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【上野】東京国立博物館 特集「博物館に初もうで 謹賀辰年―年の初めの龍づくし―」

  • 2024.1.22

謹賀辰(しん)年、2024年新春龍づくし

東京国立博物館 本館2階 特別1室で開催中の特集「博物館に初もうで 謹賀辰年―年の初めの龍づくし―」[2024年1月2日(火)~2024年1月28日(日)]で初もうでをしてきました。

中国の古代天文学に始まる十二支(じゅうにし)は、12年で1巡する年回りを示し、暦や方角、月日など東アジアの人々の生活になじみの深いものとなっています。

令和6年、2024年は十二支獣の5番目「辰年」。龍にあやかり天高く飛翔する年になるように博物館で龍づくしの初もうでです。

※本館2階展示室内では、撮影の注意事項に従い、係員の指示に従い撮影してください。

 

出典:リビング東京Web

東京国立博物館

龍のめでたい書画を愛でる

重要文化財《五龍図巻(ごりゅうずかん)》、《龍虎図屏風(りゅうこずびょうぶ)》

雲を呼び、雨を降らせる超自然的なパワーを持つ龍。 天空の一角から湧き上がる黒雲とともに姿をあらわす5匹の龍。重文《五龍図巻》(伝陳容(ちんよう)筆)(手前)。

13世紀、中国・南宋時代の水墨画です。作者と伝わる陳容は、水墨の龍を得意としたそうです。

対する日本の龍は、曽我直庵(そがちょくあん)筆、《龍虎図屏風》。虎と対峙し鋭い爪を見せ、ぎょろりとこちらを睨む龍。17世紀、安土桃山~江戸時代の豪壮で迫力ある龍虎図です。

 

出典:リビング東京Web

手前から、重要文化財 五龍図巻 伝陳容筆 中国 南宋時代・13世紀、龍虎図屏風 曽我直庵筆 安土桃山~江戸時代・17世紀 全て東京国立博物館蔵

皇帝の龍・楷書四字軸《龍飛鳳舞(りょうひほうぶ)》、天皇の龍《龍虎二大字(りゅうこにだいじ)》

黒々と濃い墨で堂々とした力強い筆致の楷書四字軸《龍飛鳳舞》。中国・清時代の皇帝・康熙帝(こうきてい)の筆になるものです。

瑞獣(ずいじゅう)とされた龍は皇帝の権威の象徴でした。太くがっしりした字体は飛翔する龍というより、玉座に座る皇帝の姿のよう。

 

出典:リビング東京Web

楷書四字軸 龍飛鳳舞 康熙帝筆 中国 清時代・康熙25年(1686) 高島菊次郎氏寄贈 東京国立博物館蔵

能書帝とも言われた後陽成天皇(ごようぜいてんのう)筆《龍虎二大字》(左)。雄大な龍の字の右の大きな払いが勢いを感じさせ、緩急をつけた運筆は自在に舞う龍の姿のようです。金銀泥の下絵とともに安土桃山時代の豪華さを感じさせる書です。

右は、佐藤一斎筆《甲辰元旦試筆(こうしんがんたんしひつ)》。「試筆」とは書初めのことだそうです。

右下は、狩野栄信画・成島司直筆の《芝園臥龍梅記並詩歌(しえんがりょうばいきならびにしいか)》。梅の木の枝ぶりを臥龍に見立てています。

 

出典:リビング東京Web

左から、龍虎二大字 後陽成天皇筆 安土桃山~江戸時代・16~17世紀 太田松子氏寄贈、甲辰元旦試筆 佐藤一斎筆 江戸時代・天保15年(1844) 河田燕氏寄贈、芝園臥龍梅記並詩歌 狩野栄信画・成島司直筆 江戸時代・文化11年(1814) 全て東京国立博物館蔵

細工は流流(龍龍)、重要文化財《龍濤螺鈿稜花盆(りゅうとうらでんりょうかぼん)》、《梨地水龍瑞雲文蒔絵宝剣(なしじすいりゅうずいうんもんまきえほうけん)》

中国、元時代・14世紀の重文《龍濤螺鈿稜花盆》(左)。龍の鱗(うろこ)1枚1枚は、色の異なる貝片で表現された螺鈿細工の超絶技巧。 見る角度でキラキラと色が変わる鱗が、火炎宝珠を見据えて波と雲の上で自在に飛翔する龍に躍動感を与えています。

右は、《梨地水龍瑞雲文蒔絵宝剣》。宝剣の刀装具に施された金細工の龍は、肉眼では見るのが難しいミクロの世界の職人技です。

 

出典:リビング東京Web

左から、重要文化財 龍濤螺鈿稜花盆 中国 元時代・14世紀、梨地水龍瑞雲文蒔絵宝剣 金具:加納夏雄作 明治6年(1873) 全て東京国立博物館蔵

 

出典:リビング東京Web

梨地水龍瑞雲文蒔絵宝剣(部分) 金具:加納夏雄作 明治6年(1873) 東京国立博物館蔵

筋骨隆隆(龍龍)・今年の主役、重要文化財《十二神将立像(辰神)(じゅうにしんしょうりゅうぞう しんしん)》

逆立つ頭髪に龍の飾りの兜。右足を踏み出し、ギュッと眉を寄せて睨みをきかせ、右手で柄を握りしめ太刀を抜かんと構える瞬間の姿。鎌倉時代(かまくらじだい)初期の運慶(うんけい)の作風に通じるとされる重文《十二神将立像(辰神)》(右)。

