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大人が意外とわからない算数「3の倍数はどれ?」《12345、23456、34567》

  • 2024.2.16
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「倍数」は小学校で習いますが、その後の算数・数学の学習をする上で、大事な考えの1つです。

例えば、その数が何の倍数なのかが分かれば、素因数分解はとても簡単になります。

1桁や2桁程度の数であれば、倍数を考えるのも難しくありませんが、数が大きくなるとどうでしょうか。

今回は、簡単に3の倍数を見分ける方法を学びましょう。

問題

次の中から3の倍数を見つけなさい。
A. 12345
B. 23456
C. 34567

いずれも5桁の数です。地道に3の倍数を探すのであれば「÷3」の計算をして、割り切れるかどうかを確かめなければいけません。

しかし、地道にわり算をしていくのは、少し大変そうですね。どのようにすれば、3の倍数を見つけることができるのでしょうか。

 

さて、今回の問題の答えは「A. 12345」です。
(12345÷3=4115と割り切れます)

解説

3の倍数というのは、実は簡単なたし算をするだけで見分けることが可能です。

以下が「3の倍数の判定法」です。

 3の倍数の判定法
各桁の数の和が3の倍数のとき、元の数も3の倍数である

実際に計算をしてみましょう。

「A. 12345」が3の倍数かどうかを確認します。

各桁の数の和というのは、1+2+3+4+5という計算のことです。これは15になりますね。そして15が3の倍数というのは簡単に分かります。各桁の数の和が3の倍数なので、元の数である12345も3の倍数です。

他の数も確認しましょう。

「B. 23456」は、2+3+4+5+6=20となり、20は3の倍数ではありません。よって、23456は3の倍数ではありません。

「C. 34567」は、3+4+5+6+7=25となり、25は3の倍数ではありません。よって、34567は3の倍数ではありません。

如何でしょうか。とても簡単な計算で、3の倍数かどうかの確認ができますね。

ちなみに、9の倍数もまったく同じ手順で確認することが可能です。(各桁の数の和が9の倍数のとき、元の数も9の倍数である)

数学的な証明

以下では、今回の計算が成り立つ数学的な証明をしています。興味がある方は、ぜひ数式で確認をしてみください。
(今回は3桁の数の場合で証明しています)

元の数の
一の位をa、
十の位をb、
百の位をc、
とすると、その数は

a+10b+100cと表すことができる。

このとき
a+10b+100c
=a+(b+9b)+(c+99c)
=a+b+c+(9b+99c)
=(a+b+c)+3(3b+33c)
と式変形ができる。
3(3b+33c)は3で割り切ることができるので、(a+b+c)が3の倍数ならば、元の数は3の倍数である。

まとめ

倍数の判定というのは、知っていると計算が楽になりますね。

今回紹介したのは、3の倍数でしたが、他の倍数にも判定法があるので、興味のある方は調べてみては如何でしょうか!?

 

※解き方は複数ある場合がございます。


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」