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世界からお届け!SDGs通信 バンコク編。廃棄オレンジの再利用を模索し生まれたオードヴィー

  • 2024.1.31
世界からお届け!SDGs通信 バンコク編。廃棄オレンジの再利用を模索し生まれたオードヴィー

朝のオレンジ園のフレッシュな空気感を、そのまま閉じ込めたような爽やかな味わい!

少しでも傷があったり形がいびつだったり、味は変わらないのに出荷できず廃棄せざるを得ない。そんな問題に頭を悩ませている農家は多い。そんな中、廃棄フルーツを使ってアルコール飲料をつくっているユニークな農園がある。標高1000~1200mの山岳地帯にある北タイのチェンマイ県メーアイ地区でオレンジを栽培している農場〈raiyoddoy〉だ。

農園の55%を占めるという甘みと酸味のバランスがいい「サイナムプン」。本来酸味が強いが十分に養分が行き渡るように剪定した結果甘みがアップした「ロイヤル・フリーモント」。一般的なものより皮が薄くなるように開発した甘さが際立つ「ハニー・オーシャン」。それぞれの季節に合った3品種を栽培している。

年間約90万kgが収穫されるが厳しい出荷基準を設けている同園では、大きさ、傷アリなどどうしても基準に満たない品質のオレンジが出てしまう。不揃い品として販売する他、フリーズドライやワインに挑戦したり、あらゆる試行錯誤を経て生まれたのが発酵と再蒸留によって生成されるオードヴィー。

「新鮮な果汁を使って5年、10年と熟成させますが、澄んだ色、ふわっと香るオレンジの香り、なめらかな味わいが特徴です。飲むと日の出のオレンジ園を散歩しているようなさわやかな気分になるので〈O' Sunshine〉と名付けました」とオーナー。

1瓶700ml(890B)に対し約11~12kgのオレンジが使用され、香料は一切使用しない。ソーダなどで割ったり、チョコレートと合わせたり、グリル料理の風味付けやお菓子作りに使ったりと使い道は広い。現在、タイ各地のスーパーマーケットの他、直接農場からオンライン注文することも可能だ。

農園は標高が高いメーアイ地区
農園は標高が高いメーアイ地区の中でも最も高地にある。その高度がおいしさを左右するのだ。
オレンジの収穫
毎日手作業でオレンジの世話をし、収穫する。
3品種を栽培
異なる季節に実をつける3品種を栽培している。
オレンジの年間収穫量は約90万kg
オレンジの年間収穫量は約90万kgにものぼる。
<O' Sunshine>のオードヴィー
厳しい品質基準に満たなかったオレンジが<O' Sunshine>のオードヴィーの原料となる。
品質チェックをクリアしたオレンジ
品質チェックをクリアしたオレンジは、市場やスーパー、個人の消費者のもとへと渡る。

Information

raiyoddoy

1996年に開園。ミャンマーとの国境付近の高地で自然の水源を利用し、手作業で除草作業を行い、安定した土壌を保つことで高品質のオレンジが収穫できる。〈O' Sunshine〉は330ml(450B)、700ml(890B)の2種類を展開。

Facebook:https://www.facebook.com/RaiYodDoy/

profile

平原千波

ひらはら・ちなみ/「1年だけ住んでみたい」とやってきたタイ暮らしが、なぜか早15年に! バンコクを拠点に活動する旅と猫好きの編集者・ライター・時々コーディネーター。

Instagram:@china173_ bkk

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