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「部下の妻は上司の妻に絶対服従」引っ越し早々、目をつけられた私。要望はエスカレートし…

  • 2024.1.25

結婚式を終え、私は新居となる夫の社宅に引っ越してきました。社宅といってもファミリー向けの広々としたマンション。「ここが私たちの愛の巣になるのか」などと想像を膨らませながら、せっせと荷物を片付けていたとき、ある女性がわが家にやってきて……。

引っ越し早々でやってきたのは…

夫が飲み物を買いにコンビニへ出かけたとき。ひとり残った私が自宅で片づけをしていると、玄関のチャイムが鳴りました。扉の外には派手な女性がひとり。

その人は、開口一番「あなた、新しくきた社員の奥さんね。私、タカハシと申します。夫は部長、つまりあなたのご主人の上司。おわかり?」と言いました。なんと夫の上司の奥さんがやってきたのです。慌てて挨拶をしようと、私が「はじめまして。いつも夫がお世話になっております。どうぞよろしくお願いしま……」と言いかけると……タカハシさんの妻は不機嫌そうな様子で「ちょっとあなた、何をぼんやりしているの? 上司の妻を玄関先に立たせておくつもり?」と……。

引っ越し直後で家の中が片づいていないため、逆にお通しするのも失礼かと思っていたのですが、私が口を開く前に彼女は上がり込んでしまいました。

社宅妻の心得!?

「この社宅にいらした奥さんには、毎回私が社宅妻の心得を教えて差し上げているの」と、私が何とか段ボール箱から探し当てたお茶を飲みながら、タカハシ夫人は語ります。たしかにここは社宅ですが、「社宅妻の心得」なんてあるのでしょうか……。私が困惑していると、彼女は封筒から1枚の紙を取り出して話し始めました。

「ひとつ、社内の上下関係が社宅内の上下関係と心得るべし。ふたつ、部下の妻は上司の妻に絶対服従。みっつ、部下妻はいつでも上司妻の命令に従い、上司妻が快適に生活できるよう努力すべし」――。

どうやら、この社宅では部下の妻=私は、上司の妻=タカハシ夫人に逆らってはいけないようです。お茶を飲み終わってサッと帰っていった彼女を見送り、私はどっぷり疲れを感じ、今後に不安を覚えてしまいました。

しかし、引っ越しでクタクタの夫に余計な心配はかけたくありません。夫人とその「社宅妻の心得」についてはひとまず伏せつつ、帰宅した夫にそれとなく聞いてみることにしました。すると、タカハシ部長は厳しいことで有名なんだとか。私が彼女に逆らったら部長にも話が届き、夫の仕事にも影響が出るかもしれないと私はゾッとしてしまって……。

夫のためには夫人に従うしかない……。私は入居したての楽しい気分が消えていくのを感じました。

理不尽な要求の連続

その翌週、引っ越しの片付けも終わり、ようやく普通の日常が始まったころ。私は、マンションの入り口ですれ違いざまにタカハシ夫人に問い詰められてしまいました。

「あなた、今日どうしてウチのゴミを取りにこなかったの? 部下の妻は上司の家を回ってゴミを受け取り、ゴミ捨て場まで運ぶのが常識でしょ!?」と、タカハシ婦人は激怒。

そんなルールがあるなんて知りませんでしたし、とても理不尽な要求です。ただ、私はグッと怒りをこらえました。妻が何か断ったせいで夫が会社で嫌がらせをされるようになったら大変だと思ったからです。

さらに彼女は他にも数々の命令をしてくるようになりました。「醤油を買ってこい」「クリーニングを取りに行け」など。始めは小さな雑用ばかりだったため、「仕方がない」と言うことを聞いていたのですがどんどんと彼女の要求はエスカレート。私は家事と仕事の合間を縫って彼女のために動くようになっていました。

夫にすべてをぶちまける

そうこうするうちに、タカハシ夫人からとんでもないメッセージが届きました。

「来月から娘が塾に通うから、アナタの車で送迎をするように」と。

なんとビックリ、私に断りもなく勝手に自分の娘の塾の送迎を決めていたのです。わが家の都合などはもちろんお構いなしです。

これには私の我慢も限界に。「もうこんな生活うんざり! 引っ越ししよう!」と、私は夫にこれまでタカハシ夫人にされてきたすべてをぶちまけました。

しかし夫は不思議そうな顔をしています。「え? おかしいよ。だってタカハシ部長は……」。そして、夫が口にしたのはとても衝撃的なことでした。

真実が発覚→傲慢夫人の末路

数日後、マンションの下でタカハシ夫人と遭遇した私と夫。彼女は相変わらず横柄な態度で「ちょうどいいわ。今から出かけるから車を出して」と言います。そんな夫人に、夫は冷静に答えました。「ご主人は先月で退職されてもう部長じゃないですよね。ちなみに社宅も月末で退去予定と伺っていますが」と。

そう、先日夫から聞かされた話では、タカハシ部長はすでに会社を退職済み。しかし夫人には本当に寝耳に水のようです。「は? 何を言っているの。夫は毎日会社に行っているし、この間も出張だって……」。

「ご実家の田舎で農業を始めるため準備されていたそうです。何もご存じないのですね」とため息をついた夫は話を続けます。「あなたは、部下の配偶者に理不尽な命令を連発していましたよね。時には金品を巻き上げようとしたこともあるとか。部長は責任を感じているようで……”妻とは離婚する”と言っていましたよ」。

夫の言葉を聞いた夫人はみるみる真っ青に。そして私には目もくれず、娘を引っ張ってエレベーターに乗っていきました。

その後、元部長と娘さんは引っ越し、傲慢夫人は姿を消しました。もちろん、「社宅妻の心得」などなくなり、私たちはこの社宅で快適に暮らせるように。他の奥様方は素敵な方ばかりで、夫の役職関係なくお付き合いできています!


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著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部/ムーンカレンダー編集室

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