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「もう一度メジャーから『やらないか?』と声を」…速球派右腕が、日本復帰後にもメジャー再挑戦の扉が「あれはすごくうれしかった」

  • 2024.4.25
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写真:PIXTA

日米が注目する今季のメジャーリーグも、開幕してから約1カ月が経過。ドジャースへと移籍した大谷周平選手をはじめ、多くの日本人選手が期待通りの活躍を見せています。今回はニューヨーク・メッツなどでもプレー経験のある五十嵐亮太さんに、注目のメジャーリーガーについて伺いました!

※本稿は発売中の『メジャーリーグ観戦ガイド2024 大谷翔平 新たなる挑戦』(コスミック出版)の内容を一部抜粋・再編集して掲載しています。

日本とアメリカの「評価基準の違い」

――大谷選手、山本投手以外で今季、五十嵐さんが注目してほしい日本人選手を教えてください。たとえば昨季、1年目からエース級の活躍をしたメッツの千賀滉大投手は?

五十嵐 顔触れだけを見たらメッツのエースですし、昨季の数字は決してフロックではないはずです。見蒔く前に右肩負傷のニュースが飛び込んできたのは残念ですが、まずはしっかりと治してチームに戻ってきてほしい。万全であれば間違いなくメジャーでもトップレベルの数字を残してくれるはずです。

――千賀投手のメッツには藤浪晋太郎投手も移籍してきました。渡米2年目で早くも3球団目でのプレーになります。

五十嵐 日本のファンの方は、昨季の数字だけを見たら不満かもしれません(※64試合で防御率7・18)。ただ、メッツはおそらく昨季後半、オリオールズ移籍後の成績や制球力の向上、そして何より彼の持つポテンシャルを評価して獲得を決断したはずです。ストレートはメジャーでもトップレベル。正直、真っすぐだけでメジャーの打者をねじ伏せられるのは凄いの一言です。

――藤浪投手の契約には日本とアメリカの「評価基準の違い」みたいなモノも感じました。

五十嵐 それはあると思います。メジャーは単純な数字だけでなく選手の“今”や伸びシロ、可能性を評価している印象です。これは僕の経験談になるのですが、僕自身はメジャーで3年間やって正直結果は残せなかった。ただ、日本に帰ってきてソフトバンクで数字を残したとき、もう一度メジャーから「やらないか?」と声をかけてもらったんです。結果的に移籍はしませんでしたが、あれはすごくうれしかったですね。一度ダメでも、「アイツは結果を残せなかった」ではなく、そこから這い上がる選手を見てくれて評価してくれる。千賀投手や藤浪投手だけでなく、それ以外の日本人選手も、メジャーの舞台で昨季以上に大きく羽ばたいてほしいと思います。


抜粋・編集
花田雪
1983年、神奈川県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心に大相撲、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆。著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)がある。

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