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歳の市や羽子板市ってどんなもの? 意味や由来は?

  • 2024.1.24

【2024年1月24日更新】「歳の市(としのいち)」とは、12月中旬から下旬に寺社の門前や境内で催される縁日のこと。正月飾りから食品、日用品まで、正月準備の必需品を扱う露店が軒を連ね、買い物をする人々で賑わいます。なかでも特に有名なのは、毎年12月17〜19日に東京の浅草寺(せんそうじ)で開催される「羽子板市(はごいたいち)」でしょう。今回は歳の市や羽子板市について紹介します。

(C)yukihipo / Shutterstock.com

12月中旬〜下旬に催される「歳の市」。その由来や楽しみ方、特に有名な歳の市である「羽子板市」について、和文化研究家の三浦康子さんに教えてもらいました。

歳の市とは?

「歳の市」というと、最近ではデパートやスーパーなどが年末に行うセールを思い浮かべる人も多いでしょう。ですが、本来の歳の市は、12月中旬から下旬に寺社の境内や門前で催される縁日のこと。門松やしめ縄などの正月飾り、乾物といった食品から日用品まで、たくさんの露店が並んで、正月支度の必需品がそろいます。

昔から、寺社では「市(いち)」を定期的に開催していましたが、12月の市は年内最後ということで「歳の市」と呼ばれるようになりました。

現在でも、全国各地の寺社で行われる歳の市は、買い物客で賑わい、年末の風物詩となっています。お住まいの近くの寺社で歳の市を開催していたら、ぜひ足を運んでみてください。何かを買う予定がなかったとしても、その賑わいを体感するだけで、十分楽しめますよ。

有名な歳の市は浅草の「羽子板市」!

(C)yukihipo / Shutterstock.com

歳の市で特に規模が大きくて有名なのは、東京の浅草寺の「羽子板市」。江戸末期頃から、浅草寺の歳の市に正月の縁起物である羽子板が加わり、主要な品になったことから、羽子板市と呼ばれるようになりました。羽子板市は、毎年12月17〜19日の3日間。なかでも18日は「納めの観音」と呼ばれる観音様の縁日で、多くの参詣客で賑わいます。

羽子板が縁起物なのはなぜ?

羽子板には、「遊び用」と「飾る用」がありますが、どちらも縁起物です。

伝統的なお正月の遊び、「羽根つき」で使うのは遊び用の羽子板です。羽根つきの羽根についた黒い玉は、「むくろじ」という大木の種。漢字では「無患子」と書き、「子どもに患いが無いように」という無病息災の願いが込められています。お正月に羽つきをすると、その年の厄払い、魔除けができるとされています。

飾るほうは、役者や舞妓などの絵柄に押し絵細工を施した羽子板です。厄除けや魔除けになるとされていて、女の子の初正月に、健やかな成長を願って羽子板を贈る風習も。無病息災や家内安全のみならず、景気をはね上げる商売繁盛の縁起物として店に飾られることもあります。

日用品を新調してお正月を迎えよう

歳の市では縁起物の他に、まな板や包丁、箸、下着、歯ブラシなどの日用品も売られています。それは、お正月に日用品を新調することが「お清め」を意味しているから。現在では、壊れたり使えなくなったりしたとき、新製品が出たときなどにものを新調することが多くなってきていますが、タオル、下着、歯ブラシなどの生活雑貨は年越しのタイミングで新調するのがおすすめ。清々しい気分で新年を迎えられますよ。

監修:三浦康子

和文化研究家。日本の文化を今に生かす方法をさまざまなメディアで提案。「行事育」提唱者。著書に『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)他多数。

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