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ただならぬ様子のおばさんに連行された僕→生死に関わる事件が進行していた【アメリカサッカー留学記(10)】

  • 2024.1.29

<ただならぬ様子のおばさんに連行された僕→生死に関わる事件が進行していた>アメリカサッカー留学記[#10]

(前回の続き)アメリカで迎えた20歳の誕生日、いつも通り大学に行くとなぜか周りに人がいません。
そんな僕を見つけた図書館のおばさんが必死の形相で僕を呼ぶのでついていくと、見た事も存在すら知らない隠し部屋に連れていかれてしまいました。

一体何が起きたんだろう…と思いながら防音扉のような重たいドアを開けて部屋の中を見ると、キャンパスで1人も見かけなかった生徒が、その部屋に30人ほどいたのです。

なんだか部屋中がザワザワしていて、いつもはニコニコ笑顔でムードメーカーの女の子が泣いていたり、明らかに焦った表情の生徒がいたりと異様な雰囲気の部屋の中。

一体これはどういう事なのか、偶然近くにいたクラスメイトに話を聞いてみると、なんと銃を持って発砲している男がキャンパス内に侵入しているというまさかの事態が起きているというじゃないですか!?

思わず「ドラマかよ!」と突っ込みたくなるような状況に驚きつつ、周りのシリアスな雰囲気にだんだん恐怖も感じてきました。

カオスな空間で泣きながら家族に電話している生徒も多く、焦って僕も日本にいる家族に連絡をしたのですが、家族からの誕生日を祝うメッセージに対しての返信が「銃を持った人がキャンパスに侵入してきた…ヤバい…」という噓みたいな本当の内容になったのです。

閉ざされた室内の中では、発砲男が今もキャンパス内にいるのか、何か被害が出てしまっているのかなど、最新の状況が何も分からず、全員ただただ待つしかない時間が続きます。
何度携帯で時間を見ても「まださっき見てから5分も経ってない…」というようなことを繰り返し、人生で一番時間の進みが遅く感じました。

それから1時間ほど経ち、極度の緊張とストレスから部屋のみんなの顔にも疲れが見え始めた頃、ようやく警察が部屋に入ってきて、犯人は2km離れたところで無事に逮捕されたとの報告が…!

心の底からホッとして少し放心状態のようになったのですが、その場にいたアメリカ人の生徒たちは一気にお祭り騒ぎのようにはしゃぎ始め、アメリカっぽいな~と感心したことを覚えています。

その後、事件の顛末を聞いたのですが、なんと犯人が発砲した理由が「家族と喧嘩してむしゃくしゃしたから」というとんでも無い理由でビックリ!
「そんなことで大学全体を巻き込むなよ!」と心の中でツッコミを言いながら、アメリカの銃社会の恐ろしさを知ったスリリングな20歳初日の思い出です。

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