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勉強が全てじゃない! 子どもの隠れた才能を見つける「MI理論」とは

  • 2016.1.31
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【ママからのご相談】

子どもにはしっかり勉強して大学に進学し、安定した暮らしをしてほしいと思っていました。

しかし、最近の不況や若者の就職難、離職や高学歴ニートの話などのニュースを見ていると、勉強だけではだめなのかと不安になります。

子どもには勉強ができるだけではなく、それ以外の長所も伸ばしてほしいですし、それを見つけて伸ばすのが親の役割だと今は思っています。

そのためには、どんな風に子どもを見たらいいでしょうか?

●A. “どのくらい賢いか”ではなく“どんな賢さか”を見ましょう。

ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。

相談者さんのおっしゃるとおり、勉強はもちろん大切ですが、それ以外の長所を見つけ伸ばすことも、教育のひとつの目的といえるのではないでしょうか。

受験戦争が加熱する昨今。

しかしその一方で、勉強はもちろん大切だけれども、勉強以外の部分でも、子どもの隠れた才能を見つけて伸ばしたいと考える親御さんも増えてきているように思います。

そこで今回は、お子さんの才能を見つけるために参考になるMI(マルチプル・インテリジェンス)理論 についてご紹介します。

●マルチプル・インテリジェンス理論とは

マルチプル・インテリジェンス理論とは、ハーバード大学のハワード・ガードナーが提唱した理論です。

“どのくらい賢いか”ではなく、“どんな賢さを持っているか? ”という考え方に基づき、人は複数の知能を組み合わせているというものです。

8つの知能とは、以下の通りです。

(1)言語的知能……話し言葉、書き言葉への感受性、言語学習など、言葉をあやつるための能力

(2)論理・数学的知能……問題を論理的に分析したり、数学的に分解したり、数学的な操作をする能力

(3)空間的知能……空間のパターンを認識して操作する能力

(4)音楽的知能……リズムや音程の識別、音楽演奏や作曲の能力

(5)対人的知能……他人の意図や気持ちを理解して他人とうまくやっていく能力

(6)内省的知能……自分自身を理解し、自分自身を管理したり自分を統制する能力

(7)身体運動的知能……体全体や身体部位を創造のために使う能力

(8)博物的知能……自然や人工物の種類を識別する能力

人はこれらすべての知能を併せ持っています。

しかし、その組み合わせ方や、得意不得意などの能力の強弱は人によって異なります 。

当然ながら、親子でも異なるでしょう。

ガードナーは、学校での勉強はこのうち言語的知能と論理数学的知能を上げ、測ることに偏っていると問題提起しています。

当然ながら、社会に出たときに重要なのは言語的能力と数学的知能だけではありませんし、学校の勉強が苦手だった人が大成功を収めることもあります。

相談者さんのおっしゃるとおり、その他の能力がその子の個性となり、強みとなることがあるはずです。

ぜひ一度、この“8つの知能 ”の視点からお子さんを見てみてください。

「落ち着きがない」という個性は、身体的知能が高いことのあらわれかもしれません。

「口数が少ない、人見知り」のような欠点に見えることも、「内省的知能が高いのかも」と考えれば、短所ではなく才能、能力として捉えることができます。

そうすれば、この子にはこれが得意だとか、こんな才能があるかもしれないと、今まで見えなかった才能が見えてきます。

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すべての人が、違った賢さを持っています。

少し視点を変えて、お子さんの才能や良さにぜひ気づいていただければと思います。

【参考文献】

・『脳科学を活かした授業をつくる 子どもが生き生きと学ぶために』本田恵子・著

・『多元的知能の世界 MI理論の活用と可能性』ハワード・ガードナー(著)

●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)

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