前の文と後の文をつなぐ役目を持つ接続詞。そのひとつとしてよく用いられる「ですので」という言葉は、会議や打ち合わせ、または上司への報告などで使っている方も多いと思います。しかし会話の中で自然に使いがちな便利なフレーズである反面、実は間違って使っている可能性があるのをご存じでしょうか。
そこで今回は秘書として働いていた経験のある筆者が、「ですので」の意味や正しい使い方、ビジネスシーンで使う際の注意点をご紹介。ぜひこの機会に使い方を見直してみてくださいね。
「ですので」の意味
「ですので」は、前の文と後の文をつなぐ役目を持つ「接続詞」であり、「なので」を丁寧にした表現です。
自分が話す内容の原因や理由を述べる際に用いられる表現である「だから」と同様の意味を持ち、主に会話などの口語的な表現で使われる言葉です。とても使いやすい表現ですが、ビジネスシーンなど、目上の相手とのコミュニケーションで使う際は、注意が必要な言葉でもあります。
どんなところに注意する?
「ですので」はあくまで接続詞としての役割を持つ言葉なので、文頭で使うことは避けましょう。文や語句を結ぶために会話の間で使うのが適しています。また話し言葉としてのフレーズなので、ビジネスでの正式な書類などで使うのもNGです。
具体的に「ですので」をどのように使うのか、例文でも見ていきましょう。
- 天候が悪いようですので、足元にお気をつけてお越しください。
- 定休日ですので、明日以降にお越しください。
- この先は立ち入り禁止ですので、お引き取りください。
ビジネスシーンに限らず、さまざまなシーンで使用できる言葉なので、ぜひ例文を参考に使ってみてくださいね。
「ですので」を言い換えるとしたら…
フォーマルな場面や相手によっては、使えない言葉なので、状況や相手に応じて対応できるように「ですので」の言い換え表現も確認しておきましょう。よく使われるのは以下の4つです。
- したがって
例文)今回は弊社の従業員の確認ミスが原因です。したがって、この損害は弊社で負担させていただきます。 - そのため
例文)明日は新商品の展示会があります。そのため、本日は会場準備があります。 - ゆえに
例文)彼を信頼していたがゆえに、今回のミスは残念でした。 - つきまして
例文)資料を郵送いたします。つきましては、ご査収のほど宜しくお願い申し上げます。
正しく覚えて、コミュニケーションを円滑に
ビジネスシーンでは誰もが耳にしたことがある言葉ですが、「意外と知らない注意点があった」と感じた方もいたのではないでしょうか。特に、書類や履歴書などを書く際には注意してみてくださいね。正しい言葉づかいができれば、相手との信頼関係を築くこともできますのでしっかりと理解をしておきましょう。
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※シーンなどによってマナーが異なる場合があります。
ライター:能美黎子(のうみれいこ/ @reikonohmi)
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行っている。