1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 「この人、何を言っているの?」ちゃんとしているアピールをする母、実際は? <母の認知症介護日記>

「この人、何を言っているの?」ちゃんとしているアピールをする母、実際は? <母の認知症介護日記>

  • 2024.1.30
  • 901 views

アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。糖尿病の持病がある母・あーちゃんは、毎週インスリン注射を受けています。それ自体は問題なくこなせるのですが、別の日にインフルエンザの予防接種を受けたところ、いつもと違う診察室・先生になっていて理解が追いつかず、その場でキョロキョロしてしまう事態に。いつものパターンとは違うと、対応できなくなってしまったようです。

やらなくてはいけないことがあるのはわかっているけれど、それが何かわからない……。あーちゃんは今、何をしていてもそんな状態なのかもしれません。やらなくてはいけないことを自分のペースでこなそうとするため、突拍子もない行動に出ることも多く、本当に目が離せなくなってきました。

あれ?記憶から消されている…?

あーちゃんは5人きょうだいです。

伯父に呼ばれ、亡くなった叔母の家に行くことになり姉妹で付き添うと、ただ叔母の家を掃除するだけだったようで、早朝からあーちゃんを迎えに行ってから叔母の家へ向かうという大移動に。

帰宅後、あーちゃんから電話がかかってきました。

なんだか話の雲行きが怪しくなってきました。

恐る恐る聞いてみます……。

今日、一緒にいたのは誰かというのを忘れてしまったようです。

時間と労力をかけて付き添った今日という日が、なかったことになっているようです。

その日、伯父たちと一緒に食事をした私たち。

このやりとりを何度も繰り返しました……。

そして、糖尿病の話が出ると……。

え? 違うよね……!?

めちゃくちゃちゃんとしゃべっているのに、内容がウソばかり……。姉妹で困惑。

食後、うれしそうにあんみつを食べていました……。

むしろ、甘いものを食べまくっているように思うのですが……。

ある日、伯父に呼ばれて亡くなった叔母の家に行くことになったあーちゃん。今は誰も住んでいないため、家をどうするのかという話になるとあーちゃんが理解できないと思い、姉妹で付き添うことに。しかし、いざ伯父と合流すると目的は家の片付けだったことが判明。あーちゃんを早朝に迎えにいき、逆方向に2時間もかかる叔母の家へ向かうという遠回りをすることになりました。

その後、片付けをしてから、皆で食事をして解散となったわけですが、夜になってあーちゃんから私のところに電話がかかってきて、今日1日どんなことがあったのかを聞かされました。……え? 私もいましたが? 話を聞いてみると、今日1日の記憶から私たち姉妹と伯父1人の存在が消えていました。めちゃくちゃ疲れながら付き添ったのに……。

あーちゃんの兄弟は全員が糖尿病。そのため、食事会中も糖尿病の話で盛り上がっていました。するとあーちゃんも負けじと、自分は食事に気を付けていてケーキなんて何年も食べていないと語りだしました。その口ぶりは、ものすごくちゃんとしている風だったのですが……実際には、ケーキ以外の甘いものもたっぷり食べているのです。姉妹で「何言ってるの!?」と、思わず突っ込みたくなりました。

--------------

食事会をしたこと自体は忘れていないのに、誰がいたのかわからなくなるのではなく、一部のメンバーだけ記憶から抜け落ちてしまうこともあるのですね。でも、実際に時間も労力もかけて付き添った人からすると、記憶から消されてしまうのは少し寂しいかもしれませんね。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!


著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ

ベビーカレンダー/シニアカレンダー編集室

元記事で読む
の記事をもっとみる