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バスで「私は足をケガしているので譲れません!」猛抗議した若い女性 → しかし、降りた瞬間!?

  • 2024.1.26
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バスや電車で、立っていられないほど具合が悪くて座席に座っていたのに、目の前にお年寄りや体の不自由な人がいて気まずい思いをしたという人もいるのではないでしょうか。見た目だけではわからないため、他の人に譲るように言われることもありますよね。今回は私が目撃した、バスの座席トラブルのお話です。

画像: バスで「私は足をケガしているので譲れません!」猛抗議した若い女性 → しかし、降りた瞬間!?

混雑したバスの中で

ある日私がバスに乗り込むと、車内はそこそこ混雑していて、立っている人も数人いました。

結構なお年寄りも立っていて、バスが揺れる度にふらついていたため、「あぶないな、誰か席を譲ってあげたらいいのに」と思って座席を見ると、座っているのもほとんどお年寄り。
「これは誰も譲れないか……」
仕方ない、と思いながら、立っているお年寄りがふらついてもこけないようにせめて近くで支えてあげようと思い、バスが信号待ちの間にお年寄りの横に移動しようと思っていました。

「あなた、若いんだから席を譲りなさいよ!」
突然女性の声が、バスの中に響き渡りました。それはお年寄りの近くに立っていた中年女性の声でした。

よく見るとお年寄りの前には若い女性が堂々と座っていて、中年女性はその若い女性に向けてそう言ったのです。

若い女性の言い分

「いいんです、私はすぐ降りますから……」
お年寄りはそう言ったものの、中年女性は止まりません。
「だって転んだら危ないでしょ、譲ってもらいましょうよ」
「ほんとに大丈夫です」
その2人のやりとりを、座っている若い女性はスマホをいじりながら聞き流しています。
「ちょっとあなた、聞いてるの!?」
中年女性が若い女性に言うと、その女性はスマホから顔も上げずに答えました。
「私、足を怪我してるんで無理なんです。包帯かギプスでもしてなきゃわかんないでしょうけど、見た目で判断するのやめてもらえますか?」
そう言われてしまうと何も言えなくなったのか、中年女性は黙り込みました。

「私はもう降りますからこちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
他の方が譲ってくれたため、立っていたお年寄りは無事に座ることができました。

バスを降りてから……

そのうちにバスは私の目的のバス停に着きました。
「よっこらしょ……」
座っていた若い女性も、足をかばうようにゆっくりと立ち上がりました。

足を怪我しているのは本当なんだなと思い、足をひきずりながら出口へ向かうその女性の後ろから、ついていく形でバスを降りました。

「え、えええ!?」
私は目を疑いました。

なぜならバスを降りるまで足を引きずっていた女性が、バスを降りるなり軽快に走り出し、そのまま信号を渡って行ったからです。

「足を怪我してるなんて、ウソだったんだ……」
私はぽかんとして、小走りで去って行くその後ろ姿を見つめていました。

足を怪我しているふりをしてまで、席に座りたかったのでしょうか。私には全くわかりません。

もちろん、見た目は若くて元気そうな人でも実は怪我をしていたり、具合が悪かったりすることもあります。全てが彼女のような人であるとは言えませんが、とてもびっくりしてしまいました。

非常にモヤモヤする出来事ですが、自分ならどうするかを考えさせられた一件でした。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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