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【センバツ出場校・注目選手紹介】〜北海道/東北編〜 "地元の漁師が手作りした防球ネット"で練習する高校が悲願の初出場!

  • 2024.3.11
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写真:PIXTA

第96回選抜高校野球大会が3月18日(月)に甲子園球場で開幕します。

今年は甲子園球場が完成してから100年にあたり、節目の年にどのような熱戦が繰り広げられるか楽しみです。

1月26日の選考委員会で選出された出場校は全部で32校。そのうち、北海道地区から21世紀を含めた2校、東北地区からは3校が選ばれました。なお、東北地区は前年まで出場枠が2でしたが、今大会より3に増枠されています。

北海道や東北は大雪や寒冷地といったハンデもあり、甲子園ではなかなか上位に食い込むことができませんでした。しかし、2000年以降は駒大苫小牧高校の夏連覇を皮切りに、菊池雄星投手や大谷翔平選手、佐々木朗希投手などスター選手も相次いで出現しています。2022年夏は仙台育英高校が躍進し、東北勢として初優勝。大優勝旗が初めて白河の関を越え、話題になりました。

このように近年の活躍は目覚ましく、以前にささやかれていた「野球不毛の地」という印象は現在では全くありません。年々力強さを示す北海道・東北からセンバツに出場する5校を順番にご紹介します。

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写真:PIXTA

〜北海道編〜

【北海高校】 3年ぶり14回目 <総合戦力A>

昨秋の北海道地区を制した北海高校が3年ぶりに出場します。
秋は安定感のある試合運びで勝ち進みましたが、決勝の東海大札幌戦では4点を先制される苦しい展開。それでもじわじわと詰め寄り同点に追いつくと延長10回タイブレークの末に勝ち越し、夏春連続となる甲子園切符を掴みました。
新チームの公式戦防御率は1.18と守り勝つチームカラーが特徴。甲子園で上位進出を狙います。1885年創立の伝統校であり、今回で春夏通算54回目の出場となります。1963年春と2016年夏に果たした準優勝を超えられるか注目です。

【別海高校】 初出場 21世紀枠 <総合戦力B>

北海道の東端にある人口約1万4千人、酪農業が盛んな別海町から春夏通じて初となる甲子園出場を果たしました。
秋の北海道大会は初戦からロースコアの接戦が続くも、エースの堺暖貴投手が好投を見せてベスト4に進出。優勝した北海高校との準決勝は1-6で敗れたものの、8回途中まで1点差で食らい付く健闘を見せています。
21世紀枠候補9校の中では選考委員から最も支持を集め、一年の半分以上が最低気温0度未満と雪国独特のハンデがある中、農業用ビニールハウスや地元漁師手作りの防球ネットを活用して練習をおこなうなど、創意工夫や町民一体となって野球に取り組む姿が評価されました。

〜東北編〜

【青森山田高校】(青森) 8年ぶり3回目 <総合戦力A>

近年は県内で押され気味だったライバルの八戸学院光星を県大会決勝と東北大会決勝の両方で破り、久々に甲子園に帰ってきました。
原動力となった関浩一郎投手と桜田朔投手はともに完投能力のある好投手で、特に桜田投手は東北大会決勝という大舞台でノーヒットノーランの偉業を達成。センバツでも注目したい投手の一人です。
攻撃陣は公式戦打率.284とそれほど高くはありませんが、ホームラン7本を放っており、これは出場校中トップタイの本数になります。全国制覇を4度果たしているサッカー部の印象が強い同校ですが、長打力を秘める今年の野球部も上位進出が充分に可能な戦力です。

【八戸学院光星高校】(青森) 5年ぶり11回目 <総合戦力A>

昨秋は青森山田高校の前に屈したものの、今や甲子園の常連となった八戸学院光星高校。
春は5年ぶりの出場となりますが、夏は直近10年で6度の出場をかぞえ、青森県の高校野球界を引っ張る存在です。攻守にバランスがとれた好チームで、複数投手の継投で勝ち上がるスタイルは今年も健在。甲子園経験が豊富で140km台後半のスピードボールを持つエース左腕の洗平比呂投手をはじめ、岡本琉奨投手、森田智晴投手と力のある左腕投手が揃います。
野手では唯一甲子園を経験している砂子田陽士選手がチームの主将。投打に軸となる選手がおり、甲子園初制覇を狙います。

【学法石川高校】(福島) 33年ぶり4回目 <総合戦力B>

1999年夏を最後に甲子園から遠ざかっていましたが、県大会準決勝でサヨナラ勝ちをおさめ、福島3位で東北大会に進出すると強豪を次々に撃破。聖和学園高校(宮城)、金足農業高校(秋田)と他県の1位校相手に競り勝つ勝負強さを見せてベスト4に入ります。
選考では当落線上にいましたが、東北大会の戦いぶりが評価されて33年ぶりの選出。久々に届いた春の便りに学校は大いに沸きました。
派手さはありませんが、仙台育英高校を甲子園で2度準優勝に導いた佐々木順一郎監督が2018年から指揮を執っており、名将の下、全員野球でセンバツを戦います。

要注目!北海道/東北の"期待の選手"

堺暖貴投手(別海高校・3年)

別海高校を初の甲子園に導いた右腕。別海中央中学では野手として全国大会に出場した経験もありますが、高校入学後に投手へ転向します。
昨夏の予選敗退後、新チーム発足とともに別海高校がおこなった「紋別合宿」で大きく成長し、一気にチームのエースとなりました。秋の大会は完投する試合も多く、スタミナが豊富に付いたことも証明。投手転向時に110km台だった球速は130km台まで上がりました。別海高校の甲子園での勝利は堺投手にかかっています。

桜田朔投手(青森山田高校・3年)

昨秋は背番号10とエースナンバーを同学年の関浩一郎投手に譲るも、東北大会決勝でノーヒットノーランを達成した実力者です。
秋は6試合の登板で28回を投げて5失点、自責点はなかったため防御率は0.00を記録しました。185cm80kgのがっちりとした体から最速145kmの球を投げ込む本格派右腕。カーブ、スライダー、チェンジアップの変化球も持っており、既にドラフト候補に名前が挙がる投手です。「さくらださく」という自身の名前のように、センバツのマウンドで花開くことを期待します。


※情報は3月11日時点のものです。
※学年は、4月からの新学年です

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