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新NISAを使わないと損って本当!?どう活用すればよい?今知りたい新NISAについてお伝えします!

  • 2024.1.15

いよいよ今年より新しくなったNISA。
「どういうところが変わって、どんなメリットがあるの?」
「今更聞きにくいけど、そもそもNISAってよくわからない…。」
今知りたい、新しいNISAについて、社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの田形正広さまにお話を伺いました。

今更だけど…そもそもNISAって何?

まず簡単に「NISAとは何か」ですが、私達が働いて給与を得る時に所得税が引かれるように、投資においても利益が出たら約20%の税金をひかれることになっています。
この引かれるはずの、税金がかからずに済む制度がNISAです。
そもそもNISAとはイギリスのISAという制度をお手本にして日本版にしたもので、NISAとは「日本版のISA」という意味です。
ISAは「individual Saving Account」 の略で日本語に訳せば、「個人のための貯蓄口座」となります。
イギリスで個人の貯蓄や投資を促進する目的で1999年に導入された税制優遇措置ですが、日本よりも貯蓄が下手だといわれるイギリスでもうまくいった制度ということでこれを日本が参考にしたのです。
NISAの日本語表記は「少額投資非課税制度」。
これは読んで字のとおり、少額の投資に関しては得た利益に対して非課税、本来ならば約20%の税金がかかるところ、これが「かかりませんよ」というおトクな制度です。

新NISAは何がどう変わるの?

勘違いされている方も多いのですが、NISAという金融商品があるわけではありません。
NISAという優遇制度の専用口座の中で、株や投資信託などの金融商品を買う場合にその儲け対しての税金がかからなくなるという制度です。
税金がかからないというおトクな制度なので、この非課税枠は無制限ではなく、上限が設定されています。
2014年から始まったNISAは、個別の株式投資をする場合の上限は年間120万円で5年間、投資による利益が非課税になるという制度でした。
加えて2018年からは「つみたてNISA」がはじまり、年間40万円を上限として、20年間、投資の利益に対する税金がかからない制度となっていました。
昨年までは一般のNISAとつみたてNISAはどちらかひとつを選んで活用する選択制の優遇制度でしたが、今年からの新NISAではこれが選択制ではなく、併用可能、つまりどっちも利用するということができるようになったのです。
しかも、非課税で投資できる上限額も大幅に引き上げられ、非課税となる期間も現状の5年や20年といった期間限定だったものがなんと「恒久化」されました。
今年開始の新NISAの非課税投資枠は総計で1,800万円となりましたが、「少額投資非課税制度」といいながらもはや「少額ではない」と感じる人も多いと思います。
「使いきれないほどの非課税枠」が用意されたと感じる人にとっては「一生涯投資の利益に対する税金がかからない」というまさに夢のような制度にパワーアップしたということになります。
以上説明したことを比較表にまとめると以下のようになります。

使わなきゃ損といわれるわけ

前段でご説明したとおり、今回のNISAの改正は私から見て、少子化対策よりもよほど異次元に感じています。
これだけ破格の改正はプロや投資経験者にさえ大きな驚きを与えており、「これだけ非課税枠を広げる以上、他で増税せざるを得ない」「その分消費税が上がるのではないか」という心配の声をよく聞きます。
投資をする人のための優遇制度を維持するために誰もが負担している消費税が上がるのだとしたら、これは確かに「やらなきゃ損」といわれるのも頷けます。
最近の日本がインフレ局面を迎えていることを考えても、お金をただ持っているだけではお金の価値が減る分「損をする」ことになるので、今後は損をしたくないから何もしないということの方が損をする時代になると思います。
私自身は「投資をするリスク」より「投資をしないリスク」の方がはるかに大きいと感じています。
岸田首相は「資産所得倍増計画」を掲げ「資産運用立国」宣言をしていますが、アメリカなどは、実際に国民が投資に積極的なこともあり、アメリカ人の個人金融資産は2000年代の20年で、3倍になっているという事実があります。
日本人が本気で投資をはじめれば今までやっていなかった分、むしろポテンシャルがあるといえ、「資産」所得の倍増は夢ではなく、むしろ現実的といっていいと感じています。
私自身も投資はやらなきゃ損だと思っていますし、自分が投資するのは当然として多くの日本人に極力損をしないための正しい投資を実践してほしいと思っています。

新NISA、どう活用すればよい?

新NISAでは、個別株の投資も、投資信託の積立投資もともに「非課税」となり、これらを両方同時に制度の活用ができるようになったわけですが、その枠の使い方や優先順位、具体的に何に投資をしていくかについては注意が必要です。
投資は勉強してからはじめるのが理想ですが、私はまずは少額でも実際にはじめてみることが一番の勉強になると思っています。
今は月々100円からでも投資することができるので、「投資はお金持ちだけがするもの」という誤解はしないでください。
最初は本当に「少額」だけ、つみたてNISAをはじめる、もしくは、証券会社のキャンペーンなどでもらえるポイントを使ってその中で買える株を買ってみる、という形で投資デビューをすることをおすすめしています。
借金して投資をしないのはもちろん、大金を投資に回すことも最初は厳に慎むべきです。
少額から少しずつはじめて経験を積み、仕組みを理解した上で金額の桁を上げていくようにしましょう。
「儲けよう」ではなく「損しないように」と考えて投資をはじめてほしいです。

慣れてきた時こそ危ない?!注意ポイント

慣れてきた時に注意して欲しいのは個別株式への投資は要注意だということです。
今はどんな大きな会社でも1日にして社会の信用を失ってしまうような時代です。
そうなると当然株価も大きく下がってしまいます。
投資はしなきゃ損と考える私ですら、個別株式への投資はとても慎重におこなっています。
個別株式を売買するための一般NISAの枠は新NISAでは「成長投資枠」という名前に変わりましたが、この中でもつみたてNISAで推奨されるような国が認める投資信託を購入することができます。
個別株式への投資はオマケ程度に考えて少しだけ枠を使う。
投資の鉄則である「長期・分散・積立」に適した投資信託への投資をメインにしながら非課税枠を最大限活用するようにするのが、初心者に適した新NISA活用方法だと思います。

執筆者


田形正広
Life Ship株式会社代表取締役。
社会保険労務士・キャリアコンサルタント・CFPファイナンシャルプランナー。
人材ビジネス業界にて20年、働く女性のキャリアやライフプランの相談に従事。
「知識がないと正しいアドバイスはできない」との考えから各種の資格を取得。
キャリアの土台としてマネーリテラシーを捉え、
自分も働いて、お金にも働かせる。お金の問題に悩まずに生きる「Financial Well-being」を広める。
「マンガで語るキャリア論」や「キャリアとマネーをセット語るマネーセミナー」講師。

Life Ship株式会社
https://life-ship.jp/

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