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カードローンの6つのメリット 銀行系、消費者金融系、スマホローン……どう違う?

  • 2024.1.26

急な出費でお金が必要になった時、一時的にお金を借りられる「カードローン」は便利なサービスです。カードローンの特徴は、スピーディーにお金を借りられることや、(住宅ローンなどと違って)何に使ってもいいことなどです。ただ、借りやすく便利だからこそ、カードローンを使うなら注意すべき点もあります。

■カードローンはキャッシング、フリーローンとどう違うの?

カードローンに申し込もう、使おうと考えている人が比べるのが、「キャッシング」や「フリーローン」です。

●カードローンは何に使っても自由

カードローンは、銀行や消費者金融などが取り扱っている個人向けの融資サービスで、その特徴の一つは、借りたお金を使う目的が限定されていないことです。この点、借りたお金の使い道が決まっている住宅ローンやマイカーローンなど“目的別ローン”とは異なります。

カードローンの仕組みは、契約の利用限度額の中で、契約者が必要な時に、必要な分だけ借りるというものです。ほかの一般的なローンでは、追加でお金を借りる際、別途申し込みをする必要がありますが、カードローンなら、契約期間内、利用限度額ないなら、繰り返し借り入れできます。

カードローンを使うにはまず、必要書類を提出して契約する必要があります。契約にも審査が必要で、これに通ればカードが発行されます(最近はカードが発行されないローンもあります)。

お金を借りるには、提携の銀行・コンビニATMや無人機、スマホなどで申し込みます。ATMで申し込んだ場合は、そのままATMでお金を引き出して使います。銀行口座に振り込みされるサービスもあるので、この場合もATMでお金を引き出したり、そのままネットショッピングなどに使ったりできます。

カードローンの魅力の一つが、融資までの早さで、申し込みから借り入れまで、最短で申し込み当日に借りられます。

●キャッシングとの違いは?カードローンもその一種ではあるが……

キャッシングとは、お金が借りられるサービスのことなので、カードローンもキャッシングの一つではありますが、一般にキャッシングというと、クレジットカードの利用者がお金を借りられるサービス、クレカのキャッシング機能のことを指します。

カードローンとクレジットカードのキャッシングを比べると、金利や利用限度額などに多少異なり、一般的には、カードローンのほうが利用限度額が高く、金利は低く設定されていることが多いようです。

●フリーローンとの違いは発行している企業

フリーローンとは、“フリー”とついていることからも分かるように、お金の使い道に制限のない(自由な)個人向けのローンです。カードローンとの違いは、カードローンが銀行や消費者金融、信販・クレジットカード会社が提供しているのに対し、フリーローンは主に、銀行が提供しているサービスだという点です。

また、借り入れできる回数や審査にも違いがあります。フリーローンは、一度の契約で、一回だけしかお金を借りられません。再度お金を借りるには、改めて申し込んで審査を受ける必要がありますし、以前お金を借りたことがある銀行に申し込んだ場合でも、審査や融資までにかかる時間が短くなるわけではありません。

これに対してカードローンは、利用限度額の範囲内であれば、いつでも何度でも借り入れができますし、追加で借りる時に審査を受けなくて済みます。

■カードローンは大別すると4種類「銀行系」「信販系」「消費者金融系」「スマホローン」

カードローンはサービスを提供している企業の種別などで大まかに4つに分けられます。分類方法はいくつかありますが、ここでは「銀行系カードローン」「信販・クレジット系カードローン」「消費者金融系カードローン」「スマホローン」に分けて紹介します。

●銀行系カードローン メガバンクやネット銀行

銀行系カードローンは、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行などのメガバンクのほか、PayPay銀行や楽天銀行などのネット銀行などが提供しています。

銀行系カードローンの金利は、一般的に1.0〜15.0%前後と幅広く、カードローンの中では低めに借りられる場合があります。借りる人の信用度が高かったり、銀行の他のサービスを使っていたりすると、低い金利で借りられる傾向にあります。

