1. トップ
  2. リーグが変わった大谷翔平は、2年連続ホームラン王に輝けるか?最大のライバルとは?

リーグが変わった大谷翔平は、2年連続ホームラン王に輝けるか?最大のライバルとは?

  • 2024.3.20
  • 1920 views
undefined
写真:産経新聞社

大谷翔平選手2024成績予想

155試合 打率.290 45本塁打 120打点 35盗塁 OPS1.000


昨季まで6年間所属したロサンゼルス・エンゼルスから、同じくロサンゼルスを本拠地とするドジャースへと移籍した大谷翔平選手。10年総額7億ドルというプロスポーツ史上最高額の契約を結び、文字通り「世界最高のアスリート」となった大谷選手ですが、2024年は色々な意味で「新たな挑戦」に臨む1年になります。

まず、今季の大谷選手は昨年受けた右ヒジ手術の影響でこれまでの“二刀流”ではなくバッターに専念=“一刀流”でシーズンを過ごすことになります。ピッチャーとバッターの両方を兼ねる“二刀流”はメジャーの世界でも近年では誰も成し遂げておらず、大谷選手が渡米して以降の野球界でも目立った成功例は大谷選手を除いて生まれていません。その希少性が大谷選手の価値をさらに上げたことは間違いありませんが、今季は前述のとおり「バッターのみ」の出場。これには当然ながらメリットとデメリットがあると思われます。

「バッターのみの出場」のメリットとデメリット

最大のメリットは「身体への負担軽減」。特にメジャーで本格化を果たしたここ3年間、大谷選手はバッターとして試合に出場しながら、先発投手として1週間に1回以上のペースで登板を重ねてきました。バッターとしてシーズンフル出場するだけでも、ピッチャーとして年間通して投げ続けるだけでも大変な負担が身体にかかりますが、大谷選手はそれを同時進行でこなしていたわけです。

この“負荷”から解放され、バッターに専念できることで、『バッター・大谷翔平』としてはこれまで以上の数字を残せる可能性は十分にあります。

一方のデメリットは「選手としてのリズム」が崩れる可能性があるということ。たしかに過去3年間、大谷選手には想像を絶する負荷がかかっていたはずです。ただし、野球選手として、アスリートとして「二刀流」をこなすことが投打に良いリズムを生み、それが結果につながったとも考えられます。

野球選手の技術はとても繊細なもので、なにかひとつ歯車がかみ合わなくなっただけでも一気に成績を落としてしまうことがあります。いくら大谷選手が超人的な能力を持つとはいえ、これまでとは違うルーティンをこなしながら試合に出場し、昨年同様、もしくはそれ以上の数字を残せるか……。そこに「不安」がないと言えばウソになるでしょう。

ただし、スプリングトレーニングからのバッティングを見る限り、その心配は杞憂に終わりそうです。実際、大谷選手は2019年にも同様にピッチャーとしてリハビリをこなしながらバッターとして試合に出場した経験があります。この“経験”があるからこそ、「バッター専念」のイレギュラーな1年間も難なく乗り越えてくれるのではないでしょうか。

リーグが変わった大谷の最大のライバルとは?

その上で、今季の大谷選手の注目ポイント、期待したい数字をあえて挙げてみましょう。多くのファンが「バッター・大谷翔平」に期待するモノ――。それは、やはりホームランです。昨季、アジア人としては初となるMLB本塁打王に輝いた大谷選手。当然、今季も昨季と同等、もしくはそれ以上の本塁打数や、リーグをまたいでの2年連続本塁打王の獲得が期待されています。

可能性だけの話で言うと、大谷選手が今季も本塁打のタイトルを獲得する確率は「高い」と言っていいでしょう。まず、昨季の大谷選手はシーズン終盤の約1カ月をケガで離脱しながら44本塁打を記録してタイトルを獲得しました。もし、ケガなくシーズン最後までプレーを続けていれば、50本塁打到達も十分射程圏内だったはずです。ちなみに、昨季のナショナル・リーグ本塁打王はアトランタ・ブレーブスのマット・オルソン選手で54本塁打。本塁打王の最大のライバルは、おそらくこのオルソン選手になるはずです。両者がケガなく万全な状態でプレーできたとしたら、シーズン50発前後のハイレベルな本塁打王争いが見られるかもしれません。

スター軍団の仲間入りでこれまで以上の打点が期待できる

また、本塁打以上に今季の大谷選手に期待したいのが「打点」と「盗塁」です。大谷選手のキャリアハイは2021年にマークした100打点、26盗塁ですが、この数字は大幅に更新する可能性があります。打点に関しては、ドジャースに移籍したことで大谷選手以外にも強打者が揃う「最強打線」の一員として戦えることが大きな強み。エンゼルスでは同僚のマイク・トラウト選手と事実上の「二枚看板」で、トラウト選手離脱時には大谷選手がひとりで打線を牽引していました。しかし、ドジャースにはムーキー・ベッツ選手、フレディ・フリーマン選手といったスーパースターがおり、彼らが大谷選手の前後でしっかりと結果を残せば、「打点」は間違いなく上積みできるはず。メジャーリーグにおける日本人のシーズン最多打点は松井秀喜選手(当時ヤンキース)が2005年にマークした116打点。大谷選手にはぜひ、この記録の更新も期待したいところです。

打者専念は盗塁数にも影響

もうひとつの「盗塁」に関しては、大谷選手が今季、どんなプレースタイルを目指すかにも大きく影響されます。メジャーでも屈指のスピードを持つと言われる大谷選手ですが、たとえば昨季は盗塁数20に対して失敗が6。つなり、盗塁を試みた回数自体が合計26回と決して多いわけではありませんでした。盗塁数を稼ぐためにはある程度の「失敗」を覚悟しなければいけません。

ただ、ピッチャーとしてプレーしない今季。これまでよりも「走塁」への意識が高まるとしたら、盗塁数はさらに増加するはずです。ポテンシャルだけで言えばシーズン30盗塁はもちろん、40盗塁も狙えるレベルにあるだけに、メジャーでも過去に5人しか成し遂げていない40‐40(シーズン40本塁打、40盗塁)」にも期待したいところです。

新天地に、バッター専念――。メジャーリーガー・大谷翔平選手にとって今季が「新たな挑戦」の年になるのは間違いありません。果たして、大谷選手は今季、どんなプレーを見せて、私たちを驚かせてくれるのか……。ファンのみなさんも、大きな期待とともに、ぜひメジャーリーグの2024年シーズンを楽しんでみてください。


undefined

※本記事は、3/19時点の情報です

の記事をもっとみる