1. トップ
  2. 松坂は?ダルビッシュは?名投手たちの「メジャー1年目の成績」…初年度から10勝以上したのは“たった7人”!?

松坂は?ダルビッシュは?名投手たちの「メジャー1年目の成績」…初年度から10勝以上したのは“たった7人”!?

  • 2024.3.13

【MLB】あの“名投手”はどうだった!?日本人投手メジャー「初年度」の成績10選

undefined
写真:PIXTA

今シーズンも、多くのサムライが海を渡りメジャーリーグに挑戦します。ロサンゼルス・ドジャースに移籍した山本由伸選手を筆頭に、サンディエゴ・パドレスに松井裕樹、シカゴ・カブスに今永昇太とWBCでも活躍した実力派投手たちの移籍が多いのが特徴です。

彼らが1年目からどのような成績を残せるのかに注目が集まりますが、過去MLBで活躍した名投手たちのメジャー挑戦1年目の成績は一体どのようなものだったのでしょうか。

この記事では、MLBで活躍した代表的な日本人投手のメジャー初年度成績をまとめてご紹介します。

1.野茂英雄

初年度成績(1995年)
試合数:28登板 / 勝敗数:13勝6敗 / 勝率:.684 / 投球回数:191.1回 / 奪三振数:236 / 防御率:2.54
最多奪三振、新人王

日本人メジャーリーガーのパイオニアとして知られる野茂は、1994年にNPBを任意引退という形で離れ1995年にロサンゼルス・ドジャースと契約。当初はその実力を疑われマイナー契約であったものの、オールスターにも選出され先発を務めた他、リーグ最多の3完封を含む13勝をあげるなどシーズンを通して大活躍しました。彼の代名詞であるトルネード投法から投じられる速球と落差のあるフォークボールを武器に、強打者たちから三振を奪う姿は日本のファンのみならずアメリカのファンも大熱狂。“NOMO マニア”というファンダムを生むほどの現象を起こしました。

2.松坂大輔

初年度成績(2007年)
試合数:32登板 / 勝敗数:15勝12敗 / 勝率:.555 / 投球回数:204.2回 / 奪三振数:201 / 防御率:4.40

「ジャイロボールを投げる男」という触れ込みのもと、西武ライオンズからポスティングシステムでボストン・レッドソックスに移籍した松坂。初年度からローテーションに定着すると、日本人史上初となる1年目からの15勝&200奪三振を記録しました。敗戦数が12と多かったことに加え、与四球率もリーグワースト6位と安定性にかけるという評価もありましたが、チーム12年ぶりとなる地区優勝に貢献。さらにワールドシリーズ優勝と歴史的なシーズンのメンバーとして在籍したことから、大きなインパクトを残しました。

3.黒田博樹

初年度成績(2008年)
試合数:31登板 / 勝敗数:9勝10敗 / 勝率:.474 / 投球回数:183.1回 / 奪三振数:116 / 防御率:3.73

チーム初の日本人メジャーリーガーとして、広島カープからFAでロサンゼルス・ドジャースに移籍した黒田。初年度は9勝10敗と負けが先行したものの3点台の防御率、クオリティースタート数共に高い数値を残すなど、シーズンを通してローテーションを守り優れた数値を残しました。ポストシーズンでも2試合に登板し2勝を挙げ貢献するものの、チームは惜しくもチャンピオンシップシリーズで敗戦となりましたが翌年以降も優れたイニングイーターとして、安定した成績を残しました。

4.上原浩治

初年度成績(2009年)
試合数:12登板 / 勝敗数:2勝4敗 / 勝率:.333 / 投球回数:66.2回 / 奪三振数:48 / 防御率:4.05

巨人入団当時からの悲願だったメジャー移籍をFAで果たした上原は、2009年にボルチモア・オリオールズと契約。開幕からローテーション入りし初先発初勝利を挙げたものの、5月に太ももの痛みを訴え故障者リスト入り。復帰した後に右肘の部分断裂が発覚しシーズン途中で離脱という結果に。ボストン・レッドソックスではワールドシリーズ優勝時の胴上げ投手になるなどリリーフで大活躍した印象も強い上原ですが、初年度は怪我の影響から振るわないシーズンとなってしまいました。

5.川上憲伸

初年度成績(2009年)
試合数:32登板(25先発)/ 勝敗数:7勝12敗 / 勝率:.368/ 投球回数:156.1回 / 奪三振数:105 / 防御率:3.86

