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海外から理解されにくい日本語の「食感」5選〜「ふわとろ」って何!?〜

  • 2024.1.22

【2024年1月20日更新】日本語は、食感を表す単語が実に豊富です。英語の味覚表現は77語、ドイツ語は105語、フランス語は226語なのに対し、日本語はなんと445語もあるそう(※1)。それだけ日本人は味にうるさく、表現にもこだわるということでしょうか。中でも英語に訳しにくい、日本語ならではの表現を5つ挙げてみました。

※1 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所/早川文代 博士調べ

ネバネバ

納豆や山芋、オクラのネバネバ。夏バテ気味の胃にもつるんと収まる美味しい食感です。

英語にするならstickyやslimyというところですが、どちらもネガティブなニュアンスが含まれます。stickyは、たとえば靴底に張り付いたガムのベトベト。slimyは、「スライム」というおもちゃもありましたが、あれのようなネチャネチャいや~な感触を表します。

日本語のネバネバが持つ「健康的で美味しい」という雰囲気までは訳すことができません。

ぷりぷり

海老やコンニャク、グミのぷりぷりも、英語には訳しにくい食感です。たとえば海老ならfresh「新鮮な」、コンニャクやグミならchewy「歯ごたえがある、弾力がある」というと、ニュアンスが伝わるかもしれません。

それでも、日本語の持つ「新鮮で水気があって、噛むとはね返してくるような弾力感。たまらなく美味しい!」という気分をまとめて一言で表すのは、英語では難しいでしょう。

ふわとろ

ふわっと柔らかく、口の中でとろける食感。ふわとろはオムライスやパンケーキ、フォンダンショコラなど洋風の食べ物を形容する際に使われる印象がありますが、英語に相当する語が思い浮かびません。比較的新しい日本語だからでしょうか。

英語にするなら、fluffy「ふわふわ」とgooey「とろとろ」、両方の単語を使うしかないでしょう。どちらもお菓子によく使う表現です。

くたくた

白菜やピーマン、ズッキーニなどの野菜をじっくり煮込むとき、「くたくたになるまで煮る」という表現をしますよね。そんな料理を「くたくた煮」ともいいます。「くたくた」と聞くだけで凝縮された野菜の旨味が舌の先に感じられ、食欲が湧いてきませんか。

英語でくたくたを表そうとしても、「煮込みすぎてふにゃふにゃになった」のようにネガティブな響きの単語しか見当たりません。overcooked「煮すぎた」、あるいはmushy「柔らかい」など。後者のmushyはおかゆやお豆などもともと粒感があったものがどろどろになった、というニュアンスがあるので、野菜に使うには違和感があります。

きめ細かい

「きめ細かい」とは、滑らかで細部まで整っている様子を表す食感。主に豆腐やカマボコに使います。これも、英語にはなかなかしにくい表現です。

英語では絹豆腐のことをそのままズバリsilken tofu「絹の豆腐」と表しますが、silkenでは「きめ細かい」ことを表すには物足りない感じ。そもそも豆腐にしか使えません。dense「密度の濃い」という単語も思い浮かびますが、それでも食べ物の美しさを表すには不十分な気がします。

日本語ならではともいえる5つの表現、いかがでしたでしょうか。

「ネバネバ」と聞いて美味しそうな納豆や山芋、オクラが頭に浮かべば、あなたは立派な日本人ということかもしれません。

[参考:テクスチャー(食感)を表す多彩な日本語]

[All photos by Shutterstock.com]

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