銀行の他のサービスとしては、たとえば住宅ローンなどが挙げられ、こうしたサービスを利用している顧客であれば、特別金利にしてくれることがあるわけです。

また、銀行系のカードローンの中には最大1,000万円まで借りられるところもあるため、ある程度まとまった金額を借りたい人に向いているでしょう。

ただし、消費者金融系カードローンと比べると、カード発行までに時間がかかるため(1営業日〜数営業日など)、お金を受け取るまでに時間がかかります。

●信販・クレジット系カードローン クレカ会社などが提供

信販・クレジット系カードローンは、信販・クレジットカード会社が提供しているサービスで、たとえば三井住友カードの「三井住友カード カードローン」やオリックス・クレジットの「オリックスマネー」などがあります。

銀行系カードローンとの違いはあまりなく、提供しているのが信販会社やクレジットカード会社というだけで、サービス内容についての大きな差異はないと考えて差し支えないでしょう。銀行系カードローンと同じく、カードローンの中で金利は低めなことが多いようです。

●消費者金融系カードローン 無人機などでおなじみの大手

消費者金融系カードローンは、無人契約機を設置した店舗を街中のビルやロードサイドなどで見る「アコム」「プロミス」「アイフル」「レイク」などがあります。大手の中には銀行の系列(子会社など)になっているところが多く、アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社ですし、プロミスは三井住友銀行グループ、レイクはSBI新生銀行グループの系列です。

消費者金融系カードローンの特徴は、銀行系カードローンなどと比べて融資までが比較的早く、申し込みからカードの発行、契約までその日のうちにでき、最短即日でお金を借りられることなどがあります。

ただし、銀行系カードローンや信販・クレジット系カードローンと比べると金利は高い傾向にあり、一般的には3.0〜18.0%ほどで、利用限度額も最大800万円程度のところが多いようです。

●スマホローン カードが発行されないローン

最近は、カードローンとはいうもののカードが発行されず、申し込みや借り入れがスマートフォンで完結する「スマホローン」も登場しています。

スマホローンには、たとえばNTTドコモの「dスマホローン」や「LINEポケットマネー」などがあります。スマホで完結するのが特徴で、借りたお金をdスマホローンならd払い残高で受け取ることができるなど、キャッシュレス決済と連携したサービスもあります。こうしたカードレスのローンサービスは消費者金融系の企業も提供しています。

スマホローンの特徴は、スマートフォンだけで契約から入金、返済まで手続きできる便利さなどがありますが、利用限度額が最大300万円程度と比較的低く設定されているところが多く、少額の借り入れに向いていると言えそうです。

■カードローン6つのメリット

カードローンには、借入金の使い道を問われないこと以外にも、いくつものメリットがあります。主なメリットとして、次の6つ挙げられます。

●メリット1 担保や保証人が要らない

ローンの中には、担保や保証人が必要なものがありますが、ほとんどのカードローンは、担保や保証人の設定が必要ありません。

担保とは、借入金の返済ができなくなった時の返済にあてるために、お金を貸した側(債権者)に提供しておく不動産や有価証券などです。保証人とは、お金を借りた債務者が借入金を返済できなくなった時、代わりに返済の義務を負う人です。

担保や保証人を見つけたり、設定したりするには手間や時間がかかりますが、カードローンではこれらが不要なことが多いです。

●メリット2 借りたお金は使い道が自由

既に述べたとおり、住宅ローンやマイカーローンなどではお金の使い道が決まっていますが、カードローンは原則として借入金を自由に使えます。

たとえば、旅行やレジャー資金、冠婚葬祭費用、入院費用、家具や家電の買い替え費用など、急にお金が必要になった時、さまざまな用途に使えます。

ただし注意点として、事業のための資金としては使えないカードローンが多いことは覚えておきましょう。

●メリット3 利用限度額の範囲内なら何度でも借りられる

カードローンの特徴には、契約時に設定した利用限度額の範囲内なら、何度でも借り入れができる点もあります。

たとえば、利用限度額が100万円なら、「10万円ずつを10回」「20万円ずつを5回」のように、利用者が借り方を自由に決められます。また、一度利用限度額まで借りても、お金を返せば、その分、新たに借りられます。

