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大人が意外と悩む「グレー部分の面積は?」発想の転換がコツ

  • 2024.2.28
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面積を求める問題の中でも、単純な三角形、四角形、円のように、公式を当てはめるだけで求められる問題であれば、簡単に解くことができるのではないでしょうか。

しかし、公式を使って簡単解いても、なぜその式で回答が出るのか原理が理解できていないと意味がありません。

今回は、そのような問題に挑戦してみましょう。

問題

下図の色がついた部分の面積を求めなさい。

(円周率は3.14として計算すること。正方形の内部の曲線は、円の一部である)

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この図形は試験でも出題されることが多く、「葉っぱの形」や「レンズの形」と呼ばれることもあります。

この問題を解くポイントは、「不要な部分の面積を求める」ことになります。

解説

今回の問題の答えは「57cm²」。公式は「半径×半径×0.57」(この問題なら、10×10×0.57)

次に、答えを出すための計算式を見ていきましょう。

求めなければいけないのは「色がついた部分」ですが、「色がついていない部分(白い部分)」の面積も計算します。

「白い部分」は2ヶ所あり、この2つは同じ形をしているのがポイントです。

1つを塗りつぶすと、「正方形の中におうぎ形」が出てきて、白い部分は正方形からおうぎ形を引いた面積になります。

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上図のように見ると、白い部分は、正方形からおうぎ形を引いた面積であることがわかります。

つまり、以下のような計算となります。

(白い部分の面積)
=(正方形)ー(おうぎ形)
=10×10 ー 10×10×3.14÷4
=100 ー 78.5
=21.5cm²

※おうぎ形は、円の面積の1/4です。

これは「白い部分の面積」が1つ分です。

元の図形では、2ヶ所あるので、正方形から引いてしまいましょう。

(求める面積(葉っぱの形))
=(正方形) ー (白い部分)×2
=100 ー 21.5×2
=100 ー 43
=57

したがって、今回の問題の答えは「57cm²」です。

この図形の面積は必ず「正方形の0.57倍」となるため、「半径×半径×0.57」が成立します。

まとめ

色がついた部分を求めるという問題でしたが、逆に色がついていない部分を求めることによって問題を解くことができました。

このような発想ができるようになると、算数・数学はさらに楽しくなるはずです!

 

※解き方は複数ある場合がございます。


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」