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強い巨人には"強力リリーフ陣"の存在…!あるぞ、阿部新監督1年目のセ・リーグ制覇!

  • 2024.3.28
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2020年を最後に、リーグ優勝から遠ざかっている巨人。近年のV逸の原因の一つとして挙げられるのはリリーフ投手陣の弱体化。リーグ優勝を果たした2020年はリリーフの防御率はリーグ1位となる3.20。シーズン途中に楽天から移籍してきた高梨雄平投手が44試合に投げて防御率1.93を記録したのをはじめ、安定したブルペンの存在が好成績の決め手となりました。

しかし、翌年からリリーフの防御率は低下。2022年には大勢投手が57試合に投げて37セーブ、防御率2.05と言う素晴らしい成績を残してクローザーに定着し、新人王に輝いたにもかかわらず、リリーフの防御率はなんとリーグワーストとなりチーム順位も4位に後退しました。

そして昨年もリリーフの防御率は3.83と前年以上に悪化し、2年連続のリーグワースト。前年にクローザーに定着した大勢投手が故障で精彩を欠いた上、近年ブルペンの中心を担ってきた高梨投手が不調というアクシデントがあったとはいえ、30試合以上投げた投手の内、半分が防御率が4点台以上という陣容では、2年連続の4位という成績は致し方なかったのかもしれません。

巨人リリーフ防御率(リーグ順位)-シーズン成績
2020年 3.20(リーグ1位)-1位
2021年 3.43(リーグ3位)-3位
2022年 3.80(リーグ6位)-4位
2023年 3.83(リーグ6位)-4位

"新生巨人"がリリーフ投手を積極補強!

5年間チームを指揮してきた原辰徳監督が退任し、阿部慎之助が新監督に就任した今季の巨人。4年ぶりのリーグ優勝、そして2012年以来となる日本一奪還に向けて精力的に補強を展開してきましたが、中でも最も熱心に行ったのは”弱点”であるリリーフ投手陣の補強でした。

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写真:SANKEI

まず阿部監督が動いたのがトレード。22年に23本塁打を放つも、余剰戦力となっていたウォーカー選手をソフトバンクへ放出して、代わりに高橋礼投手と泉圭輔投手を獲得。高橋投手は2019年に12勝を挙げて新人王に輝き、泉投手は昨季こそ不調だったものの、2020年から3年連続で30試合以上に登板した実績がある好投手。変則的なサイドハンド投手と右の速球派という今の巨人のブルペンにはいない投手を獲得しました。

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写真:SANKEI

さらにリーグ3連覇を成し遂げたオリックスからは金銭トレードで近藤大亮投手をゲット。昨季は12試合に登板して防御率5.11とやや精彩を欠きましたが、身体全体を使って投げ込むフォームから繰り出されるストレートは威力満点で、通算の奪三振率は10.07という高水準。2020年にトミー・ジョン手術を行ってからも球威は衰えていないところも大きな魅力です。

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写真:SANKEI

そして巨人にとって最大のライバルである阪神からケラー投手を獲得。日本球界2年目の昨季は阪神でセットアッパーとして定着して27試合に登板して防御率1.71。8月に家族の都合で一時帰国するまで盤石な成績を残しています。阪神から巨人へ移籍した外国人選手は2000年のメイ投手以来、24年ぶりという点でも大きな話題となりました。

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写真:SANKEI

締めくくりとなったのが現役ドラフト。2022年オフから始まった制度で、この時の巨人は楽天からオコエ瑠偉選手を獲得。開幕戦でスターティングメンバーに入るなど一定の成績を残しました。

他球団に埋もれている即戦力の選手が手に入るという制度をフルに生かして、今回は阪神から馬場皐輔投手を獲得しました。馬場投手は昨季、リーグ優勝を果たしたチームの中で19試合に登板して防御率は2.45。阪神の層の厚いリリーフ陣の中では目立ちませんでしたが、悪くない成績を収めているだけに、昨季今ひとつだった巨人のリリーフ陣に入れば、大活躍を収める可能性があります。

この5投手に加え、ドラフト会議では即戦力投手として注目を集めていた西舘勇陽投手を指名。先発での起用が予想されていましたが、オープン戦の起用を見ると、ルーキーイヤーの今季はリリーフでの起用も予想されます。

移籍組5選手、そして新人の西舘投手も加えれば6人が新たに加わった巨人のブルペン。補強のポイントとしてうかがえるのが「三振を奪えるボールを持っているか」のように思えます。

昨季の巨人のチーム奪三振数は1075でリーグ2位と上々でしたが、一方で与四球はリーグワーストの386。それに比例してチームの総投球数もリーグで2番目に多い21070球。三振を獲る力はある投手が多いものの、コントロールが定まらないせいで、四球で無駄にランナーを出してしまい、投球数がいたずらに嵩んだ結果、接戦を落とすというケースが多く見られました。

そのためか、昨季の巨人は細かな継投策がシーズン序盤から見られました。そのためブルペンが落ち着く日はほとんどなく、長いシーズンを消化していくうちに疲弊し、打ち込まれるという悪循環に陥ったと言えそうです。

そうした状況を打開するべく、加入した6選手を見ると、近藤投手はスピンの利いたストレート、ケラー投手なら鋭いカットボール、泉投手、西舘投手、馬場投手は150キロを超える豪速球、そして高橋投手はサイドハンドからの多彩な変化球といったようにそれぞれの投手に決め球となりうるボールがあることがわかります。

三振を狙って取れるような決め球を持つ投手たちを補強してリリーフに回すことで、昨季は実現しなかった勝ちパターンの継投策を組むことが可能となるでしょう。こうした新戦力に加え、昨季途中加入で21試合に登板し、防御率1点台という安定した投球を見せたバルドナード投手、さらに故障から復帰する大勢投手が本来の力を出せれば、リリーフ陣のアップグレードはほぼ確実。巨人の4年ぶりのリーグ優勝に向けて大きな強みとなる可能性も十分にあります。


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※本記事は3/22時点の情報です

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