さらに、利用限度額を超えなければ、追加で借りるのに新たな審査は必要ありませんので、自身の支出計画に合わせて手軽にお金が借りられます。

●メリット4 時間や場所を問わず借り入れや返済ができる

カードローンは一般的に、カードローンを提供している金融機関のATMやコンビニなどの提携ATMなどで借り入れ・返済できます。コンビニに設置されているATMと提携しているなら24時間使えます(メンテナンス時間など例外もある)。

こうした点は、緊急で現金が必要になった時などにありがたいと言えるでしょう。

●メリット5 キャッシングと比べて利用限度額が大きく金利が低い

カードローンは、クレジットカードのキャッシングなどと比べると利用限度額が高く、金利は低く設定されています。

カードローンの中には、銀行系カードローンや信販・クレジット系カードローンなど、借入額が増えるほど金利が低くなるところも多くあります。

●メリット6 「残高スライド方式」が多く、計画的に返しやすい

多くのカードローンの返済方法で採用されている残高スライド方式は、月々の返済額が借入残高に応じて変動(スライド)するもので、これのメリットは、返済額が明確になり、計画的に返済しやすいことです。「今月はいくら返せばいいか分からない」と混乱することが起きにくいでしょう。

■カードローンに申し込む際の注意点、注目すべきポイント

このようにメリットの多いカードローンですが、注意すべき点もあります。

●会社の種類や利用限度額によって金利が異なる

カードローンは、カードローン会社の種類によって金利に違いがありますので、よく比べましょう。一般的な傾向として、銀行系カードローンや信販・クレジット系カードローンは金利が低めで、消費者金融系カードローンは金利が高めと言われています。

特に、長い期間借りたい、またはまとまった金額を借りたいなら、金利が低めの銀行系カードローンや信販・クレジット系カードローンのほうがよいかもしれません。長い期間または大きな金額を借りるほうが、利息の金額は当然、大きくなります。

また、利用限度額によって適用される金利が異なるローンもあります。たとえば、40万円借りる場合でも、利用限度額が100万円で契約する場合と200万円で契約する場合では、適用される金利が異なります。一般に、利用限度額が多い200万円のほうが金利は低くなると考えられます。

カードローン会社の種類だけでなく、利用限度額をどのくらいにする予定なのかも考え、各社の金利を比べるとよいでしょう。

●融資までの早さもサービスや会社によって異なる

カードローンは、カードローン会社の種類やサービス、額などによって融資までにかかる時間に違いがありますので、急いでお金が必要な場合は、どのくらいで契約・融資してもらえるかも比べましょう。

早いところでは、銀行系カードローンや信販・クレジット系カードローンなどが、最短で当日中に審査結果が出ることもあります。一方で、カードが届くまでに時間がかかり、お金を受け取れるまでには1週間ほどかかることもあります。

消費者金融系カードローンは融資までは比較的早いとされていて、新規に申し込んだ場合でも審査は最短約30分、融資を受けるまでに最短で1時間ほどという商品もあります。

ただし、スピーディーに借りられるサービスは金利が高めなこともあるので、「いつまでに借りたいか」「金利をどのくらいに抑えたいか」を考えて選びましょう。

●返済方法によって毎月の返済額も異なる

多くのカードローンでは、返済方法として「残高スライド方式」が採用されていますが、中にはあらかじめ決めた固定額を返済するなど、カードローンの返済方法は商品によって異なり、返済方法によって毎月の返済額は変わります。

検討しているカードローンがどの返済方法なのか確かめ、事前に計算・シミュレーションしておくとよいでしょう。

■カードローンを申し込むには?その方法

カードローンの申し込みに必要なものと、申し込みの大まかな流れを確かめておきましょう。

ただし、カードローン会社によって必要書類や流れは多少異なりますので、実際にカードローンを申し込む際は、申し込みたい会社・サービスのウェブサイトなどで詳細をよく確かめましょう。

