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『ゲームさんぽ』と行く、東京ゲームショウ2023さんぽ

  • 2024.1.24
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東京ゲームショウ2023_会場の様子
東京ゲームショウ2023 メインビジュアル
1996年に『東京ゲームショウ'96』として開催され、2023年で33回目を数える。開催から2日間はビジネスデイでゲーム業界、報道、流通関係者のみの公開。残り2日間は、一般公開日となっている。来場者はコスプレが認められており、仮装したファンで盛り上がりを見せる。2023年のキャッチフレーズは、「ゲームが動く、世界が変わる」。来場者数は約24万人を記録した。

2023年9月21日、4年ぶりの通常開催となった『東京ゲームショウ(TGS)』初日。会場の幕張メッセは、ゲートのオープンを待ちわびたゲーム業界関係者の熱と、どうやら故障?と思われる空調のおかげで、ただならぬ熱気を帯びていた。

ナビゲーターは、YouTubeチャンネル『ゲームさんぽ/よそ見』ディレクターの飯田直人さん。ブルータス編集部のスタッフとともに“TGS2023さんぽ”がスタートした。まずは、会場全体が見渡せる中央エスカレーターを下り、改めてこのイベントの規模を実感する。

「全館利用は4年ぶりですから、どのブースも活気がありますね」と話しながら早速動画用のカメラを回す飯田さん。お馴染みの大手ゲームメーカーのサインボードが次々に目に飛び込んできて気持ちが高まる。左回りに散歩しようと決め、早速サイバーパンク ライフシム『Nivalis』と『鉄拳8』の試遊を。

Cyberpunk Life Sim 『NIVALIS』

東京ゲームショウ2023 Cyberpunk Life Sim『NIVALIS』ブース
TGSで1軒目に訪れたのは、サイバーパンクの未来都市を舞台にした生活シミュレーションゲーム『NIVALIS』。そのブースで記念撮影する『ゲームさんぽ/よそ見』ディレクターの飯田直人さん。
東京ゲームショウ2023 Cyberpunk Life Sim『NIVALIS』ブース
飯田さん試遊中。「お店の経営では近隣の店主たちとの関係値が重要とのこと。リアルでいいですね(笑)」。
東京ゲームショウ2023 Cyberpunk Life Sim『NIVALIS』非売品キャップ
ギフトでもらった非売品のキャップ。取材スタッフ全員が喜び、早速みんなで被って移動するほどのお気に入りに。なお、ゲームの発売は2024年予定。

TEKKEN 8

東京ゲームショウ2023 『東京ゲームショウ2023 Cyberpunk Life Sim『NIVALIS』ブース』ブース
バンダイナムコエンターテインメントの対戦格闘ゲーム『鉄拳8』のブース。キャラクターにパンダが参戦し、注目度も高い。2024年1月26日発売予定。
東京ゲームショウ2023 『東京ゲームショウ2023 Cyberpunk Life Sim『NIVALIS』ブース』ブース
飯田さんと編集部員の対戦。飯田さんの勝利。

Nivalisはサイバーパンクな世界での生活感をじっくり味わえるとあって、飯田さんも食い入るようにプレイ。何やら企画が思いついた様子?少し歩いて、新製品の《XREAL Air 2 Pro》を体験してみる。こちらは、手元のデバイスをARグラスに接続してそれを掛けることで、寝転びながらでも大画面映像を楽しめるゲーミングギア。

「グラスの重さを感じるものの、将来的に、ゲーム以外にも役立つシーンがありそうですね」と飯田さん。ひときわ賑やかな盛り上がりを見せていたのが、スクウェア・エニックスの『FF Ⅶ』の特設ブース。国内外のファンたちが我先にと試遊を楽しんでいた。

XREAL

東京ゲームショウ2023『XREAL』ブース
ウェアラブルディスプレイの世界観を提案し、世界のベストセラーARグラスを手がける〈XREAL〉。
東京ゲームショウ2023『XREAL』ブース
こちらでは、新作のXREAL Air 2 ProとNintendo Switchを接続してゲームをプレイした。ARグラスでは文字通り、自分の目の前にゲーム画面が広がるので、没入感がすごい。もちろんゲームだけでなく、映画や動画などのコンテンツも同様に楽しめる。ARの進化という意味でも貴重な体験だった。
『ゲームさんぽ/よそ見』ディレクター・飯田直人
また、ソファに座ったり転がったりと自由な姿勢で遊べるのも魅力だ。

