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【センバツ出場校・注目選手紹介】〜東海/北信越〜 神宮大会覇者は、石川県勢初の優勝をもたらすことができるのか?

  • 2024.3.13
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写真:産経新聞社

昨年、日本高野連に「センバツ改革検討委員会」が設置され、地区ごとに出場枠の見直しが図られました。

その結果、従来まで2校だった東海地区が3校に。増枠となった今大会は、愛知県から2校が出場します。歴史を遡ると、記念すべき第1回の選抜高校野球大会は名古屋市の山本球場で開催されました。翌年の2回大会から舞台を甲子園に移しますが、優勝校も4校ある愛知県はセンバツを語るうえで外せない地域でもあります。

一方の北信越地区も、昨年の明治神宮大会で星稜高校が優勝したことにより増枠。今大会には3校が出場します。元旦に発生した能登半島地震で大きな被害が出た地区であり、現在も多くの人々が苦しい思いをしています。阪神淡路大震災や東日本大震災など、日本はこれまでに国難といえる大地震に幾度となく襲われましたが、センバツが「復興の象徴」となり、人々に勇気と感動を与えました。今大会に出場する選手には、被災地が笑顔と希望を持てるようなはつらつとしたプレーを期待したいと思います。

北信越の3校を含めた全6校を以下に並べました。

〜東海編〜

【豊川高校】(愛知) 10年ぶり2回目 <総合戦力S>

県大会は準優勝でしたが、東海大会では一戦ごとに力強さを増して頂点に上り詰めました。
4割近いチーム打率とホームラン7本、盗塁45個はいずれも出場校中トップ。機動力と長打力を合わせ持った攻撃は全国でも屈指です。中でも、打線のキーマンとなる存在が3番打者のモイセエフ・ニキータ選手。東海大会4試合で6割を超える打率を残し、ホームランも放ちました。
他にも全体的にレベルの高い選手が揃っており、初出場でベスト4入りした10年前のチームと比べても同等以上のポテンシャルを秘めています。

【宇治山田商業高校】(三重) 16年ぶり2回目 <総合戦力A>

戦力が混沌としている三重で久々の優勝を飾ると勢いに乗り、東海大会で躍進。ベスト4敗退となったものの、優勝した豊川高校を準決勝で苦しめたことが評価され、東海地区で2番目の選出となりました。
飛び抜けた選手はいませんが、ショートを守る主将の伊藤大惺選手を中心に攻守にまとまっています。また、ベンチ入りメンバーの半分以上が新2年生という若いチームです。今大会に5校出場する公立校の内の一校。オール地元選手で大会に挑み、16年前の1勝を超える活躍を誓います。

【愛工大名電高校】(愛知) 12年ぶり10回目 <総合戦力A>

愛知からもう1校。強豪の愛工大名電高校が10度目のセンバツを迎えます。
愛知県大会決勝では豊川高校に7-1と快勝するも、再び相まみえた地区決勝では序盤に8点差を付けられる苦しい展開。それでも終盤に怒涛の追い上げを見せて1点差に詰め寄るなど、地力の高さを見せます。出場校中3位となる打率.393の破壊力ある打線が武器ですが、秋は大味な試合が目立ち、投手力に課題を残しました。
ただ、伝統的に夏より春に好成績を収める学校であり、今年も「春に強い名電」を見せてくれることに期待します。


〜北信越編〜

【星稜高校】(石川) 2年ぶり16回目 <総合戦力A>

新チームになってからは北信越優勝、明治神宮大会優勝と快進撃が続き、昨年秋の公式戦は13戦無敗。神宮大会は松井秀喜選手を擁したとき以来32年ぶりの優勝でした。
走攻守にスキのない野球が光りますが、中でも左腕エースの佐宗翼投手と新2年で右腕の道本想投手の投手陣は高いレベルで安定しています。打撃が完成していない春は投手力が勝敗を左右するため、本番でもこの2人の出来がカギ。
「神宮大会優勝チームはセンバツで優勝できない」というジンクスを跳ねのけることができるかも注目です。

【日本航空石川高校】(石川) 4年ぶり3回目 <総合戦力B>

秋は粘り強さを見せ、北信越大会でベスト4に進出。準決勝で敦賀気比高校と1点差の試合を繰り広げたことが評価され、3枠目を射止めました。
学校の所在地は石川県輪島市。2024年元旦に発生した能登半島地震では学校の校舎や選手寮のみならず、実家が被災した選手も数多くいます。しばらくは先の見えない暗闇を過ごしましたが、現在は山梨にある本校で練習し、大舞台に備えています。
1月26日に出場が決まった際、監督と選手の目には大粒の涙がありました。辛い経験をパワーに変え、被災地を勇気付けます。

【敦賀気比高校】(福井) 4年連続11回目 <総合戦力A>

夏の甲子園が終わってからの新チームづくりは期間が短いため難しいとよく言われますが、そんな意見をも吹き飛ばす4年連続のセンバツを決めたのが敦賀気比。
一時期低迷していましたが、2010年代以降は毎年のように甲子園出場を果たし、2015年春は福井県勢初の優勝を勝ち取りました。
今年のエースは甲子園経験もあるサウスポーの竹下海斗投手。チェンジアップが武器の技巧派です。昨夏限りで退任の意向を示していた東哲平監督も続投しており、甲子園を熟知した戦いで9年ぶりの春制覇を目指します。

要注目!期待の選手

◆モイセエフ・ニキータ選手(豊川高校・3年)

181cm85kgで左投左打の中堅手。ロシア人の両親を持つ身体能力の高い選手です。高校入学時は線の細い選手でしたが、20kg近い増量に成功。チームの中軸を張るまでに成長し、秋は主に3番打者として出場しました。東海大会初戦の神村学園伊賀戦ではライススタンドにスリーラン、明治神宮大会でも準決勝の星稜戦でライトへソロホームランを運ぶなど長打が魅力。東海大会では16打数10安打6打点を挙げて打率.625のハイアベレージをマークしており、センバツの舞台でもきっと大暴れしてくれることでしょう。

◆竹下海斗投手(敦賀気比高校・3年)

1年夏と2年春の2度甲子園のマウンドに立っている投手です。昨春は初戦で大阪桐蔭高校と激突。惜しくも1-3で敗れましたが、自身は6回を投げて2失点と好投を見せました。秋は背番号1を背負って7試合のマウンドに立ち、56回を投げて46奪三振、防御率1.45と堂々の成績。センバツ出場がかかった地区大会準決勝では延長10回を投げ抜いて勝利投手になるなど、試合を重ねるにつれてエースとしての貫禄が出てきました。5番打者を務める打撃力も持っており、秋は打率5割、10打点を叩き出しています。


※情報は3月11日時点のものです。
※学年は、4月からの新学年です

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