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「カードが使えないから印鑑持ってきて」お金を下ろすのにも呼び出しがかかり <母の認知症介護日記>

  • 2024.1.28
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アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんと外出すると、ほぼトイレ行脚のような状態になるほど、数分おきにトイレへ行くように。トイレ自体はひとりで入れるので、自分のタイミングで行ってもらうようにしていたところ、食事中に店外のトイレに行ったはずが迷子になるという事件が発生……。今後はその都度付き添いが必要かもしれないと思い始めました。

ある日の通院時。院内に掲示されていた年末年始の休診の案内を見つけ、あーちゃんはメモを取りました。しかし、たった1分足らずでメモをしたのを忘れたのか、再度メモを取ろうとしました……。短期記憶障害を目の当たりにして、すぐにかかりつけ医に相談しましたが、薬の増量や認知症に関する正しい情報が書かれた冊子をもらっただけで、何も進展することはありませんでした。

当たり前のことができなくなる恐怖

先生も診察室もいつもと違うインフルエンザの予防接種。あーちゃんは明らかに動揺……。

名乗りもせず、突然看護師さんのもとへ……。けげんそうな顔をされてしまいました。

そんなあーちゃんをなんとか診察室へ誘導。

今日、打ったのが何の注射なのか理解できていないようでした……。

お年寄りの中には、キャッシュカードに暗証番号を書いてしまう人もいると聞いたことがあります。

そんな人本当にいるのかと思っていたら……身近にいました(夫)。

あーちゃんはお金を下ろすたびに暗証番号を忘れ、ヘルプの電話がかってくることも。

暗証番号をカードに書くわけにはいかないので、お金を下ろすのも付き添わないと……。

糖尿病の持病があるあーちゃんは、毎週木曜日にインスリン注射を打つために通院しています。インフルエンザの予防接種を受ける時期になり、できれば同じ日にしたかったのですが、予約が取れず別の日となってしまいました。いつもと同じ病院だけれど、診察室も先生も違う……。それが理解できなかったようで、あーちゃんは名前を呼ばれてもキョロキョロしていました。いつもと違うパターンには、もう対応できなくなってしまったみたいです。

さらに、これまでに数えきれないほどやってきたであろう「キャッシュカードでお金を下ろす」というのも、暗証番号が覚えられずに失敗するように。何度も間違った暗証番号を入力してしまい、ロックがかかってカードが使えなくなるという状況も経験しました。確認してみると、まったく使ったことのない暗証番号を入力していたり、桁数が足りていなかったり……。そのたびに、「印鑑持ってきて」と大騒ぎ。カードに暗証番号を書くわけにもいかないので、お金を下ろすときは付き添うようにします。

暗証番号は何十年も使っているもので、脳で覚えられていなくても体が覚えていてくれそうな気もしますが、どうしてわからなくなってしまうのか……。まあ、それが認知症だと言われればそれまでですが。こうして、昨日までできていたことも突然できなくなっていくのかと思うと、心配でたまりません。

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日常生活を送る上で欠かせないことを忘れていくのは、近くで見守る身としてはとても心配ですよね。急にお金を下ろしたいときも出てくるとなれば、そこに毎回付き添うのも大変そうです。そんなときはどうするのか、早めに家族で話し合っておくとよさそうですね。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

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著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ

ベビーカレンダー/シニアカレンダー編集室

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