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「俺」をもっと見てくれ!エビ反りのオブジェが宙に浮くシュールなテンセグリティ構造が面白い

  • 2024.1.18

X(Twitter)に投稿された「エビ反りになった人のオブジェが浮かんでいる」ように見えるアート作品に、驚きの声が集まっている。

接触していないのに釣り合い浮かんでるように見えるオブジェ 出典:Togetterオリジナル

投稿したのは、普段から3Dプリンターで作ったご自身こと「俺」をモチーフにしたアート作品を手がけているMITSUKI(@mitsuki_fab)さん。

動画ではエビ反りになった2体の「俺」がS字型になるよう上下に配される様子が映っているのだが、上の一体は下の一体に接触することなく、なんと宙に浮いたまま固定されている。MITSUKIさんは動画とあわせて「俺のテンセグリティ」とコメントを残していた。

「テンセグリティ」とはテンセグリティ構造という、プラスチックなどのかたい材料と紐などの引っ張る材料を釣り合わせて作る構造のこと。プラスチック同士を接触させず、重力と紐の引っ張る力でバランスを取ることで、不安定に見える状態でも安定して静止できる構造になっている。

今回、MITSUKIさんが作った作品は紐の代わりに透明な釣り糸を使っているため、人のオブジェが浮かんでいるように見えたのだ。

見事にバランスを保った不思議な構造に対し、Xでは「このバランスはすごい!」「釣り糸が見えないから不思議感上がってる」といった声が上がっている。また「エビ反りの俺」というシュールなモチーフに対して「躍動感がすごい」「美術館で見たことある気がした」などアート性を高く評価する声もあった。

このアート作品を作った経緯や作り方などについてMITSUKIさんにお話を伺った。

いきなりうまくいった奇跡の作品

この作品を作った経緯を教えてください。

昨年(2023年)の夏頃、とあるアーティストの方とお知り合いになったことで、アート作品づくりに興味を持ってしまい、大人の夏休み自由研究として作品作りを始めました。
著作権、肖像権のまったく問題ない私自身の3Dスキャンデータをもとにデジタルファブリケーション(※1)を活用した自由研究として「アートと俺」というテーマにしました。
けん玉(おれ玉)やオスカー像(オレスカー像)などいろんなものをデジタルで俺に置き換えていく中で、偶然目に入ったテンセグリティ構造が面白くなりそうだったため目を付けました。
(※1)デジタルデータを元に創造物を制作する技術のこと
出典:Togetterオリジナル

この作品はどのようにして作られているのでしょうか?

3Dソフトでポーズを変更し、もっとも一般的なFFF方式(フィラメント溶解製法(※2))3DプリンタでPLA(Poly-Lactic Acid/ポリ乳酸)という素材で出力しております。
3Dプリンタは3万円ちょっとの低価格品ですし、釣り糸も100均のものなので材料費は数百円です。
(※2)熱可塑性樹脂のフィラメント材料を連続的に押し出すことで造形する3Dプリント技術
出典:Togetterオリジナル

この作品を作る際に苦労したことがあれば教えてください。

普段の作品づくりは失敗したり試行錯誤したりしていますが、特にバランスも必要なこの作品は絶対失敗するだろうと思っていました。
しかし意外にも試しで出した最初でうまくいってしまうという、今年最初の奇跡が起こった作品でした。
出典:Togetterオリジナル

著作権フリーという自分自身をモチーフにすることで、さまざまなアートを生み出しているMITSUKIさん。今後も「俺」アートから目が離せなさそうだ。

記事中の画像付きツイートは許諾を得て使用しています。

文:はゆんぼ 編集:Togetterオリジナル編集部

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