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大人が意外と分からない「78の2乗」→暗算できる?

  • 2024.3.4
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同じ数字を2回かけ算することは「2乗の計算」となります。

1桁の数であれば九九で計算できますが、2桁の2乗の計算はどうでしょうか。

今回は「2桁の2乗の計算」を、慣れてくると暗算でも可能な計算方法を紹介します。

問題

次の計算をしなさい。
78²

「78×78」の計算ですね。まずは自分自身で計算をしてみてください。

多くの方は、筆算をするのではないでしょうか。

 

 

解説

答えは、「6084」です。

ここでは、通常の筆算の計算ではない方法で答えを求めます。この方法は「2桁の2乗の計算」全てで使うことができます。

ポイントは片方の数の1の位を0にして、計算式を簡素化することです。

【手順1】
「78×78」なので、片方の一の位をもう一方の数へ渡す。
・78→70
・78→78+8=86

【手順2】
手順1の2つの数をかけ算する。
86×70=6020

【手順3】
元の数の一の位同士をかけ算する。
8×8=64

【手順4】
手順2、手順3の数を合わせると答え。
6020+64=6084

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いかがでしょうか。慣れてしまえば、紙に書いて筆算の計算をするより早く答えが出せるようになります。

数学的な証明

この計算が成り立つ理由を数学的な証明で確認しておきましょう。

「2桁の2乗のかけ算」なので、十の位をa、一の位をbとすると、元の数は「10a+b」と表すことができます。

問題の計算は、(10a+b)²ということになります。これは中学校で学習する展開公式より以下のように計算できます。

(10a+b)²=100a²+20ab+b²

今回紹介した計算方法では、手順1で、一方の一の位の数をもう一方へ渡しています。
これは、(10a+b)+b=10a+2bという計算です。

手順2のかけ算は、(10a+2b)×10a=100a²+20ab

手順3では、一の位同士のかけ算なので、b×b=b²

最後にそれらを合わせて100a²+20ab+b²となり、展開公式と同様の結果が得られました。

まとめ

この計算方法は、初めて知ったときは難しく感じるかもしれません。しかし、何度か練習をやって慣れてくれば、暗算でもできるようになります。

通常の筆算の計算と使い分けることで、計算を早く、正確にできるようになるはずです!

 

※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」