本像の辰神含む十二神将像は、もとは京都・浄瑠璃寺(じょうるりじ)に伝来。明治期に寺を離れ、辰神と巳神、未神、申神、戌神は、東京国立博物館所蔵に、他の神像は静嘉堂文庫美術館所蔵になったそうです。

がっしりした胴体、太く逞しい二の腕や、両脚。写実的で力強い辰神像は、運慶周辺の当代一流の仏師による作品と見られているそうです。 左下、辰神像の目線の先には《龍燈鬼立像(模造)》(左)が、今は動けないよ~と言いたげに、どこかユーモラスな表情で立ちつくします。

 

出典:リビング東京Web

右から、重要文化財 十二神将立像(辰神) 京都・浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀、龍燈鬼立像(模造) 森川杜園作 原品:奈良・興福寺所蔵 明治時代・19世紀 全て東京国立博物館蔵

龍の名品を探そう《龍頭観音像(りゅうずかんのんぞう)》

本館2階、特別1室の特集展示コーナー以外にも龍をモチーフにした名品優品がありました。

彩色が鮮やかな《龍頭観音像》。作者の佐藤朝山(さとうちょうざん)は、近代日本彫刻の父・高村光雲(たかむらこううん)の孫弟子だそうです。 飛鳥時代彫刻の傑作、法隆寺(ほうりゅうじ)の救世観音(くぜかんのん)をモデルにしたと言われています。 観音様を乗せた龍は、こころなしか晴れがましく嬉しそうに見えます。

本館展示室の龍に出会えた時は、2024年もよい年になりそうなラッキーな気分に。この機会に探してみてはいかがでしょう。

 

出典:リビング東京Web

佐藤朝山作 龍頭観音像 昭和時代・20世紀 木造、彩色 山田徳蔵氏寄贈 東京国立博物館蔵

刀剣ファン必見!国宝《太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)(さんじょう めいぶつ みかづきむねちか)》

本館13室、三条宗近(さんじょうむねちか)作刀の国宝《太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)》もお目見え。

宗近は、京・三条で作刀したことから三条小鍛冶(さんじょうこかじ)と称されたとか。伯耆安綱(ほうきやすつな)とともに日本刀成立期の名工と言われているそうです。 迷いのない冴えたきらめき。2024年1月2日~2024年3月3日まで展示。

 

出典:リビング東京Web

国宝 太刀(名物 三日月宗近) 三条宗近 平安時代・10~12世紀 渡邊誠一郎氏寄贈 東京国立博物館蔵

2024年、新春の博物館に初もうで龍づくしで飛翔の年に

古代中国で生まれたとされる龍ですが、前漢時代(BC3~AD1世紀)には“龍”の姿形は定まっていたとか。 仏教伝来とともにインド起源の蛇神ナーガも中国へ伝わり「龍(王)」と訳されたそうです。 大陸から朝鮮半島を経て日本へ伝わった龍は、水に関わる神様、龍神様として信仰を集め、神社仏閣の守護神として装飾に飾られることも。

その力強さや不思議なパワーにちなんで吉祥図様として、あるいは権威の象徴として作られた龍文の工芸品や絵画など龍づくしの特集展示です。

東京国立博物館 特集「博物館に初もうで 謹賀辰年―年の初めの龍づくし―」は1月28日(日)まで。 是非お出かけください。

ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズは、ゆるくて脱力系の龍文がカワイイ和手ぬぐい(1‚100円)、お正月のご馳走の後にさっぱりと「海苔茶漬」梅味(594円)、2024年の卓上カレンダー「縁起物」(990円)を購入。 素朴で味のある絵の卓上カレンダー「縁起物」の1月は富士山です。

 

出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ 東京国立博物館

〇東京国立博物館 URL:https://www.tnm.jp/ 住 所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9 アクセス:JR 上野駅公園口・鶯谷駅南口から徒歩10分、東京メトロ上野駅・根津駅、京成電鉄京成上野駅から徒歩15分 お問合せ:050-5541-8600 (ハローダイヤル) 開館時間:9時30分~17時 ※11月から総合文化展は毎週金・土曜日は夜19時まで ※入館は閉館の30分前まで 休 館 日:月曜日(祝・休日の場合は翌平日休館) 観 覧 料(総合文化展):一般 1,000 円/大学生 500 円 ※特別展は別料金になります。黒田記念館は無料です。 ※入館方法の詳細は東京国立博物館ウェブサイトをご確認ください。 ※高校生以下、および満18歳未満と満70 歳以上の方は総合文化展は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。 ※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障害者手帳などをご提示ください。 ※開館日・開館時間・展示作品・展示期間等、今後の諸事情により変更する場合があります。最新情報は、東京国立博物館ウェブサイト等でご確認ください。

〇特集「博物館に初もうで 謹賀辰年―年の初めの龍づくし―」 会期:2024年1月2日(火)~2024年1月28日(日) 会場:東京国立博物館 本館2階 特別1室 休館日:月曜日 観覧料:総合文化展の観覧料で観覧できます。

〇ミュージアムショップ 営業時間:博物館の開館時間に準ずる TEL:03-3822-0088

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