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日本代表がインドネシア戦で見せた「ポケットの攻略」 気になった「守備の連動性」

  • 2024.1.26
日本代表がインドネシア戦で見せた「ポケットの攻略」 気になった「守備の連動性」
日本代表がインドネシア戦で見せた「ポケットの攻略」 気になった「守備の連動性」

Text by 隈崎碧

AFCアジアカップ2023は24日にグループリーグ第3節が行われ、グループDの日本代表はインドネシア代表と対戦。3−1で勝利を収めグループ2位通過を決めた。インドネシアは3位となり、他のグループの3位の結果次第で突破となる。

日本は前半6分、上田綺世のPKで先制。後半7分には堂安律のクロスから再び上田が決め相手を突き放す。さらに試合終盤には上田のシュートからオウンゴールでダメ押し。ロスタイムに1点返されるも勝利を収めた。

インドネシアを翻弄した「ポケットの攻略」

この日の日本は、前半からアグレッシブなサッカーを展開。インドネシアのディフェンス陣を脅かしていた。

その中で攻撃面で光っていたのはポケットの使い方だ。序盤のPK獲得シーンも上田がポケットに入り込み、ボールをうまく隠してファウルを誘発した。

後半7分の得点も、冨安健洋のワンタッチパスを受けた堂安が中村敬斗に出し、回り込んでポケットに入り込み再びボールを受けた堂安からの折り返しによって生まれたゴールだった。

得点には結び付かなかったが、前半35分のシーンでは久保建英のロブパスからポケットに走り込んだ毎熊晟矢が折り返し、中村がシュートを放つという場面があった。綺麗な崩しから生まれたこのチャンスは惜しくもポストに阻まれたものの、インドネシアの守備陣を翻弄する良い攻撃だった。

日本は森保一監督のもとでサイドを多用するサッカーを展開してきたが、目立っていたのは伊東純也や三笘薫らの個人技であった。イラク戦でも伊東がスピードを生かして中に切り込んでクロスを上げるシーンはあったが、ポケットのところをうまく使えず苦戦していた。

だが、インドネシア戦ではパスを細かく繋ぎポケットへ侵入していくという動きが多く見られた。この日の攻撃陣は試合を通してイラク戦の反省がしっかりと生かされており、日本の攻撃に新たな可能性を見出したと感じられた。

また、この試合では攻守の切り替えの速さとハイプレスも目立った。

23分のシーンでは上田へのボールがカットされ、逆サイドに展開されたボールのところに堂安が素早くプレスバック。毎熊も加勢して相手を挟み、高い位置でボールを奪取して久保のシュートチャンスのきっかけを作った。

インドネシアが繋いでいく姿勢を見せれば、上田や久保、旗手怜央らが猛プレス。ロングキックを蹴らせて町田浩樹と冨安に処理させるプレーが多く、ビルドアップを許さず攻撃の芽を早期に潰すプレスは効果的だった。

課題はやはり3試合全てで失点の守備

ただ、やはり否めないのが失点の多さだ。この試合も後半アディショナルタイムにロングスローからサンディ・ウォルシュにゴールを許している。

この失点の要因はマークがあやふやだったことと南野拓実のクリアがやや中途半端になってしまったことだ。得点を決めたウォルシュには町田が付いていたがボール処理のためにマークを外してしまい、流れたところの対応に行けず佐野海舟のカバーも間に合わず、鈴木彩艶もシュートを止めきれなかった。

これでグループステージ3試合全てで失点。ノックアウトステージでは1失点が命取りとなるため、早急にセットプレーの守備の改善を図るべきだ。

少し気になったのが、自陣での守備の連動性である。その例として前半30分のシーンが挙げられる。

左サイドで12番のプラタマ・アルハンがボールを持った際、2番のヤコブ・サユリと7番のマルセリーノ・フェルディナンの2人がボールを受けるために動いていた。

アルハンのところには堂安が中を切りながらアプローチ。サユリのところは毎熊が徹底マークしていた。最初中央にいたフェルディナンは遠藤がチェックしていたが、サイドにボールが流れた時に遠藤が少しボールにアプローチ。それによって完全にフリーになったフェルディナンがダイアゴナルランで裏に抜けてボールをもらい、ポケットに侵入されるという場面があった。

このような場面のコミュニケーションと守備のポジショニングは決勝トーナメントまでに改善が必要である。

次戦は中6日での開催。ここからは負ければ敗退するノックアウトステージのため、日本が十分な準備を行ったうえで勝ち上がることを期待したい。

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