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<奇妙な話>試験中に「どうしよう、頭が真っ白、、、!」緊張していると → 懐かしい香りが──!

  • 2024.1.15

緊張している時や不安な時に、好きな香りや懐かしい香りを嗅ぐことで気持ちが落ち着いたことはありませんか? 今回は私がかつて経験した、香りにまつわる不思議なお話をご紹介しましょう。

画像: ftnews.jp

大学受験の試験当日

当時私は高校3年生で、かねてから志望していた大学の入試をいくつか受験していました。

その日は第1志望の大学の試験の日でしたが、第1志望なので、絶対に受かりたいと思うとガチガチに緊張してしまい、前日からろくに睡眠もとれていない状態で試験に臨んでいました。

「あー、どうしよう。頭が真っ白!」
席に着き、問題と解答用紙を目の前にすると、緊張のあまり、今までコツコツと積み重ねてきた受験対策の内容が、頭の中からすっぽりと抜け落ちていくような気がしました。

「どうしよう、どうしよう……」
問題を読んでもまったく頭に入ってこず、私はパニックに陥った状態で、1問も解けないまま鉛筆を握りしめていました。

懐かしい香り

「ん?」
ふいに私の鼻孔に、どこかで嗅いだことのある懐かしい香りが漂ってきたのを感じました。

「この匂いは……」
くんくんと鼻をひくつかせて嗅いでみると、それは間違いなく、ある香水の香りでした。
「おばあちゃんの匂いだ……」
それは私が高校2年生の頃に亡くなった祖母がよくつけていた、有名ブランドの香水。

祖母は年齢を重ねてもオシャレ心を忘れず、香水が良く似合う、華やかで陽気な人でした。

私は祖母が大好きで、祖母の部屋に行くといつも、古びた鏡台の引き出しにしまってあるその香水の匂いを嗅いでいたことを思い出しました。

するとふいに緊張が解け、問題文がスーッと頭の中に入ってくるように。

「良かった……」
そこからはすらすらと鉛筆が動き、時間ぎりぎりにはなりましたが全部の問題を解くことができたのです。

家に帰ってみると

私は試験が終わるとすぐに自宅に戻り、祖母の部屋に駆け込みました。

「やっぱりこの匂いだ!」
今はもう誰も触れることのない祖母の鏡台の引き出しを開けると、中身がほんのわずかに残った香水の瓶があり、まるでさっき誰かが香水をつけたかのように鮮やかに香っていました。
「もしかして、励ましに来てくれたのかな」

あの試験会場で誰かが香水をつけていたのかもしれませんし、今となっては真相はわかりません。

しかし確かに私はあの時、祖母のつけていた香水の香りでリラックスして試験に臨むことができたのです。

結果的に第1志望の大学に受かり、私は今でもそれは祖母のおかげだったのではないかと感じています。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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