鋭く曲がるカットボールを武器に中日ドラゴンズのエースとして活躍した川上は、2009年にFAでアトランタ・ブレーブスに移籍。メジャー初先発で勝利を飾り上々なデビューを果たしたものの、その後は打ち込まれることが多くなりメジャーの壁にぶつかります。しかし、5月以降は相手チームのエース格に投げ勝つことも多く徐々に成績をあげると、シーズン後半戦ではチーム事情からリリーフに転向。配置転換後はリリーバーとして防御率2点代と安定した成績を残しました。

6.ダルビッシュ有

初年度成績(2012年)
試合数:29登板 / 勝敗数:16勝9敗 / 勝率:.640 / 投球回数:191.1回 / 奪三振数:221 / 防御率:3.90

NPB最終年度に18勝を挙げ、鳴り物入りでMLB挑戦を表明したダルビッシュ。2012年にポスティングシステムで日本ハムファイターズからテキサス・レンジャーズに移籍すると、4月に4勝をあげ月間最優秀新人に選ばれるなど期待通りの活躍をみせ、オールスターゲームにも選出されました。シーズン後半にはコントロールを乱す場面が増えるものの、現在でも破られていない日本人の新人記録となる16勝を記録。鮮烈なデビューイヤーを飾りました。

7.前田健太

初年度成績(2016年)
試合数:32登板 / 勝敗数:16勝11敗 / 勝率:.593/ 投球回数:175.2回 / 奪三振数:179 / 防御率:3.48

2016年広島カープからポスティングでロサンゼルス・ドジャースに移籍した前田。契約前のメディカルチェックにて肘の不安が発見されたことから、基本給が低く出来高が多数盛り込まれた異例の契約となりましたが、シーズンを通しローテーションを守りきる安定感をみせます。ポストシーズンでは打ち込まれるシーンが多く見られチームはリーグチャンピオンシップで破れたものの、ダルビッシュと並ぶ日本人の新人記録16勝をあげる活躍を果たしました。

8.大谷翔平

初年度成績(2018年)
試合数:10登板 / 勝敗数:4勝2敗 / 勝率:.667 / 投球回数:51.2回 / 奪三振数:63 / 防御率:3.31
新人王

2018年、日本ハムファイターズからポスティングシステムにてロサンゼルス・エンゼルスに移籍した大谷。ベーブ・ルース以来の“二刀流”選手として入団前から大きな話題となりましたが、オープン戦では投打ともに不振にあえぎマイナー起用をすすめる声も多く聞かれました。しかし、シーズンが始まると初先発初勝利をあげるなど周囲の評価も一変。シーズン終盤に、右肘靭帯損傷をした影響から勝ち星こそ4勝止まりとなりましたが、打者として打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁の成績を残し“二刀流”として新人王のタイトルを獲得しました。

9.菊池雄星

初年度成績(2019年)
試合数:32登板 / 勝敗数:6勝11敗 / 勝率:.353 / 投球回数:161.2回 / 奪三振数:116 / 防御率:5.46

ポスティングシステムにて2019年に西武ライオンズからシアトル・マリナーズに移籍した菊池。メジャーデビュー戦が、東京ドームで行われたイチローの引退試合だったことも話題になりました。6度目の先発でようやく初勝利をあげると、8月には球数96での完封勝利“マダックス”を達成するなど随所で活躍をみせたものの、シーズンを通して制球難が改善されず打ち込まれるシーンも多く見られ6勝止まりとなりました。

10.千賀滉大

初年度成績(2019年)
試合数:29登板 / 勝敗数:12勝7敗 / 勝率:.632/ 投球回数:166.1回 / 奪三振数:202 / 防御率:2.98

育成出身選手初のメジャーリーガーとなった千賀は、2022年に福岡ソフトバンクホークスからポスティングシステムでニューヨーク・メッツに移籍しました。シャーザー、バーランダーという球界を代表するエースが在籍するチームで1年間ローテーションを守り切り12勝、防御率リーグ2位の2.98という好成績を記録。さらに新人王投票では2位、サイヤング賞投票でも7位に選ばれるなど、代名詞ともされる落差のある「ゴーストフォーク」を武器に鮮烈なメジャーデビューを果たしました。


いかがでしたか?このように並べてみてみると、日本で圧倒的な成績を残した投手でも MLBで初年度から活躍するのはなかなか難しい事がわかります。
ちなみにパイオニア野茂以降、30年に及ぶ挑戦の歴史の中で、10勝以上を挙げた日本人投手をまとめると、以下の7人だけでした。

95年 13勝 野茂英雄
02年 14勝 石井一久
07年 15勝 松坂大輔
10年 10勝 高橋尚成
12年 16勝 ダルビッシュ有
14年 13勝 田中将大
16年 16勝 前田健太

今季MLBに加入する投手たちがどのような成績を残すのか?今から注目していきましょう!


※本記事は、3/12の情報です
サムネイル:アフロ

の記事をもっとみる