッター寄りの選手が多い印象で、昨年のチーム本塁打も105本とリーグ3位でした。かつて2年連続でホームラン王を獲得したネフタリ・ソト選手が今季より千葉ロッテマリーンズに移籍したこともあり、長打力アップは喫緊の課題となっています。

現状ではベイスターズへの移籍が有力ですが、筒香選手の加入によって全体に好循環が生まれるか、チームにとっても大きなポイントとなりそうです。

【誰とレギュラーを争うか?攻守に検証】

現在32歳の筒香選手。今年の11月には33歳とプロ野球選手としては円熟味のある年齢を迎えていますが、起用方法については多くの人が気になるポイントでしょう。

ベイスターズはクリーンナップが佐野恵太選手、牧秀悟選手、宮崎敏郎選手と充実。右左や年齢構成を考えてもバランスの取れた布陣となっており、ここは現状の打順がベストかもしれません。チームとしては6番打者がやや弱いため、最初はプレッシャーのかからない気楽な打順を任せるのも一つと言えそうです。外野で起用される場合は上述の佐野選手に加えて、今季からリードオフマンを務めるルーキーの度会隆輝選手、実績のある桑原将志や関根大気選手などと激しく争うことは確実。成績が下降傾向にあり、怪我の影響で登録抹消となった、来日5年目のタイラー・オースティン選手に変わって一塁手での起用が現実的な見方と言えるでしょう。

【NPB復帰後の活躍は簡単ではない…】

大物選手の復帰に活躍を期待するのは無理もありませんが、日本の投手のレベルは21世紀に入ってから世界最高峰といっても過言ではなく、日本復帰した打者がすぐに結果を残すのは難しいかもしれません。特にNPB復帰初年度に苦しんだメジャー出身者がこれまでに数多くいます。

ここでは、青木宣親選手や、秋山翔吾選手などのアベレージヒッターではなく、筒香選手と似た"中長距離"の打者(NPB時代に30本塁打以上を記録した打者)の復帰初年度の成績をまとめました。


中村紀洋(オリックス・バファローズ)
2006年:85試合 打率.232 12本塁打 45打点
(メジャー挑戦前、2004年成績:105試合 打率.274 19本塁打 66打点)

井口資仁(千葉ロッテマリーンズ)
2009年:123試合 打率.281 19本塁打 65打点
(メジャー挑戦前、2004年成績:124試合 打率.333 19本塁打 89打点)

城島健司(阪神タイガース)
2010年:144試合 打率.303 28本塁打 91打点
(メジャー挑戦前、2005年成績:116試合 打率.309 24本塁打 57打点)

岩村明憲(東京ヤクルトスワローズ)
2011年:77試合 打率.183 0本塁打 9打点
(メジャー挑戦前、2006年成績:145試合 打率.311 32本塁打 77打点)

福留孝介(阪神タイガーズ)
2013年:63試合 打率.198 6本塁打 31打点
(メジャー挑戦前、2007年成績:81試合 打率.294 13本塁打 48打点)


筒香選手と同じくかつてはNPBで30本以上のホームランを放った実績のあるバッターでも、やはり復帰初年度は特に難しく、特に左打者が苦戦していることが分かります。

既に年齢を重ねていたり、メジャーのプレースタイルが浸透しているがゆえに日本野球への適応に苦労したりと要因は様々ですが、過度に期待しすぎるとチームとしての歯車が狂うこともあるため、数年のスパンでようすを見守りたいところです。


※本記事は、4/16の情報です

の記事をもっとみる