SQUARE ENIX

東京ゲームショウ2023『スクウェア・エニックス』ブース
スクウェア・エニックスでは、『FFⅦ REBIRTH』の試遊体験を用意。その数なんと100台。一般公開日には、お笑い芸人でゲーム好きの狩野英孝さんらをスペシャルゲストに迎えリアルプレイもお披露目した。なお、ゲームの発売は2024年2月29日予定。
東京ゲームショウ2023『スクウェア・エニックス』ブース
ちなみに、こちらの作品は、幅2,496mm×奥行き1,888mm×高さ約3mの大作。レゴブロックを使った作品を手がける高橋秀人さんが設計1ヵ月、組み立て期間約半年をかけて作ったという。
『ゲームさんぽ/よそ見』ディレクター・飯田直人
レゴで制作された『FF XIV』のクリスタリウムの町の造形を動画用に撮影する飯田さん。
東京ゲームショウ2023『スクウェア・エニックス』ブース
大画面に映し出されたティザー動画に、多くのファンが釘づけに。

ゲームを取り巻く環境の広さを知る

この日一番の行列は、中国・上海のゲームメーカーHoYoverse。新作の『ゼンレスゾーンゼロ』の試遊待ちと、『原神』のスタンプラリーなどの参加者でお祭り状態だ。それを横目に、韓国企業のアグレッシブな売り込みに飯田さんも思わずタジタジ。そんな彼が興味を示したのが、横須賀市ブース。eスポーツの聖地としてアピールするために初出展したという。

HoYoverse

東京ゲームショウ2023『HoYoverse』ブース
HoYoverseのブースでは、正式リリース前の『ゼンレスゾーンゼロ』の試遊待ちの長蛇の列と、『原神』などの大量のグッズをもらう人々で溢れていた。キャラに扮したオフィシャルのコスプレイヤーの方々も熱気に包まれて大変そう。
東京ゲームショウ2023『HoYoverse』ブース
配布されていたゲームアクセスブックは、ポップに描かれたアメコミ風のイラストがお洒落。

KOREA PAVILION

東京ゲームショウ2023『KOREA PAVILION』ブース
韓国の有望ゲーム開発会社25社を集結させたパビリオン。韓国コンテンツ振興院が主導し、K-POPに続けといわんばかりの熱量だ。
東京ゲームショウ2023『KOREA PAVILION』ブース
AR式室内運動プラットフォームを展開するDIDIMの試遊。遊びながら体を動かせるのが楽しい。
UBIソフト広報・アリアン
UBIソフト広報のアリアンさん!

周りにも、仙台市や佐賀県など、地方自治体によるブースが目につく。改めて、ゲームを取り巻く環境は、実はとても広いことを実感したそう。相変わらずの暑さと格闘しながら、会場で配られていたエナドリを飲み干す。ランチタイムといきたいところだが、幕張メッセのレストランは大行列でどこも満員。気持ちを入れ替えてインディーゲームの販売会社PLAYISMのブースへ。ここでは、飯田さんが注目していた『カニノケンカ・二』の試遊がある。

「今日はこれを試遊しに来たと言っても過言ではありません」と飯田さん。試遊に満足しブラブラ歩き回っていると、ほかのブースと毛色の違う場所を発見。空港のラウンジ的な雰囲気を醸し出している。尋ねてみると、Xsollaという、世界中でゲームを販売するための金融債務業務を代行する企業だという。いわゆるBtoBサービスを提供するブースもあるのには驚いた。

YOKOSUKA CITY

東京ゲームショウ2023『横須賀市』ブース
横須賀市は、横須賀市eスポーツ協会を立ち上げ、プロジェクトの一環として高校生が対象の大会を毎年開催している。

PLAYISM

東京ゲームショウ2023『PLAYISM』ブース
インディーゲームの開発や販売などのサポートをするPLAYISMは、アクティブゲーミングメディアが運営するパブリッシングブランド。
東京ゲームショウ2023『PLAYISM』ブース
ちなみに画面では、タスマニアオオザリガニ対クマドリオウギガニのバトルが始まろうとしている。
東京ゲームショウ2023『PLAYISM』ブース
飯田さんが試遊を熱望して注いた『カニノケンカ・二』もこちらのブースに。

