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冬に咲く花木ウメを飾って楽しもう! ウメのアレンジを4タイプご紹介

  • 2024.1.23
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冷たく冴えた冬の空気に似合う、凛としたウメの花。冬から早春にかけては、花木の花が多く見頃を迎えます。フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんが今回ご紹介するのは、ウメを主役にしたアレンジ4タイプ。ほかの花と合わせたり、ジャグに入れたり…「和」のイメージもある枝ものを、もっとラフに気軽に使って、季節のアレンジを楽しんでみましょう!

冬を彩る花木たち

ウメ

冬から早春に咲く花には、ウメ、ロウバイ、ツバキ、サザンカ、ボケ、ハクモクレンなど、木に咲く花が多くあります。寒さの中できれいな花を咲かせて、私たちを楽しませてくれますね。

お正月、実家の裏庭のロウバイの花が満開で、辺りはとてもよい香りがしていました。優しい香りと透けるような黄色の花弁が、冷たい空気の中でとても映えていました。

ロウバイもウメも、小さな花がぽっぽっと開き、派手さはないかもしれませんが、よく見ると可愛らしい花木です。冬枯れた景色の中で、明るい色の花にほっとします。

ロウバイ
冬に咲くロウバイ。Jilin Su/Shutterstock.com

花木をメインにアレンジを

ウメ

花木を使ったアレンジは、和のイメージをお持ちになる方が多いでしょうか。「生け花」らしくしないといけないかなとか、どんな花と組み合わせたらいいかな、など、迷ってしまうかもしれませんね。

「生け花」で使われている花木は、本数が少なくても存在感があって、その立ち姿がとてもかっこいいです。そんな「生け花」はとても素敵なのですが、もっともっとラフに気軽に花木を楽しめたらいいですよね。

ウメのアレンジ

ガラスの器に活けたり、ジャグに入れたり、洋の花と合わせたり、私はいつもと同じようにアレンジします。冬から早春にかけての今の時期は、フラワーショップにも花木が豊富にありますから、どしどし花木を取り入れたアレンジを楽しみましょう。

古来親しまれてきたウメの花

ウメのアレンジ

ウメは、バラ科サクラ属の落葉高木です。品種がとても多く、1月から3月の早春に開花します。日本では、サクラと同じように広く親しまれている花木です。

ウメは奈良時代に中国から花木として渡来したとされ、万葉集の中でもウメを詠んだ歌がハギに次いで多いそうですよ。花見といえば今はサクラですが、その昔はウメが主役でした。今でも「梅まつり」を開催しているところはたくさんありますね。

タイプ別! ウメのアレンジ4選

ウメをメインにしたアレンジを4種類ご紹介します。

<ウメ+洋の花>

ウメのアレンジ

紅白のウメ、ロウバイ、ラナンキュラス、ハボタンを組み合わせました。

ウメのアレンジ

アレンジのポイントは、大きな器の中に、もう1つ小さな器を入れること。

大きな器には、花木と茎の太いハボタンを入れ、小さな器にはラナンキュラスを。こうして花材によって器を分けると、硬い枝と柔らかい茎が絡まず、華奢な花の茎が傷みません。さらに、花に合わせて水の量も調整できます。

【アレンジの手順】

  1. 大きな器の中に小さな器をセットして、それぞれに水を入れます。
    大きな器には水をたっぷりと。小さな器には水を少なめに入れます。
  2. 枝物を大きな器に入れます。
  3. ハボタンを大きな器に入れます。
  4. ラナンキュラスを小さな器に入れ、バランスを整えて出来上がり。
ウメのアレンジ

<ウメ+北欧の陶器の器>

ウメのアレンジ

ウメの枝を1種類だけでアレンジしました。紅白のウメを使って、枝ぶりのまま自由に活けます。

このアレンジに使った陶製の器は、ケーラーという北欧ブランドのもの。和のテイストにも洋のテイストにも、どちらにも似合う器です。

<ウメ+ガラスの器>

ウメのアレンジ

シンプルなガラスの器に、白梅だけをすっきりと活けました。枝が絡まないように入れていくのがコツです。

ガラスの透明感と白い花が、寒々とした冬の雰囲気を増しています。

<ウメ+ジャグ>

ウメのアレンジ

ジャグのようなカジュアルな器もいいですね。ウメにウグイスならぬ、ウメにブルーティット(アオガラ)のジャグで、可愛らしくまとめました。

アレンジに使った花は次の通り。

  • ウメ(白)
  • 薄紫のスイートピー
  • アリウム・コワニー
  • ゼラニウム
  • ラナンキュラス
  • オキザリスの葉
ウメのアレンジ

器の縁にくるよう花茎を短く切ったゼラニウム、オキザリスの葉をジャグに入れて、ウメの枝を入れます。アリウム・コワニー、スイートピーを、ウメの枝の間に入れて出来上がりです。

ウメをメインにしたアレンジを4種類ご紹介しました。和風なイメージの強い枝もののウメですが、器や合わせる花によって、ぐっとカジュアルな雰囲気になります。気軽にウメの花を楽しんでくださいね。

海外でも人気の「生け花」

ウメのアレンジ

私は、20年ほど前にハンガリーの首都ブダペストで暮らしていたことがあります。草月流の生け花を習い始めたのは、その当時。生け花の先生は、ブダペスト在住の日本の方で、生徒には私のような駐在中の日本人と、ちらほらと外国(私たち日本人から見て)の方がいました。

あるとき、大使館主催の日本文化を紹介するイベントで先生が草月流生け花を披露することになり、私もお手伝いをしたことがあります。現地のハンガリーの方はもちろん、駐在中のいろいろな国の方が参加されるイベントでしたが、首都ブダペストではなく、地方都市での開催。もしかしたら日本の「生け花」を初めて観たという方も多かったかもしれません。そんな中でも、先生は流暢なハンガリー語で説明をしながらデモンストレーションをし、観客のみなさんを魅了していました。

海外でも「生け花」に興味を持つ方が多いことに感心し、また嬉しく思いました。そして、異国で日本の文化を華麗に披露されている先生の姿は、とてもかっこよかったものです。私も日本人として、日本の生け花をしっかり習得しようと感じた思い出です。

Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。

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