1. トップ
  2. 「東京ドームはホームランが出やすい」と言われるのはなぜ?実は甲子園と"8mも差がある"部分が原因だった…!

「東京ドームはホームランが出やすい」と言われるのはなぜ?実は甲子園と"8mも差がある"部分が原因だった…!

  • 2024.4.7
undefined
写真:PIXTA

東京ドームは、セ・パ12球団の中でもホームランの出やすい球場として知られています。日本のプロ野球の本拠地球場としては野球規則に記載されている国際基準を満たす初めての球場で、完成当時は広い球場でした。

確かに東京ドームを本拠地球場としている読売ジャイアンツには昔からホームランバッターが多いですが、理由はそれだけではありません。

今回は、フェンスまでの距離など東京ドームでホームランが出やすい理由について見ていきます。

なぜホームランが量産されやすいのか

東京ドームでホームランが出やすい最も大きな理由は、ホームベースから右中間と左中間にあるフェンスまでの距離が短いことが考えられます。

他球団の本拠地球場は移転や改修を経てフェアグラウンドが広くなり、以前に比べてもホームランが出にくい作りに変更。一方で東京ドームは1988年3月17日誕生して以来、フェアグラウンド自体の改修を行っておらず、12球団の本拠地球場で最もホームランの出やすい球場としてピッチャーに恐れられています。阪神甲子園球場が118m(平均では約115m)あるのに対して、東京ドームは本拠地で最も狭い110mと8mもの差が生じています。

ホームベースからフェンスまでの距離の他に考えられる理由は、ドーム内の気圧や空調による風向きです。東京ドームはドーム内の気圧を外部よりも高めて屋根を膨らませる構造が採用されていることから、圧力差を調整するのに送風ファンを利用しています。

ただし、東京ドームを施行した会社は、風向きが外野方向に向いている事実はないと語っています。

セ・リーグ本拠地の右中間、左中間までの距離

東京ドーム:110.0m
甲子園球場:118.0m
マツダスタジアム:116.0m
横浜スタジアム:111.4m
明治神宮球場:112.3m
バンテリンドーム:116.0m

ホームランが出にくい球場は?

NPB12球団の本拠地球場で最もホームランが出にくいのは、中日ドラゴンズが本拠地球場としているバンテリンドーム ナゴヤです。

バンテリンドーム ナゴヤのホームベースから右中間と左中間にあるフェンスまでの距離は116mであるのに加えて、フェンスの高さが4.8mとホームランが出にくい仕組みです。バンテリンドーム ナゴヤと東京ドームのホームベースからフェンスまでの距離の差が6m、フェンスの高さの違いが0.56mの差で同じドーム球場でも差があります。

NPBに所属する多くのピッチャーも、バンテリンドーム ナゴヤと東京ドームで投げるときのホームランの警戒度が異なると語るケースも多いです。読売ジャイアンツのエースである菅野智之投手は、「ホームランにビビってたら東京ドームで野球ができない」と語っていることからも、覚悟を持ってマウンドに上がるピッチャーも多くいます。

バンテリンドーム ナゴヤの他にも屋外球場のマツダスタジアムや京セラドーム大阪などがあり、ピッチャー有利の球場といえます。

打者は一発を狙い投手は対策する

東京ドームはホームランが出やすい球場であるため、ホームランバッターにとっては有利な球場であることがわかります。一方でピッチャーにとっては他球場以上にホームランを警戒しなければならない球場です。

1988年に東京ドームが誕生して以来、フェアグラウンドやホームベースからフェンスまでの距離が変更されていないことがホームランが出やすい主な原因であると考えられます。ドーム内の改修工事などは実施されているものの、フェアグラウンドやフェンスの大規模改修は予定されていません。そのため、ピッチャーにとっては「どのようにホームランを防ぐか」、バッターは「どのようにホームランを打つか」のせめぎ合いが今後の東京ドームでも繰り広げられそうです。

2024年は、東京ドームで各球団の強打者から何本のホームランが飛び出すのか期待しましょう。


※情報は3月29日時点のものです。

の記事をもっとみる