TGSはビジネスの場でもあるということ。そして日本の未来のゲーム文化を担っている、「日本ゲーム大賞U18部門」のコーナーにも目を惹かれた。18歳以下のクリエイターが作った作品が展示され試遊できる。世界観がはっきりしているものや独創的なキャラ設定など、注目すべきところは多い。

別会場にて開催され、文化祭的に盛り上がっているのが、インディーゲームエリア。中でもアメリカから来日した2人組のクリエイターには話しかけずにいられなかった。ハンバーガーを主役にした『BURGER IMPACT:SOLAR STRIKE』を売り込んでおり、突拍子もないゲーム性に惹かれ飯田さんもプレイ。「よくわかんないですけど、勢いだけはすごい。昨日の夜にホテルでボス戦を仕上げたそうです(笑)」

U-18 JAPAN GAME AWARDS

東京ゲームショウ2023『U-18 JAPAN GAME AWARDS』ブース
高校生を含む18歳以下のクリエイターがプログラムしたゲームが展示され試遊できるブース。
東京ゲームショウ2023『U-18 JAPAN GAME AWARDS』ブース
未来のゲームクリエイターを育成するべく、さまざまなゲームに関する高校や専門学校などのブースも出展している。

INDIE GAME AREA

東京ゲームショウ2023『INDIE GAME AREA』
宇宙ファストフード族の「バーガー君」が、フレンチフライちゃんを助けるというストーリー。Steamで早期アクセスプレイが可能だ。
東京ゲームショウ2023『INDIE GAME AREA』
24Frame, INC.からリリースされている『METAL DOGS』は、メタルマックスの30周年スピンオフ作品。戦闘犬ポチを主役にしたシューティングアクションゲームで、Steam、Nintendo Switch、PS4で遊べる。
東京ゲームショウ2023『INDIE GAME AREA』
スイスのOneira Gamesが開発中のアドベンチャーゲーム『Echo of the Waves』。水彩画のような独特の世界観と音楽がこれまでにない没入感を誘う。
NEO FUTURE LABS
アクションゲームの『BURGER IMPACT:SOLAR STRIKE』を引っ提げ来日したNEO FUTURE LABSの2人と。

そして意外にもこぢんまりとした印象だったのが、VRコーナー。

「発展途上の分野ですが、VR技術に特化した大作が制作されたら、さらに面白いものになるでしょうね」と飯田さんは、VRの進化にも期待を寄せる。一同は体力が持つ限りの取材を終え出口へ。帰り際に改めて会場を見渡すと、ゲーム市場のパワーをまざまざと感じた。

VR AREA

東京ゲームショウ2023『VR AREA』
フィグニーが開発中のVR和風ホラーゲームを体験中。
東京ゲームショウ2023『VR AREA』
大型VR機器のKATWALKは、プレート上でVRゴーグルを装着し、体が固定された状態でプレイする。VR空間を歩き続ける体験ができる。2024年春に向けてフィットネスやヘルスケア用途を想定した、床が動くモデルも開発中だという。
東京ゲームショウ2023『VR AREA』
ゲーム内で受けたダメージを実際の体で体感することが可能な触覚デバイスを持つ、TactSuit X40とTactGloveも用いた体験コーナー。

「今年は、4年ぶりの通常開催でしたが、やっぱりここの熱量は半端ないですね。ゲーム業界は、将来性も伸び代も勢いもある分野なので、関わる人々の熱気がダイレクトに伝わってきました。外国人の数も多くて、改めてゲームのワールドワイドなエンタメ性の高さを感じましたね」と総括する飯田さん。

TGSさんぽでテンションの上がった彼は、ほとぼりを冷ますために帰路で濃厚なラーメンを一人すすったという。お疲れ様でした!

ラーメン
TGSの締めは濃厚ラーメン。
東京ゲームショウ2023 会場

取材当日の様子は、『ゲームさんぽ/よそ見』で公開中!

profile

『ゲームさんぽ/よそ見』ディレクター・飯田直人

飯田直人(『ゲームさんぽ/よそ見』ディレクター)

飯田さんが手がける『ゲームさんぽ』は、ゲームを通じて表現された世界を、現実に即した各分野の専門家とともに語り合う動画コンテンツ。

YouTube:@gamesampo_yosomi

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