●カードローンの申し込みに必要なもの・書類

1 金融機関の通帳やキャッシュカード
2 年収を証明する書類
3 本人確認書類

●1 「金融機関の通帳やキャッシュカード」を手元に用意

まず「金融機関の通帳やキャッシュカード」を手元に用意しましょう。カードローンで借りたお金の入金や返済に銀行口座を使うことがあるからです。金融機関の通帳やキャッシュカードを用意し、口座名義や支店名、口座番号などが分かるようにしておきましょう。

●2 「年収を証明する書類」は借入希望額が大きい場合などに必要

「年収(収入)を証明する書類」はいつも必ず必要というわけではありませんが、「借入希望枠が50万円を超える場合」「借入希望枠と他の貸金業者も含めた借入残高の合計が100万円を超える場合」には必要です。

年収を証明する書類としては、次のようなものがあります。提出するのは原本ではなく、コピーや撮影した画像です。

・給与明細書(直近2ヵ月分、会社などで取得)
・源泉徴収票(同上)
・確定申告書
・青色申告決算書
・納税通知書(税務署で取れる)
・所得証明書(役所で取れる)
・年金通知書(年金事務所などで取れる) など

いずれの書類も原則として、最新年度や直近の書類を用意しましょう。

なお、収入のない専業主婦(主夫)が申し込む場合、配偶者の所得を証明する書類や同意書が必要になることもあります。

●3 「本人確認書類」は顔写真付きのものを

「本人確認書類」として使えるのは、以下の書類で、基本的に、運転免許証など“顔写真のある書類”が望ましいです。提出するのはコピーまたは撮影した画像です。

・運転免許証
・マイナンバーカード
・パスポート
・健康保険証
・住民票
・公共料金の領収書(電気、ガス、水道、電話、NHKのいずれか一つ)
・在留カード
・特別永住者証明書 など

もし顔写真入りの書類がない場合、カードローン会社によっては、2種類以上の書類を提出することが求められます。また、年収証明書類と同じように、原則的に最新や直近のものが必要です。

●申し込みの流れ

カードローンの大まかな申し込みの流れは、以下の通りで「申し込み・書類提出・審査・契約」と進みます。

1 申し込み ウェブ、電話、無人契約機などで可能

カードローンの申し込み方法はいろいろあり、たいていWeb(パソコンやスマートフォン)、窓口、電話、FAX、ローン契約機などでできます。

電話の場合、24時間受付・即融資という会社もあります。申し込みの際は、ほとんどの会社で金融機関の口座設定まで行います。

2 必要書類の提出 画像のアップロードでOK

申し込み手続きを終え、カードローン会社から手続き完了の通知が届いたら、案内に沿って本人確認書類や年収証明書類などを提出します。

書類を提出するには、郵送やFAXで送る方法もありますが、パソコンやスマートフォンから画像をアップロードするほうが簡単でしょう。

3 審査 在籍確認があるローンも

必要書類を提出すると、カードローン会社は申し込み内容と書類、申込者の信用情報をもとに審査を行います。審査の結果は、電話やメールで伝えられます。

カードローンによっては、申告した勤務先に実際に在籍しているか、電話確認を行うケースもあります。

4 契約 カードが届かなくても借りられるサービスも

審査に通るとローン契約機でローンカードが発行されたり、郵送で送られたりして、カードローンが使えるようになります。最近では、カードが届く前に借り入れられるサービスもあります。

なお、カードレスタイプのスマホローンなどの場合、カードは届かず、アプリや電話で借り入れを申し込みます。

■カードローンは上手く使えば家計の助けに

カードローンにはメリットとして、担保や保証人が要らず、どんな使い道でも借りられるといったことがあります。冠婚葬祭や入院、子供の学校関係など、現金が急に必要になった時にすぐ借りられるため、上手に活用すれば家計の助けになるでしょう。

ただし、カードローンは目的別ローンと比べると金利が高めですし、利用限度額までは何度も借り入れできることから、使いすぎてしまう可能性もあります。緊急の出費に一時的に利用するものとして、“どう返すか”(返せるか)を考えて使いましょう。

文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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