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「平成生まれ初の名球会入り」へ、松井裕樹の課題とメジャーでも通用する武器

  • 2024.3.22
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写真:産経新聞社

松井裕樹投手2024成績予想

55試合 3勝3敗20ホールド5セーブ 60回 80奪三振


日本ではロサンゼルス・ドジャースへと移籍した大谷翔平選手、山本由伸投手が大きな注目を集めていますが、今季からメジャー移籍を果たした松井裕樹投手(パドレス)も日本のファンに見てほしい選手のひとりです。

高校時代は神奈川県・桐光学園のエースとして活躍し、2年夏の甲子園では1試合22奪三振の大会記録を樹立。ちなみにこの記録は今も破られていません。3年秋のドラフトでは5球団が1位で競合し、抽選の末に東北楽天に入団。プロ2年目にクローザーへと転向すると、そこからは球界を代表する守護神に成長し、昨季までの10年間で通算236セーブ、最多セーブのタイトルを三度獲得しています。

松井裕樹の課題

そんな「日本を代表するクローザー」である松井投手ですが、昨年オフに海外FA権を行使してパドレスと契約。契約内容は6年総額2800万ドルと、近年の日本人選手としては比較的「お手ごろ」。メジャーでは日本ほどリリーフ投手の評価が高くないのも理由のひとつですが、国内でも「課題」として囁かれてきたのがメジャー公式球とピッチクロックへの対応でした。

メジャーの公式球は日本よりも「滑りやすい」「ボールによって個体差がある」と言われ、過去にも多くの日本人投手がその順応に苦労してきた過去があります。松井投手は過去の国際大会でメジャー球に順応しきれていなかったのでは……と言われ、それが「不安要素のひとつ」とされています。

もうひとつのピッチクロックはメジャー独自のルールで、ピッチャーがボールを受け取ってから走者なしでは15秒、走者ありでは18秒以内に投球しなければいけません。試合時間短縮のために昨季からメジャーでも導入されていますが、松井投手は日本時代、特に「投げるのが遅い」ピッチャーとして知られていました。そのため、メジャーでいきなり「ピッチクロック」に対応できるのかも、活躍のカギと考えられています。

しかし、パドレスでのスプリングトレーニングを見る限り、そのあたりの対策は万全。キャンプ中に腰の張りで離脱しましたが3月に実戦復帰。韓国で行われる開幕戦のメンバーにも名を連ね、キッチリと結果を残しています。

メジャー打者相手でも通用する大きな武器

松井投手の最大の武器は、大きく縦に割れるスライダー。日本時代は「消える」とまで称された落差を誇り、このボールで三振を量産してきました。日本では通算659回2/3を投げて奪三振は860。9イニングあたりの奪三振率は驚異の11.73を誇り、この高い奪三振力はメジャーの舞台でも相手バッターの脅威になるはず

役割がリリーフとなるので登板数などは予想しにくいですが、コンスタントに働くことができれば年間50~60試合は期待してもいいでしょう。また、日本とは違って9回ではなく試合中盤~終盤に投入される「中継ぎ」を担うことになるので、数字の目安はセーブ数ではなくホールド数になります。

ただ、チーム事情や松井投手自身の結果次第ではシーズン中にクローザーに配置転換される可能性も捨てきれません。

実は松井投手、日本の名球会入りの規定である日米通算250セーブまであと14に迫っています。名球会と言えば、球史に残る偉大な選手が名を連ねる野球界でも最高の名誉のひとつ。もし、シーズン中に通算250セーブに到達することがあれば、28歳という異例の若さでの名球会入り。さらには「平成生まれ初の名球会入り」の快挙を達成することになります。

もちろん、メジャー1年目でいきなりクローザーの役割を掴み取ることは至難の業。それでも日本時代の豊富な経験がある松井投手であれば、チームの窮地にクローザーに大抜擢……なんてこともあるかもしれません。

また、所属するパドレスには日本球界のレジェンド・ダルビッシュ有投手も所属しており、今季はダルビッシュ→松井の日本人リレーも多く見られるはずです。

メジャー球&ピッチクロックへの対応、ダルビッシュ投手との継投、平成生まれ初の名球会入り……。メジャー1年目の松井投手、ファンにとっても見どころたっぷりのシーズンになりそうです。


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※本記事は3/19時点での情報です

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