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2022年に1年間「休筆」した理由 湊かなえ

  • 2024.1.18
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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(1月11日放送)に小説家の湊かなえが出演。淡路島での生活について語った。

※画像はイメージです

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。1月8日(月)~1月12日(金)のゲストは小説家の湊かなえ。4日目は、淡路島での執筆活動について---

黒木)湊さんの小説『ブロードキャスト』は、放送部を舞台にした全国放送コンテストの高校生たちの熱血を描いたものですが、ご自身もラジオのパーソナリティを務めたことがあるそうですね?

湊)コロナ禍の2020~2022年まで、2年間やらせていただきました。

黒木)ラジオはいかがでしたか?

湊)「聴いている方との距離が近い媒体だな」と思います。短い文章を投稿してもらうコーナーや質問コーナーがあったのですが、ラジオという1つの媒体を経由しているというよりは、キャッチボールをしているような距離感だなと思いました。

黒木)『落日』の舞台挨拶のときもそばで聞いていましたが、端的に真髄をおっしゃるのですよね。本当にスピーチがお上手だなと思いました。

湊)舞台挨拶のときは作品を先に全話見せていただいたので、1人でも多くの人にこの素晴らしい仕上がりのドラマを観て欲しいと思い、「どう言ったら短い言葉のなかで伝わるかな」と裏で一生懸命考えていました。

黒木)スピーチのときも活字になさるのですか? それとも頭のなかで?

湊)「こういうことを言おう」という感じでした。

黒木)いまも淡路島にいらっしゃるそうですが、淡路島で書いているのですか?

湊)はい。1999年から淡路島に住み始めて、2000年に結婚し、2001年に長女が誕生しました。今年(2024年)でもう25年目ですね。

湊かなえ 撮影:干川 修
湊かなえ 撮影:干川 修

黒木)淡路島の生活はいかがですか?

湊)生まれたところが同じ瀬戸内の因島だったので、島での暮らしに慣れていて、特に不便だとも思いません。淡路島は食べものがすごく美味しいので、いいところに住んでいるなと思います。

黒木)小説家という職業柄、ほとんど執筆はお家ですよね?

湊)自宅です。

黒木)とてもいい環境のところで、複雑な人間模様を書いていらっしゃるわけですね。

湊)淡路島で書いているので、私の作品を読んだ方に「淡路島って怖いところなのかな?」と思われたら申し訳ないなと思っています。皆さん本当に穏やかでいい人たちばかりですよ。

黒木)毎日書いていると思いますが、2022年に1年間、休業なさっていますよね?

湊)1年休みが欲しいなと思っていて、スケジュールを調整し、2022年は1年ほど休ませていただきました。

黒木)何か思うところがあったのですか?

湊)デビュー作をたくさんの人に読んでいただけたので、その後5年分のスケジュールがすぐに埋まってしまいました。1つ書き終わると次の仕事が入ってくる形で、長距離を短距離のスピードで走っているようなイメージで書き続けてきました。

黒木)そうなのですね。

湊)それまでは自分が見たものや経験したことを広げていき、そこから抽出したものを物語として膨らませていったのですが、自分のなかから出ていくばかりで、「空っぽになっていく」と感じていたのです。あと1~2年は頑張れるとしても「10年は苦しいな」と思い、1度立ち止まって10年続けられるペースにつくり直すため、1年休ませていただきました。

黒木)その間はいろいろなことを見たり聞いたりしたのですか?

湊)ミュージカルが好きだったのですが、執筆が忙しくてなかなか行けなかったので、ミュージカルを観ました。ジャンルが違う物語に触れると「こういう見せ方があるんだ」、「小説だったらどうできるだろう?」と、もう小説を書きたい気分になっていました。

湊かなえ 撮影:干川 修
湊かなえ 撮影:干川 修

湊かなえ(みなと・かなえ)/小説家

■1973(昭和48)年、広島県生まれ。
■2007(平成19)年、「聖職者」で小説推理新人賞を受賞。
■2008年、「聖職者」を収録した『告白』が「週刊文春ミステリーベスト10」で国内部門第1位に選出され、2009年には本屋大賞を受賞した。
■2012年「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞短編部門、2016年『ユートピア』で山本周五郎賞を受賞。2018年『贖罪』がエドガー賞ベスト・ペーパーバック・オリジナル部門の候補となる。
■その他の著書に『Nのために』『母性』『高校入試』『絶唱』『リバース』『未来』『ブロードキャスト』『落日』『カケラ』『ドキュメント』『残照の頂』など。
■2023年12月13日、KADOKAWAから15周年記念書下ろし作品『人間標本』が出版。

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